お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
先日、フリーランスとして活動している知人から相談を受けました。「契約更新の時期なんだけど、単価交渉ってどうすればいいの?」——この質問を受けて、多くのフリーランスエンジニアが同じ悩みを抱えているのではないかと感じました。
実は、フリーランスの約40%が単価交渉をまったくしていないというデータがあります。これは非常にもったいないことです。適切な準備と交渉術を身につければ、単価を10〜20%アップさせることは決して難しくありません。
本記事では、ITフリーランスが単価交渉を成功させるための適正単価の算出方法と契約更新時の交渉テクニックを体系的に解説します。PjM経験の中でフリーランスメンバーとの契約交渉に関わってきた立場から、発注側の視点も交えてお伝えします。
なぜフリーランスエンジニアの単価交渉は難しいのか
多くのフリーランスエンジニアが単価交渉を避けてしまう背景には、いくつかの心理的障壁があります。これらを理解することで、交渉への第一歩を踏み出しやすくなります。
「契約を切られるのが怖い」という心理
最も多いのが、交渉したら契約を打ち切られるのではないかという恐怖です。特に案件が途切れた経験がある人ほど、この心理に陥りやすい傾向があります。
しかし発注側の視点から言えば、優秀なフリーランスを失うコストは非常に高いのです。新たな人材を探し、オンボーディングし、戦力化するまでには時間とコストがかかります。ちょっとした単価アップで優秀な人材を引き留められるなら、多くの企業はそれを選択します。
「自分の価値がわからない」という問題
単価交渉をしない理由として「自分の適正単価がわからない」という声もよく聞きます。市場価値を正しく把握していないと、交渉の根拠を持てないため、言い出すことすらできません。
市場価値の把握は、交渉の武器になるだけでなく、自分のキャリアを客観的に見つめ直す機会にもなります。
交渉のタイミングがわからない
「いつ切り出せばいいのかわからない」という声も多いです。プロジェクトの途中で言い出すのは気が引けるし、更新時期ギリギリでは準備が足りない——そんなジレンマを抱えている人は少なくありません。
IT女子 アラ美適正単価の算出方法:交渉の根拠を作る
単価交渉を成功させるためには、まず「いくらが適正なのか」を把握する必要があります。ここでは、適正単価を算出するための具体的な方法を解説します。
市場相場からのアプローチ
最も基本的な方法は、自分のスキルセット・経験年数に対する市場相場を調べることです。
具体的には以下のソースを活用します:
- フリーランスエージェントの案件一覧: 同じ技術スタック・経験年数の案件単価を10件以上チェック
- 複数エージェントへの登録: 複数のエージェントからオファー単価を聞く
- フリーランス向け年収統計: レバテックやMidworksが公開しているデータを参照
また、フリーランスの営業戦略を実践しながら、市場感を掴んでいくことが重要です。
コストベースでのアプローチ
もう一つの方法は、自分が必要とする収入から逆算するアプローチです。
- 年間の生活費(家賃、食費、光熱費、保険など)
- 税金・社会保険料(フリーランスは会社員より負担が大きい)
- 事業経費(PC、ソフトウェア、勉強会、交通費など)
- 貯蓄・投資(将来への備え)
これらを合計し、稼働可能な月数で割ることで「最低限必要な月単価」が算出できます。


上のグラフは、フリーランスエンジニアの単価交渉に関する調査結果です。40%が交渉せず、交渉した人のうち約半数(40%)が単価アップに成功しています。つまり、行動すれば約半数は成功するということです。
スキルの希少性を加味する
市場相場とコストベースの算出に加えて、自分のスキルの希少性を考慮することも重要です。
- 特定の言語やフレームワークの専門性(Rust、Go、Kubernetesなど)
- 業界ドメイン知識(金融、医療、EC など)
- マネジメント経験やリーダーシップ
希少性の高いスキルを持っている場合、市場相場より20〜30%高い単価でも十分交渉可能です。



契約更新時の交渉テクニック:実践的なアプローチ
適正単価を把握したら、次は実際の交渉に臨みます。ここでは、契約更新時に使える年収交渉のテクニックを応用した交渉術を解説します。
交渉のタイミングを計る
契約更新の1〜2ヶ月前がベストなタイミングです。ギリギリすぎると相手も準備できませんし、早すぎると記憶から薄れてしまいます。
また、以下のタイミングも交渉のチャンスです:
- 大きなプロジェクトを成功させた直後
- 新しいスキルを習得してプロジェクトに貢献し始めたとき
- チーム内で重要な役割を任されるようになったとき
3ステップフレームワークで提案する
交渉の際は、以下の3ステップで話を進めます。
現状の貢献を具体的に示す
「今期は〇〇プロジェクトでリードを担当し、当初の予定より2週間早く納品できました。また、新人メンバーのオンボーディングも担当しています。」
市場相場との比較を提示する
「市場を調査したところ、同等のスキルセット・経験年数のエンジニアは月単価80〜100万円でオファーを受けているようです。現在の70万円とはギャップがあると感じています。」
具体的な希望額を伝える
「以上を踏まえ、次回の契約更新では月単価を85万円に改定いただけないかご相談したいです。引き続き品質を維持し、チームに貢献していきます。」
「NO」と言われた場合の対応
希望が通らなかった場合も、すぐに諦めず代替案を模索しましょう。
- 「金額は難しいが、リモート勤務の日数を増やせる」
- 「半期後の更新時に再検討する」
- 「スキルアップ支援(資格取得費用など)を出せる」
金額以外の条件改善も、立派な交渉成果です。



ケーススタディ:月単価20万円アップを実現したエンジニアの実例
首都圏のITフリーランス向け高単価案件をチェックしてみましょう。
ここでは、実際に単価交渉に成功したフリーランスエンジニアのケースを紹介します(個人情報保護のため一部改変)。
状況(Before)
山田さん(仮名)は、フリーランス歴3年のバックエンドエンジニア。現在のクライアントと1年以上継続して稼働していましたが、月単価は65万円のまま据え置きでした。
- スキル: Java, Spring Boot, AWS, Terraform
- 実績: 基幹システムのクラウド移行プロジェクトでテックリードを担当
- 課題: 単価が低いと感じつつも、交渉のタイミングと方法がわからなかった
行動(Action)
山田さんは以下のステップで交渉に臨みました。
まず市場調査に2週間かけました。複数のフリーランスエージェントに登録し、同等スキルの案件単価を確認。結果、自分の市場価値は75〜90万円相当だとわかりました。
次に実績の棚卸しを1週間で実施。クラウド移行で年間1200万円のコスト削減を実現したこと、新人2名のメンタリングを担当していることなどを整理しました。
そして契約更新の6週間前にPM経由で打診。直接の発注元ではなく、日頃コミュニケーションを取っているPMに「契約更新について相談したい」と切り出しました。
結果(After)
交渉の結果、月単価85万円への改定に成功(20万円アップ)。
PMからのフィードバック:
「正直、山田さんがここまで市場価値を調べてくるとは思わなかった。ただ、実績と根拠がしっかりしていたので、クライアントにも説明しやすかった。」
ハマりポイント
山田さんが苦労したのは、最初の一歩を踏み出すことでした。「交渉したら契約を切られるのでは」という不安がありましたが、事前にPMと信頼関係を築いていたことで、カジュアルに相談できたそうです。



交渉を成功させるためのマインドセット
最後に、単価交渉を成功させるうえで重要なマインドセットについて解説します。
交渉は「価値の確認」であり「対立」ではない
単価交渉を「クライアントと戦う」ことだと捉えると、どうしても身構えてしまいます。しかし本質は、「自分が提供する価値に見合った対価を確認する」というビジネスコミュニケーションです。
クライアント側も、優秀なエンジニアの市場価値を把握しています。適正な単価を払うことでエンジニアの離脱リスクを下げられるなら、それはクライアントにとってもメリットがあるのです。
「選ばれる側」から「選ぶ側」へ
フリーランスの強みは、クライアントを選べることです。現在のクライアントと合意できなければ、別の案件を探せばいい——この心構えがあるだけで、交渉の姿勢が変わります。
もちろん、案件が途切れるリスクを完全にゼロにすることはできません。しかし、常に市場価値を把握し、次の選択肢を持っておくことで、対等な立場で交渉できるようになります。
長期的な関係を見据える
単価交渉は短期的な利益だけを追求する行為ではありません。長期的な信頼関係を維持しながら、適正な対価を得続けることが目標です。
そのためには、交渉が成立しなかった場合も関係を悪化させないことが重要です。「今回は難しかったが、半年後に再度相談させてください」と言える余地を残しておきましょう。



ITフリーランス向けエージェントの活用法
単価交渉を有利に進めるためには、市場価値の把握と案件の選択肢を持つことが重要です。スカウト型サービスと併用することで、さらに多くの案件を比較できます。以下の比較表で、自分に合ったエージェントを選んでみてください。
自分のスキルを活かしてフリーランスとして独立したい、あるいは副業で収入を得たいと考えている方は、以下のエージェントを活用するのが近道です。
| 比較項目 | Midworks | レバテックフリーランス | PE-BANK |
|---|---|---|---|
| 保障・安心感 | 正社員並みの手厚さ給与保障・福利厚生あり | 一般的案件数は業界最多 | 共済制度あり確定申告サポート等 |
| 単価・マージン | 低マージン・公開 | 非公開 | 明朗会計(公開) |
| 案件獲得の手間 | リモート・週3など柔軟 | 高単価案件が豊富 | 地方案件に強い |
| おすすめ度 | 独立直後〜中級者 | Aガッツリ稼ぐなら | Bベテラン・地方 |
| 公式サイト | 案件を探す | - | - |



まとめ
ITフリーランスの単価交渉は、適切な準備と交渉術があれば、約半数が成功することがデータからも明らかです。
本記事のポイントを整理します:
- 適正単価の算出: 市場相場・コストベース・スキル希少性の3軸で把握
- 交渉テクニック: 貢献の具体化→市場比較→希望額提示の3ステップ
- マインドセット: 交渉は「対立」ではなく「価値の確認」
「単価交渉は難しい」と感じている方こそ、まずは市場価値の確認から始めてみてください。複数のエージェントに登録するだけで、自分の「値段」が見えてきます。
行動した人だけが、適正な報酬を手にできるのです。













