お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「このままだと、他社で通用しないエンジニアになってしまうんじゃないか……?」
先日、とある金融系SIerに勤める25歳の若手エンジニア(Aさん)から、深刻な相談を受けました。
彼は新卒で大手SIerの子会社に入社し、銀行勘定系システムの保守開発を担当。しかし、そこで待っていたのはモダンな技術選定ではなく、「Excel方眼紙で書かれた膨大な仕様書」と「社内独自フレームワーク」、そして「協力会社への指示出し業務」でした。
「GitHubはおろか、Slackさえ導入されていない現場なんです。コードを書くことよりも、Excelの更新履歴を管理する時間の方が長い。このまま30代になったら、Web系の会社には相手にされなくなるんじゃないかと、夜も眠れません」
あなたも、似たような不安を抱えてはいませんか?
金融系SIerは安定しており、給与水準も悪くありません。しかし、「市場価値」という観点で見ると、そこで身につくスキルとWeb系企業が求めるスキルには、残酷なほどの乖離(ギャップ)があります。
この記事では、SIer特有の「市場価値の壁」を正しく認識し、そこから脱出してWeb系自社開発企業への転職を成功させるための具体的な戦略をお話しします。
金融系SIer出身者が直面する「市場価値の壁」とは
まず、なぜ金融系SIerからの転職が「難しい」と言われるのか、その正体を解像度高く理解しましょう。単に「技術が古い」というだけではありません。
技術スタックのガラパゴス化
金融系システム、特に勘定系などのミッションクリティカルな領域では、「枯れた技術」が好まれます。COBOLやJava 6/8といったレガシーな環境が現役で稼働しており、フレームワークもStrutsやSeasar2、あるいはそれらをベースにした「社内独自フレームワーク」が使われていることが少なくありません。
Web系企業では、React, TypeScript, Next.js, Go, AWS/GCP, Docker/Kubernetes といったモダンな技術スタックが標準です。しかし、独自フレームワークの経験は、一歩社外に出れば「何も知らない」のと同じ評価を受けてしまうリスクがあります。「社内のライブラリを呼ぶだけでDB接続ができる」といった環境に慣れきってしまうと、素のSQLが書けない、ORMの仕組みが分からないといった弊害も生まれます。関連する記事も参考にしてください:レガシーエンジニアの強みを活かす翻訳術。
「開発」ではなく「管理」が主務
SIerの構造上、若手であってもプログラミングより「パートナー管理」や「ドキュメント作成」が主な業務になりがちです。
- SIerの評価軸: プロジェクト管理能力、調整力、ドキュメントの正確性
- Web系の評価軸: コードによる課題解決能力、自走力、技術選定のセンス
この評価軸のズレが、転職活動における最大のハードルとなります。「リーダー経験はありますが、コードは3年書いていません」という人材を、Web系スタートアップは採用しづらいのです。
求めているのは「プレイングマネージャー」や「リードエンジニア」であって、「コードが書けないマネージャー」ではありません。特に20代後半であれば、まだ現場でバリバリ実装できる能力が求められます。SIerでの「管理経験」は、あくまで「技術力」という土台があって初めて評価されるオプション要素だと認識しておきましょう。ここに気づかずに「PM経験」ばかりアピールしてしまうと、書類選考でことごとく落とされることになります。
カルチャーの断絶
「ウォーターフォールで完璧な設計をしてから実装」というSIerの常識は、「アジャイルで走りながら改善」というWeb系の常識とは水と油です。スピード感、ツール(電話・メール vs Slack・Notion)、服装に至るまで、カルチャーギャップへの適応力が問われます。
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成功のポイント:SIer経験を「強み」に変換する
Web系企業も、実は「ちゃんとしたドキュメントが書けない」「調整業務ができない」ことに悩んでいます。Aさんは、SIerで培った「堅実な業務遂行能力」をアピールしつつ、個人開発で「技術へのキャッチアップ能力」を証明することで、懸念点を払拭したのです。
「SIer出身者は技術力がない」というバイアスを逆手に取り、「技術力もあるし、管理能力も高い」というポジションを確立できれば、年収アップも夢ではありません。実際、上流工程の経験はWeb系でもPM/EM候補として高く評価されます。参考:上流工程へのキャリアシフト戦略。



現職でこっそり始める「脱出準備」3ステップ
いきなり退職届を出すのは危険です。まずは今の環境に在籍しながら、虎視眈々と準備を進めましょう。焦って辞めてしまうと、金銭的な不安から「とりあえず受かったSES」に妥協して入社し、また同じようなレガシー案件に配属される……という負のループに陥る可能性があります。
そうならないために、今の安定した給与を受け取りながら、水面下で着実に「市場価値」を高めていくのが最も賢い戦略です。具体的には、以下の3つのステップで進めていきましょう。
GitHubアカウントを作り「草」を生やす
SIerエンジニアの最大の弱点は「コードが見えない」ことです。業務コードは持ち出せないので、個人開発でポートフォリオを作るしかありません。
高尚なアプリである必要はありません。「技術スタックがモダンであること(Docker, CI/CD, Reactなど)」が重要です。採用担当者はコードの中身以上に、「新しい技術に触ろうとしている姿勢」を見ています。
具体的には、以下のような構成のWebアプリを作って公開するのがおすすめです。
- フロントエンド: Next.js (TypeScript)
- バックエンド: Go (Gin/Echo) または Node.js (NestJS)
- インフラ: AWS (ECS/Fargate) または Vercel + Supabase
- CI/CD: GitHub Actions (自動テスト・デプロイ)
これらを組み合わせて、「ToDoアプリ」や「家計簿アプリ」のようなシンプルなものを作ってみましょう。そして重要なのは、「毎日コミットして草(Contributions)を生やす」ことです。学習の継続力は、ポテンシャル採用において最強の武器になります。
職務経歴書を「Web系仕様」に書き換える
SIer流の職務経歴書は「プロジェクト概要」と「担当工程」ばかり詳しく書かれがちですが、Web系で見られるのは「使用技術(バージョン含む)」と「具体的な工夫(課題→解決)」です。
「⚪︎⚪︎システムの保守」ではなく、「VBAによるテストデータ生成自動化で工数を20%削減」といった、具体的な数字とエピソードを盛り込みましょう。
例えば、以下のように書き換えます。
- Before (SIer流): 〇〇銀行勘定系システムの詳細設計・製造・テストを担当。チームリーダーとして5名を管理。
- After (Web系流): Java 8 (Struts) を用いたバッチ処理のパフォーマンス改善を担当。SQLの実行計画を見直し、処理時間を4時間から30分に短縮(87%削減)。また、チーム内のナレッジ共有のためWikiを導入し、新人教育のコストを削減。
このように、「技術的な課題解決」にフォーカスを当てることで、採用担当者に「この人は自走して課題を解決できるエンジニアだ」という印象を与えることができます。
「話が通じる」エージェントを探す
総合型エージェントの担当者は技術用語を知らないことが多く、「Java経験あり」だけでレガシーな現場を紹介してくることがあります。
「Go言語に挑戦したい」「自社サービスに関わりたい」という希望を正確に理解してくれる、エンジニア出身のキャリアアドバイザーがいるエージェントを選ぶことが、ミスマッチを防ぐ鍵です。あわせて読みたい:市場価値を高めるポートフォリオ設計。



金融系SIerからの転職におすすめのエージェント比較
最後に、SIerからのキャリアチェンジに強い、信頼できるサービスを厳選して紹介します。
もし「今の実力で通用するか不安」なら、まずはTechGoのキャリアカウンセリングを受けてみてください。市場価値の診断だけでも受ける価値があります。
一方で、「まずはコードを書く現場に行きたい」「年収を下げたくない」という場合は、高還元SESのTechClipsが現実的な選択肢になります。商流が浅く、エンド直請け案件が多いため、SIerよりもモダンな環境で働ける可能性が高いです。こちらもチェック:SESエンジニア3年目の岐路。
さらなる年収アップやキャリアアップを目指すなら、ハイクラス向けの求人に特化した以下のサービスがおすすめです。
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まとめ
Web系自社開発への転職は、決して不可能な夢ではありません。しかし、待っているだけで向こうからスカウトが来ることはありません。
今日からGitHubのアカウントを作り、モダンな技術情報をインプットし、エージェントに相談する。その小さな一歩が、1年後のあなたを「好きな場所で、好きな技術で働くエンジニア」に変えてくれます。













