
Paper2Slides実践ガイド:論文からプレゼン資料を自動生成するAIツールの導入と活用法
お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「論文を読んで内容を理解したけど、プレゼン資料にまとめる時間がない」
「社内勉強会で最新の論文を紹介したいけど、スライド作成が面倒」
「研究成果を発表するためのプレゼン資料作成に毎回何時間もかかっている」
こんな悩みを抱えているエンジニアや研究者は多いのではないでしょうか。
論文の内容をプレゼン資料にまとめる作業は、内容の理解・構成の設計・スライドのデザインと、複数のスキルが必要で時間がかかります。
特に技術系の論文は図表やコードが多く、手作業でスライドに落とし込むのは骨が折れます。
そこで注目されているのが、Paper2SlidesというオープンソースのAIツールです。
論文のPDFをアップロードするだけで、内容を解析してプレゼン資料を自動生成してくれます。
私自身、PjMとして社内勉強会の資料作成を担当することがありますが、Paper2Slidesを導入してから資料作成時間が約90%短縮されました。
本記事では、Paper2Slidesの導入方法から実践的な活用パターンまで、具体的に解説します。
Paper2Slidesとは何か
Paper2Slidesは、香港大学のHKUDSチームが開発したオープンソースのAIツールです。
論文のPDFを入力として受け取り、内容を解析してプレゼンテーション用のスライドを自動生成します。
主な特徴
Paper2Slidesには以下の特徴があります。
- ワンクリック変換:論文PDFをアップロードするだけでスライドが生成される
- 構造化された出力:論文の構成(Abstract、Introduction、Method、Results等)を自動認識してスライド構成に反映
- 図表の自動抽出:論文内の図表を自動で抽出してスライドに配置
- カスタマイズ可能:生成されたスライドは後から編集可能
- オープンソース:GitHubで公開されており、自由に利用・改変できる
技術的な仕組み
Paper2Slidesは、以下の技術スタックで構成されています。
- PDF解析:PyMuPDFを使用して論文の構造を解析
- LLM連携:OpenAI GPT-4やClaude等のLLMを使用してコンテンツを要約・構造化
- スライド生成:python-pptxを使用してPowerPoint形式で出力
AIエージェントの活用については、Open-AutoGLM入門:オープンソースAIエージェントで業務自動化を実現する実装ガイドも参考にしてください。
LLMを活用した自動化の考え方は達人プログラマーで体系的に学べます。

Paper2Slidesの導入手順
Paper2Slidesはローカル環境で動作させることができます。
ここでは、実際のセットアップ手順を解説します。
前提条件
以下の環境が必要です。
- Python 3.9以上
- Git
- OpenAI APIキー(GPT-4を使用する場合)
インストール手順
まず、リポジトリをクローンします。
git clone https://github.com/HKUDS/Paper2Slides.git
cd Paper2Slides
次に、依存関係をインストールします。
pip install -r requirements.txt
環境変数を設定します。
export OPENAI_API_KEY="your-api-key-here"
基本的な使い方
論文PDFからスライドを生成するには、以下のコマンドを実行します。
python main.py --input paper.pdf --output slides.pptx
生成されたスライドは、PowerPoint形式で出力されます。
開発環境の構築については、Cursor×ローカルLLMで実現するオフライン開発環境構築完全ガイドも参考になります。
Pythonの自動化スクリプトについてはPython自動化の書籍で詳しく解説されています。

ケーススタディ:社内勉強会での活用事例
ここでは、私が実際にPaper2Slidesを活用した事例を紹介します。
プロジェクト管理の効率化については、循環的複雑度を活用したコード品質改善:リファクタリング判断の実践ガイドも参考にしてください。
【状況】
私のチームでは、月1回の社内勉強会で最新のAI論文を紹介する取り組みを行っています。
従来は、論文を読んで内容を理解し、スライドを手作業で作成していました。
1本の論文につき、約3時間の作成時間がかかっていました。
【行動】
Paper2Slidesを導入し、以下のワークフローに変更しました。
- 論文PDFをPaper2Slidesに入力
- 自動生成されたスライドをベースに、重要なポイントを追記・修正
- チーム内でレビューして最終化
【結果】
スライド作成時間が約3時間から15〜20分に短縮されました。
自動生成されたスライドは、論文の構成を正確に反映しており、図表も適切に配置されていました。
手作業での修正は、強調したいポイントの追加や、チーム固有の文脈を加える程度で済みました。
【ハマりポイント】
最初は日本語の論文で試したところ、一部の文字化けが発生しました。
英語の論文では問題なく動作するため、日本語論文の場合は事前にOCR処理を行うか、英語論文を優先的に使用することをおすすめします。
このようなツールを活用することで、本質的な議論や考察に時間を使えるようになります。
私のチームでは、浮いた時間を論文の内容に関するディスカッションや、実際のプロジェクトへの応用方法の検討に充てるようになりました。
また、生成されたスライドはそのまま使うのではなく、ベースとして活用するのがポイントです。
自分の言葉で補足したり、チーム固有の文脈を加えたりすることで、より価値のあるプレゼン資料になります。
AI活用の体系的な知識はKubernetes完全ガイド 第2版で学べます。
以下のグラフは、手動作成とPaper2Slidesを使用した場合の時間比較です。

Paper2Slidesの応用パターン
基本的な使い方を押さえたら、より発展的な活用パターンを試してみましょう。
CI/CDパイプラインの構築については、GitLab 18のDuo Code Suggestions完全ガイド:AIコード補完の設定と活用法も参考になります。
カスタムテンプレートの適用
Paper2Slidesは、カスタムテンプレートを適用することで、企業のブランドガイドラインに沿ったスライドを生成できます。
python main.py --input paper.pdf --output slides.pptx --template company_template.pptx
バッチ処理での複数論文変換
複数の論文を一括で変換する場合は、シェルスクリプトで自動化できます。
#!/bin/bash
for pdf in papers/*.pdf; do
filename=$(basename "$pdf" .pdf)
python main.py --input "$pdf" --output "slides/${filename}.pptx"
done
CI/CDパイプラインへの組み込み
研究チームでは、論文リポジトリにPDFがプッシュされたタイミングで自動的にスライドを生成するワークフローを構築することも可能です。
GitHub Actionsを使用すれば、以下のような自動化が実現できます。
- 論文PDFがリポジトリにプッシュされる
- GitHub Actionsがトリガーされ、Paper2Slidesを実行
- 生成されたスライドがリリースアセットとして公開される
GitHub Actionsでの自動化例
以下は、GitHub Actionsを使用してPaper2Slidesを自動実行するワークフローの例です。
name: Generate Slides from Paper
on:
push:
paths:
- 'papers/*.pdf'
jobs:
generate:
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- name: Setup Python
uses: actions/setup-python@v5
with:
python-version: '3.11'
- name: Install dependencies
run: pip install -r requirements.txt
- name: Generate slides
env:
OPENAI_API_KEY: ${{ secrets.OPENAI_API_KEY }}
run: |
for pdf in papers/*.pdf; do
python main.py --input "$pdf" --output "slides/$(basename $pdf .pdf).pptx"
done
- name: Upload artifacts
uses: actions/upload-artifact@v4
with:
name: slides
path: slides/
このワークフローを設定しておけば、論文PDFをリポジトリにプッシュするだけで、自動的にスライドが生成されます。
チームメンバーは生成されたスライドをダウンロードして、必要に応じて編集するだけで済みます。
API連携での拡張
Paper2SlidesはPythonライブラリとしても使用できるため、他のシステムとの連携も容易です。
例えば、Slackボットと連携して、論文URLを投稿するとスライドが自動生成されるような仕組みも構築できます。
- Slackボット連携:論文URLを投稿するとスライドを生成してアップロード
- Notion連携:論文データベースに追加されたPDFから自動でスライドを生成
- Google Drive連携:特定フォルダにアップロードされたPDFを監視して自動変換
自動化の設計パターンはリファクタリング(第2版)で体系的に学べます。

まとめ
Paper2Slidesを使った論文からプレゼン資料の自動生成について解説しました。
本記事のポイントを振り返ります。
- Paper2Slidesは論文PDFからプレゼン資料を自動生成するオープンソースツール
- ワンクリックで論文の構成を反映したスライドが生成される
- 導入はGitクローンとpip installで完了し、すぐに使い始められる
- 社内勉強会での活用で、資料作成時間を約90%短縮できた
- カスタムテンプレートやバッチ処理で、さらに効率化が可能
論文を読んで内容を理解することは重要ですが、プレゼン資料の作成作業はAIに任せて、本質的な議論や考察に時間を使うのが効率的です。
まずは1本の論文で試してみて、ワークフローに組み込めるか検討してみてください。











