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結論から言うと、1on1ミーティングは「受け身で参加する場」ではなく、自分のキャリアを前進させるための戦略的な機会です。準備して臨むか、ただ話を聞いて終わるかで、キャリアの進み方が大きく変わります。
「1on1で何を話せばいいかわからない」「上司に自分の仕事をうまく伝えられない」「評価面談で成果をアピールできない」。こうした悩みを抱えるエンジニアは少なくありません。
本記事では、1on1を「自分の価値を伝える場」として活用するための具体的な準備方法と対話戦略を解説します。
なぜエンジニアは1on1で損をしやすいのか
エンジニアは技術力が高くても、それを言語化して伝えることが苦手な傾向があります。これが1on1で損をする最大の原因です。
技術力と評価のギャップ
「やった仕事」と「伝わった仕事」の差
コードを書く時間が長いほど、成果を言語化する時間は短くなりがちです。しかし、上司はあなたの全コードを読んでいるわけではありません。伝えなければ、やっていないのと同じです。
謙遜文化の罠
「大したことはしていません」「チームのおかげです」という謙遜は美徳ですが、度が過ぎると自分の貢献を過小評価させてしまいます。事実を事実として伝えることは自慢ではありません。
1on1の本来の目的
1on1は進捗報告の場ではありません。本来はキャリア開発・課題共有・信頼構築のための時間です。この認識のズレが、1on1を形骸化させる原因になっています。
1on1の効果的な活用方法についてはプレイングマネージャーの1on1と権限委譲ガイドでマネージャー視点からも解説しています。
IT女子 アラ美1on1前の準備:3つの事前整理フレームワーク
1on1で成果を出すには、事前準備が9割です。以下の3つのフレームワークで整理してから臨みましょう。


フレームワーク1:成果の棚卸し(STAR法)
直近の1on1以降に取り組んだことを、STAR法で整理します。
- Situation(状況):どんな背景・課題があったか
- Task(課題):自分が担った役割は何か
- Action(行動):具体的に何をしたか
- Result(結果):どんな成果・数値変化があったか
フレームワーク2:課題と相談事項の整理
困っていることを3つに分類して整理します。
- 自分で解決できる:報告のみで相談不要
- 上司のサポートが必要:具体的な依頼を明確に
- 組織レベルの課題:エスカレーション対象として共有
フレームワーク3:キャリア意向の言語化
「今後どうなりたいか」を言語化しておきます。抽象的でも構いませんが、「こういう方向に進みたい」という意思表示ができると、上司もアサインや機会提供を考えやすくなります。
キャリア意向の言語化例
「マネジメントに興味がある」のような曖昧な表現ではなく、「来期は3名程度の小規模チームのリードを経験したい」「2年以内にアーキテクトとして設計判断を任されるポジションを目指したい」のように具体的な数値や期間を含めて伝えましょう。
これらの準備の考え方はエンジニアがスキルシートで損しないための書き方と見せ方でも紹介しています。



1on1中の対話戦略:伝え方の技術(ケーススタディ)
ここでは、実際に1on1を改善したケーススタディを紹介します。
状況(Before)
- 人物像:28歳、Web系企業のバックエンドエンジニア(経験4年目)
- 課題:技術力には自信があるが、評価面談で「もう少し主体性がほしい」と言われ続けていた
- 1on1の状態:月1回15分、進捗報告のみで終了。キャリアの話題はほぼなし
行動(Action)
事前準備の導入
上記3つのフレームワークを導入し、毎回15分の準備を開始。具体的には、Notionに1on1専用ページを作成し、毎回の1on1前日に「成果・STAR法」「課題・相談事項」「キャリア意向」の3セクションを埋めるルーティンに切り替えた。テンプレートは以下のような構成とした。
## 今回の1on1アジェンダ(2026/01/06)
### 1. 成果報告(STAR法)
- 状況: 商品詳細APIのレスポンスが遅いという問題があった
- 課題: P95レイテンシを200ms以下に改善する
- 行動: N+1クエリの解消とキャッシュ層の追加を実施
- 結果: P95レイテンシを320ms→180msに改善(44%削減)
### 2. 課題・相談事項
- 【相談】新規ライブラリ導入の承認フローについて
- 【報告】コードレビューの負荷が増加している件
### 3. キャリア意向
- 来期はコードレビューガイドライン策定をリードしたい
アジェンダ共有の実践
1on1の前日に「今回話したいこと」を3点、Slackで上司に共有する方式に変更した。形式は箇条書きで「①APIレスポンス改善の報告、②コードレビューの改善提案、③来期のアサイン希望」のようにシンプルに送信。この方式を適用したことで、上司側も事前に話題を把握でき、限られた時間を有効に使えるようになった。
成果の数値化
「APIレスポンス改善に取り組んだ」という曖昧な伝え方をやめ、「P95レイテンシを320ms→180msに改善(44%削減)、エラー率を0.8%→0.2%に削減(75%削減)」と具体的な数値で伝えるよう変更。数値はDatadogダッシュボードから事前にスクリーンショットを取得し、1on1メモに貼り付けて視覚的にも伝えられるようにした。
キャリア意向の表明
「来期はチーム内のコードレビューの標準化をリードしたい」と具体的に伝達。さらに「理由は、レビュー品質のばらつきがバグ流出の原因になっていると感じているからです。具体的には、直近3ヶ月で4件の本番障害がレビュー漏れに起因しており、ガイドラインと自動チェックの導入で半減できると考えています」と数値データも添えた。
結果(After)
- 3ヶ月後:評価面談で「最近、成果が見えやすくなった」とフィードバック
- 6ヶ月後:希望どおりコードレビューガイドライン策定のリード役にアサイン
- 年収変化:翌年の等級改定で1段階昇格し、年収50万円アップ
ハマりポイントと対処法
最初は「アジェンダ共有は堅苦しい」と上司に言われたが、「効率的に話すためです」と説明して継続。2ヶ月後には上司側も事前に資料を用意するようになり、1on1の質が双方向で向上した。
評価を高めるコミュニケーション術はテックリードへのキャリアアップ戦略でも詳しく解説しています。



1on1後のフォローアップ:振り返りと記録
1on1は終わった後の振り返りと記録が重要です。話しっぱなしでは効果が半減します。
振り返りメモの作成
1on1終了後5分以内に、以下を簡単にメモします。
- 決まったこと:次回までのアクション、上司からの依頼
- 得られた情報:会社やチームの方針、上司の考え
- 自分の次のアクション:いつまでに何をするか
アクション管理と進捗報告
前回の1on1で決まったアクションの進捗を、次回の冒頭で必ず報告します。これにより「言ったことをやる人」という信頼が積み重なります。
アクション管理の具体例
たとえば前回の1on1で「ライブラリのアップデート調査を来週までに完了する」と約束したなら、次の1on1の冒頭で「前回約束したライブラリ調査は完了しました。結果として、4件の候補を絞り込み、推奨は○○です。理由は…」と報告します。この繰り返しが「この人に任せても大丈夫」という信頼を築きます。
記録の習慣化は会社に依存しないエンジニアのポータブルスキル設計で紹介している「業務棚卸し」にも直結します。



1on1を活用した評価向上とキャリア設計
1on1は短期的な評価向上だけでなく、中長期のキャリア設計にも活用できます。
評価制度との連動
多くの企業では、評価面談の材料として1on1での対話内容が参考にされます。つまり、普段の1on1で自分の成果や意向を伝えておくことが、評価面談での「サプライズ」を防ぎます。
キャリアパスの相談
「マネジメントに進みたい」「スペシャリストとして深掘りしたい」といったキャリア意向を1on1で継続的に伝えることで、上司も適切な機会やアサインを検討しやすくなります。
評価のギャップを埋める
1on1で自分の希望を伝えておくことで、評価面談時に「聞いていなかった」という事態を防ぐことができます。また、上司が上層部に説明する際の材料として。1on1で情報提供した内容が使われることもあります。これが評価の「見える化」につながります。
キャリア設計の考え方はエンジニアが年末年始に実践すべきキャリア棚卸しと目標設定フレームワークも参考にしてください。
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まとめ
1on1ミーティングを活用してキャリアを前進させるためのポイントを整理しました。
- 事前準備が9割:STAR法での成果整理、課題の分類、キャリア意向の言語化を15分で行う
- 伝え方の工夫:成果を数値で伝え、アジェンダを事前共有することで対話の質を高める
- フォローアップ:振り返りメモとアクション管理で「言ったことをやる人」という信頼を積み重ねる
- 中長期視点:1on1を評価面談やキャリア設計と連動させ、継続的に自分の価値を伝える
1on1は「上司に話を聞いてもらう場」ではなく、「自分のキャリアを自分でコントロールするための手段」です。ぜひ明日の1on1から、準備を始めてみてください。














