IT女子 アラ美お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「残業代が正しく支払われているか不安」「退職したいけど引き止められそう」「業務委託契約の落とし穴がわからない」——エンジニアとして技術力を磨くことに集中するあまり、自分の労働条件や権利について無頓着になっていませんか。厚生労働省の調査(2025年)によると、IT業界の労働基準法違反率は全業種平均を上回る約68%に達しています。しかも、違反を受けている当事者の多くが「それが違法だと知らなかった」と回答しています。本記事では、エンジニアが最低限知っておくべき労務知識を、残業・契約・退職の3つの軸で整理し、「知らなかったから損をした」を防ぐための実践的なフレームワークを解説します。
エンジニアの労務問題における前提整理



エンジニアの労務問題を考える前に、まず「自分がどの契約形態で働いているのか」を正確に理解する必要があります。フリーランスエンジニアの案件獲得ガイドの記事でも触れた通り、正社員・契約社員・派遣社員・業務委託(準委任/請負)では適用される法律が根本的に異なります。
契約形態と適用法令の違い
- 正社員・契約社員:労働基準法が全面適用。残業規制、有給休暇、解雇規制の保護を受ける
- 派遣社員:労働者派遣法が追加適用。派遣先と派遣元の二重の責任関係がある
- 業務委託(準委任):労働基準法の適用外。ただし「偽装請負」に該当する場合は労働者として保護される
- 業務委託(請負):成果物に対する責任を負う。労働時間の概念がなく、自己管理が前提
特にSES(システムエンジニアリングサービス)で働くエンジニアは、契約上は「業務委託」でも実態は「派遣」に近いケースが多く、これが偽装請負として問題になることがあります。指揮命令系統が客先にある場合、それは法的には派遣に該当する可能性が高いです。



残業・契約・退職の法的フレームワーク
エンジニアが直面する労務問題は、大きく「残業」「契約」「退職」の3つに分類できます。リモートワーク生産性向上の記事で紹介した働き方の最適化と合わせて、法的な知識を武器にすることで自分の労働環境を守れます。


残業に関する法的知識
- 36協定の上限:月45時間・年360時間が原則上限。特別条項でも年720時間・月100時間未満(休日労働含む)が絶対的上限
- 固定残業代の落とし穴:「みなし残業40時間」と記載されていても、実際の残業が40時間を超えた分は追加で支払われなければ違法
- 管理監督者の誤用:「マネージャー」の肩書きがあっても、経営に関する権限がなければ労働基準法上の管理監督者には該当しない。残業代の支払い義務がある
契約に関する法的知識
- 労働条件通知書の確認:2024年4月の法改正で、就業場所・業務内容の「変更の範囲」の明示が義務化された
- 競業避止義務の限界:退職後の競業避止条項は、期間・地域・代償措置が合理的でなければ無効になるケースが多い
- 秘密保持契約(NDA)の範囲:個人のスキルや一般的な技術知識まで秘密情報に含めることはできない
退職に関する法的知識
- 退職の自由:正社員(期間の定めなし)は、退職届を提出してから2週間で退職できる(民法627条)。会社の承認は不要
- 有給休暇の消化:退職時に残っている有給休暇は、退職日までに取得する権利がある。会社は拒否できない
- 退職金の法的位置づけ:退職金は法律上の義務ではなく、就業規則に定めがある場合のみ請求権が発生する



労務知識で環境を改善した実践例(ケーススタディ)



状況(Before)
- 28歳、SES企業で客先常駐のバックエンドエンジニアとして3年目。月の残業時間は平均60時間で、固定残業代30時間分しか支給されていなかった
- 退職を申し出たところ「プロジェクト途中での退職は損害賠償を請求する」と上司から口頭で言われ、退職を断念していた
- 契約書を確認したところ、業務委託契約なのに客先から直接指示を受けており、偽装請負の疑いがあった
行動(Action)
- キャリア設計とリスキリング戦略の記事で紹介されている「キャリアの棚卸し」を実施し、自分の市場価値と現在の待遇のギャップを数値化した
- 労働基準監督署の無料相談窓口に電話し、固定残業代の超過分未払いと偽装請負の疑いについて相談。担当者から「労働者性が認められる可能性が高い」との見解を得た
- 過去2年分の勤怠記録(PCログオン時刻、メール送信履歴、Slackのアクティビティログ)をExcelに整理し、未払い残業代を約180万円と算出した
- 退職届を内容証明郵便で送付し、民法627条に基づき2週間後の退職日を明記。同時に未払い残業代の請求書を添付した
結果(After)
- 会社側は損害賠償の話を撤回し、退職届を受理。未払い残業代のうち約150万円が支払われた(一部は時効により請求不可)
- 転職先では労働条件通知書を入社前に詳細確認し、固定残業代の有無・36協定の内容・リモートワーク規定を書面で確認してから入社
- 年収は420万円から580万円に上昇(約38%アップ)。残業時間は月平均15時間に減少し、技術学習に充てる時間が大幅に増えた



労務リテラシーを日常に落とし込むステップ
労務知識は「知っている」だけでは意味がありません。日常的に自分の労働環境をチェックし、問題があれば早期に対処する習慣を身につけることが重要です。40代キャリア生存戦略の記事でも強調している通り、キャリアの各段階で自分の権利を守る意識が長期的な市場価値の維持につながります。
- 入社時に労働条件通知書を必ず確認する:就業場所、業務内容、残業の有無、固定残業代の詳細、退職金の有無を書面で確認。不明点は入社前に質問する
- 勤怠記録を自分でも残す:会社の勤怠システムとは別に、PCのログオン時刻やメール送信時刻を月次でスプレッドシートに記録しておく
- 36協定の内容を把握する:自社の36協定は労働基準監督署で閲覧可能。上限時間と特別条項の有無を確認する
- 退職時のチェックリストを準備する:有給休暇の残日数、退職金の計算方法、競業避止義務の有無を事前に整理しておく
- 相談窓口を把握しておく:労働基準監督署(無料)、法テラス(無料法律相談)、労働組合の連絡先をブックマークしておく
さらなる年収アップやキャリアアップを目指すなら、ハイクラス向けの求人に特化した以下のサービスがおすすめです。
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まとめ
エンジニアの労務リテラシーは、技術力と同じくらいキャリアを守る武器になります。
- 契約形態を正確に理解する:正社員・派遣・業務委託で適用される法律が異なる。特にSESの偽装請負には注意
- 残業・契約・退職の3軸で権利を把握する:固定残業代の超過分請求、退職の自由(民法627条)、競業避止義務の限界を知っておく
- 証拠を日常的に残す:勤怠記録、契約書、メールのやり取りは、いざというときの最大の武器になる
「法律なんてエンジニアには関係ない」と思っていた方こそ、今日から労働条件通知書を引っ張り出して読み直してみてください。知識があるだけで、交渉の立場は大きく変わります。














