
正社員からフリーランスへ独立するエンジニアの準備チェックリスト:収入・保険・案件獲得の現実
お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「フリーランスになったら収入は上がるの?」
「健康保険や年金はどうなるの?」
「案件が途切れたらどうしよう…」
正社員からフリーランスへの独立を考えているエンジニアなら、こんな不安を抱えていませんか?
フリーランスエンジニアの働き方は魅力的に見えますが、準備不足のまま独立すると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。
収入が上がっても、社会保険料や税金の負担増で手取りが減ったり、案件が途切れて収入ゼロの月が続いたり…。
私はPjMとして多くのフリーランスエンジニアと仕事をしてきましたが、準備をしっかりした人とそうでない人では、独立後の安定感がまったく違うことを実感しています。
この記事では、正社員からフリーランスへ独立する前に確認すべき収入・保険・案件獲得の準備チェックリストを整理し、あなたが安心して独立できるようになることを目指します。
フリーランス独立前に整理すべき前提条件
まず、フリーランスとして独立する前に整理しておくべき前提条件を確認しましょう。
ここを曖昧にしたまま独立すると、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔することになります。
なぜ独立したいのか?動機の整理
フリーランスになりたい理由は人それぞれですが、大きく分けると以下のパターンがあります。
- 収入アップ:正社員の年収に不満があり、単価を上げたい
- 働き方の自由:リモートワークや稼働日数を自分で決めたい
- スキルアップ:様々な現場で経験を積みたい
- 人間関係のリセット:今の職場環境から離れたい
どの動機も正当ですが、「人間関係のリセット」だけが動機の場合は要注意です。
フリーランスでも現場の人間関係はありますし、むしろ正社員より立場が弱くなることもあります。
独立に必要な最低条件
フリーランスとして安定して働くためには、以下の条件を満たしていることが望ましいです。
- 実務経験3年以上:案件獲得の最低ラインとして求められることが多い
- 得意分野が明確:「何でもできます」より「これが得意です」の方が案件が決まりやすい
- 生活費6ヶ月分の貯蓄:案件が途切れた時のセーフティネット
私がPjMとして関わったプロジェクトでも、経験年数が浅いフリーランスは単価交渉で不利になりがちでした。
逆に、特定の技術領域で深い経験を持つエンジニアは、正社員時代より大幅に単価が上がるケースを何度も見てきました。
フリーランスの働き方については、業務委託エンジニアとして年収を最大化する戦略:案件選定から単価交渉までも参考になります。
独立前の準備を体系的に進めるには、フリーランスの教科書のようなフリーランス向けの入門書で全体像を把握しておくと、抜け漏れを防げます。

収入・税金・社会保険の現実
フリーランスになると収入が上がるイメージがありますが、手取りベースで考えると話は変わってきます。
ここでは、正社員とフリーランスの収入構造の違いを整理します。
月単価と年収の関係
フリーランスエンジニアの月単価は、スキルや経験によって大きく異なりますが、目安として以下のようなレンジがあります。
- 経験3〜5年:月単価50〜70万円程度
- 経験5〜10年:月単価70〜90万円程度
- 経験10年以上・専門性高:月単価90〜120万円以上
月単価70万円なら年収840万円…と単純計算したくなりますが、実際にはそうはいきません。
正社員との手取り比較
フリーランスになると、以下の費用が自己負担になります。
- 国民健康保険:年収によっては年間80万円以上になることも
- 国民年金:月額約17,000円(年間約20万円)
- 住民税・所得税:確定申告で自分で計算・納付
- 経費:PC、通信費、交通費、書籍代など
正社員の場合、会社が社会保険料の半分を負担してくれますが、フリーランスは全額自己負担です。
月単価70万円でも、手取りは正社員の年収600万円と同程度になることもあります。
確定申告と節税の基礎
フリーランスになると、毎年2〜3月に確定申告が必要になります。
青色申告を選択すれば最大65万円の控除が受けられるため、開業届と青色申告承認申請書は独立前に提出しておきましょう。
また、小規模企業共済やiDeCoを活用すれば、節税しながら将来の備えもできます。
税金の仕組みについては、年収交渉で損しないエンジニアの給与アップ戦略でも触れていますが、フリーランスの場合はより複雑になります。
確定申告や節税の詳細を学ぶには、フリーランスの税金が参考になります。初年度から正しく申告することで、後から修正申告する手間を省けます。

案件獲得の現実と準備
フリーランスとして最も重要なのは、継続的に案件を獲得できるかどうかです。
ここでは、案件獲得の現実と、独立前にやっておくべき準備を整理します。
案件獲得の主なルート
フリーランスエンジニアが案件を獲得するルートは、主に以下の3つです。
- エージェント経由:最も一般的。手数料(マージン)がかかるが、営業不要で案件が見つかりやすい
- 直接契約:知人の紹介や過去の取引先から直接受注。マージンがない分、単価が高くなりやすい
- クラウドソーシング:単発案件が多く、単価は低め。実績作りには使える
独立直後はエージェント経由で案件を獲得するのが現実的です。
直接契約は、フリーランスとしての実績を積んでから狙う方が成功率が高くなります。
独立前にやっておくべきこと
案件獲得をスムーズにするために、独立前に以下の準備をしておきましょう。
- スキルシートの作成:経験した技術・プロジェクト・役割を整理
- ポートフォリオの準備:GitHubや個人サイトで成果物を公開
- エージェントへの事前登録:独立前から面談を受けておくと、退職後すぐに案件紹介を受けられる
私がPjMとして採用に関わった際も、スキルシートが整理されているエンジニアは面談がスムーズに進みました。
逆に、経験を言語化できていないと、実力があっても案件が決まりにくくなります。
案件が途切れるリスクへの備え
フリーランスの最大のリスクは、案件が途切れて収入がゼロになることです。
このリスクに備えるために、以下の対策を取っておきましょう。
- 複数のエージェントに登録:1社だけに依存しない
- 契約終了の2ヶ月前から次の案件を探す:ギリギリになると焦って条件を妥協しがち
- 生活費6ヶ月分の貯蓄:案件が途切れても慌てない余裕を持つ
案件選定の考え方については、フリーランスエンジニアが案件を選ぶ側に回るための3ステップ戦略で詳しく解説しています。
案件獲得の戦略を体系的に学ぶには、転職と副業のかけ算が参考になります。転職と独立の両方の視点から、キャリア設計を考えられます。

独立前の具体的な行動ステップ
ここまでの内容を踏まえて、独立前に実行すべき具体的な行動ステップを時系列で整理します。
独立6ヶ月前:情報収集と準備開始
- フリーランスの収入シミュレーション:月単価から手取りを計算し、現在の年収と比較
- エージェントへの登録・面談:市場価値を確認し、想定単価を把握
- スキルシートの作成:経験・技術・役割を整理
- 貯蓄の確認:生活費6ヶ月分が確保できているか
独立3ヶ月前:具体的な準備
- 退職の意思表示:就業規則に従い、上司に退職を伝える
- 開業届・青色申告承認申請書の準備:退職後すぐに提出できるよう準備
- 案件の事前確保:退職日に合わせて案件を確保しておく
- クレジットカード・住宅ローンの確認:正社員のうちに審査を通しておく
独立直後:手続きと案件開始
- 開業届・青色申告承認申請書の提出:税務署に提出(開業から1ヶ月以内)
- 国民健康保険・国民年金への切り替え:退職後14日以内に市区町村で手続き
- 事業用口座の開設:プライベートと事業の収支を分離
- 会計ソフトの導入:freeeやマネーフォワードで経理を効率化
私がPjMとして見てきた中で、独立前に案件を確保していたエンジニアは、初月から安定した収入を得られていました。
逆に、退職してから案件を探し始めた人は、1〜2ヶ月の空白期間が生じることもありました。
独立の手続きについては、技術者の市場価値を可視化する:スキル棚卸しから高単価案件獲得までの戦略的キャリア設計も参考になります。
行動を習慣化するには、ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣の考え方が役立ちます。小さなステップを積み重ねることで、独立準備を着実に進められます。

おすすめエージェント・サービス
フリーランスとして案件を獲得するには、信頼できるエージェントを複数登録しておくことが重要です。
ここでは、独立を検討しているエンジニアにおすすめのエージェント・サービスを紹介します。
福利厚生を重視するなら
正社員からの独立で最も不安なのは、福利厚生がなくなることです。
フリーランスエンジニアに安心保障と豊富な案件紹介を【Midworks】は、交通費・書籍代の補助、経理クラウドの利用料負担、スポーツクラブ・育児介護などの福利厚生を提供しており、正社員に近い安心感を得られます。
営業・事務を任せたいなら
フリーランスになると、営業や事務作業も自分でやる必要がありますが、設立から四半世紀!フリーランスエンジニアの独立をサポート【PE−BANK】は1989年設立の老舗で、営業代行・事務代行・確定申告サポートまで一体で提供しています。
開発業務に専念したいエンジニアに向いています。
案件を比較検討したいなら
複数のエージェントの案件を一括で検索したい場合は、国内最大級のフリーランスエンジニア向け案件検索サイト【フリーランスボード】が便利です。
30万件以上の案件を検索でき、高単価・フルリモート・週3日など希望条件で絞り込めます。
市場統計や単価相場データも無料で閲覧できるため、自分の市場価値を把握するのにも役立ちます。
エージェントの使い分けについては、フルリモートエンジニアへの転職戦略でも触れています。

まとめ
正社員からフリーランスへの独立は、準備次第で成功確率が大きく変わります。
この記事で解説したポイントを振り返ると、
- 動機の整理:なぜ独立したいのかを明確にする
- 収入の現実:月単価だけでなく、手取りベースで比較する
- 社会保険・税金:全額自己負担になることを理解し、節税策を準備する
- 案件獲得:エージェントに事前登録し、独立前に案件を確保する
- 貯蓄:生活費6ヶ月分を確保してから独立する
フリーランスは自由度が高い反面、すべてが自己責任になります。
だからこそ、準備をしっかりした人が安定して活躍できる世界でもあります。
まずは、エージェントに登録して市場価値を確認するところから始めてみてください。
独立するかどうかは、その後でじっくり判断しても遅くありません。







