CSS Anchor Positioningが全ブラウザ対応:ポップオーバーを任意の要素に紐付けるモダンUIの実装パターン

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2026年1月、Firefox 147のリリースによりCSS Anchor Positioningが全ブラウザ対応となりました。これにより、JavaScriptなしでポップオーバーやツールチップを任意の要素に紐付けて表示できるようになります。

「ドロップダウンメニューの位置調整でJavaScriptを書くのが面倒」「ツールチップがビューポートからはみ出る問題に悩んでいる」——そんな課題を抱えていた方には朗報です。

本記事では、CSS Anchor Positioningの基本概念から実践的なポップオーバー実装パターンまでを解説します。

目次

CSS Anchor Positioningとは何か

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CSS Anchor Positioningは、ある要素(アンカー)を基準にして別の要素を配置するためのCSS機能です。詳しくはVercel公式React Best Practicesを読み解くも参考にしてください。

従来の課題

これまで、ポップオーバーやツールチップを特定の要素に紐付けて表示するには、以下のような方法が必要でした。

  • JavaScript計算:getBoundingClientRect()で位置を取得し、動的にstyleを設定
  • CSSハック:position: relativeとabsoluteの組み合わせで親子関係に依存
  • ライブラリ利用:Popper.js、Floating UIなどの外部ライブラリに依存

これらの方法は、リサイズ対応、スクロール追従、ビューポート境界処理など、多くのエッジケースへの対応が必要でした。

Anchor Positioningの解決策

CSS Anchor Positioningでは、以下の2つのプロパティで要素間の紐付けを宣言的に記述できます。

/* アンカー要素の定義 */
.trigger-button {
  anchor-name: --my-anchor;
}

/* ポップオーバーの配置 */
.popover {
  position: fixed;
  position-anchor: --my-anchor;
  top: anchor(bottom);
  left: anchor(left);
}

これだけで、.popover.trigger-buttonの下に自動配置されます。

IT女子 アラ美
JavaScriptなしで本当にできるんですか?

ITアライグマ
はい、CSSだけで完結します。リサイズやスクロールにも自動追従するので、実装がとても楽になります。

全ブラウザ対応の状況と注意点

ポップオーバー実装方法別の記述量比較
図:ポップオーバー実装方法別のコード行数比較

2026年1月時点でのブラウザ対応状況を確認しましょう。詳しくはGitHub Copilotを極めるも参考にしてください。

対応ブラウザ一覧

  • Chrome 125+:2024年5月から対応
  • Edge 125+:Chromiumベースのため同時期に対応
  • Safari 18+:2024年9月から対応
  • Firefox 147+:2026年1月13日リリースで対応(最後発)

Firefoxの対応により、主要ブラウザすべてでAnchor Positioningが利用可能になりました。

フォールバック戦略

古いブラウザ向けには、@supportsを使ったフォールバックを用意します。

/* Anchor Positioning非対応ブラウザ向け */
.popover {
  position: absolute;
  top: 100%;
  left: 0;
}

/* Anchor Positioning対応ブラウザ向け */
@supports (anchor-name: --test) {
  .popover {
    position: fixed;
    position-anchor: --my-anchor;
    top: anchor(bottom);
    left: anchor(left);
  }
}

IT女子 アラ美
古いブラウザも考慮する必要がありますよね。

ITアライグマ
はい、@supportsでフォールバックを書いておけば、段階的に導入できます。プログレッシブエンハンスメントの考え方ですね。

基本的な実装パターン

実際のコード例を見ていきましょう。詳しくはWebGLでレトロCRT効果を再現するも参考にしてください。

ドロップダウンメニュー

ボタンをクリックするとメニューが表示されるパターンです。

<button class="menu-trigger" popovertarget="dropdown-menu">
  メニュー
</button>

<div id="dropdown-menu" popover class="dropdown">
  <ul>
    <li><a href="#">プロフィール</a></li>
    <li><a href="#">設定</a></li>
    <li><a href="#">ログアウト</a></li>
  </ul>
</div>
.menu-trigger {
  anchor-name: --menu-anchor;
}

.dropdown {
  position: fixed;
  position-anchor: --menu-anchor;
  top: anchor(bottom);
  left: anchor(left);
  margin-top: 4px;

  /* 基本スタイル */
  background: white;
  border-radius: 8px;
  box-shadow: 0 4px 12px rgba(0, 0, 0, 0.15);
  padding: 8px 0;
}

ツールチップ

ホバー時に説明を表示するパターンです。

.tooltip-trigger {
  anchor-name: --tooltip-anchor;
}

.tooltip {
  position: fixed;
  position-anchor: --tooltip-anchor;
  bottom: anchor(top);
  left: anchor(center);
  transform: translateX(-50%);

  /* 表示制御 */
  opacity: 0;
  pointer-events: none;
  transition: opacity 0.2s;
}

.tooltip-trigger:hover + .tooltip,
.tooltip-trigger:focus + .tooltip {
  opacity: 1;
}

IT女子 アラ美
Popover APIと組み合わせると便利そうですね。

ITアライグマ
その通りです。popovertarget属性と組み合わせることで、JavaScriptゼロでインタラクティブなUIが作れます。

ケーススタディ:タスク管理UIのサブメニュー実装

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実際のプロジェクトでAnchor Positioningを導入した事例を紹介します。詳しくはnanocodeで学ぶAIコーディングエージェントも参考にしてください。

状況(Before)

5人チームで開発中のタスク管理SaaSアプリ(React 18 + TypeScript)で、各タスク行の右側に「…」ボタンがあり、クリックするとサブメニュー(編集・複製・削除など)が表示されるUIを実装していました。タスク一覧は約500件を仮想スクロールで表示する構成です。

  • 技術構成:React 18 + Floating UI v1.6(位置計算用)
  • 規模:タスク一覧500件、チームメンバー5人、リリース後6ヶ月
  • 課題:Floating UIの依存関係が重く(約15KB gzip)、バンドルサイズが肥大化
  • 問題:スクロール時のちらつき(60fps維持できず)、仮想スクロールとの相性問題でメニューが残像化

行動(Action)

Anchor Positioningへの移行を決定し、以下の手順で実装しました。

  1. Popover API導入:サブメニューをpopover属性で宣言
  2. アンカー設定:各「…」ボタンに動的なanchor-nameを設定
  3. フォールバック:@supportsで旧ブラウザ向けにFloating UI維持
/* 動的アンカー名の利用 */
.task-menu-trigger {
  anchor-name: var(--task-anchor-name);
}

.task-submenu {
  position: fixed;
  position-anchor: var(--task-anchor-name);
  left: anchor(right);
  top: anchor(top);
  margin-left: 8px;
}

結果(After)

  • バンドルサイズ:15KB削減(Floating UI削除)
  • パフォーマンス:スクロール時のちらつき解消、常時60fps維持
  • 保守性:CSS宣言のみで位置制御が完結し、関連コード約120行削減
  • 開発時間:類似UIの実装時間が約40%短縮(2日→1.2日)

IT女子 アラ美
ライブラリなしでここまでできるのは衝撃ですね。

ITアライグマ
CSS標準機能として実装されたので、長期的なメンテナンスも安心です。ぜひ試してみてください。

導入判断と今後の展望

CSS Anchor Positioningを導入すべきかの判断基準をまとめます。詳しくはTrail of Bits skillsでセキュリティ監査自動化も参考にしてください。

導入すべきケース

  • 新規プロジェクトでモダンブラウザのみをサポート
  • ポップオーバー・ツールチップが多用されるUI
  • バンドルサイズ削減が優先課題

慎重に検討すべきケース

  • IE11やSafari 17以前のサポートが必要
  • 既存ライブラリで安定動作している
  • 複雑な衝突回避ロジックが必要

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まとめ

CSS Anchor Positioningの全ブラウザ対応と実装パターンについて解説しました。

  • 全ブラウザ対応:Firefox 147(2026年1月)で主要ブラウザすべてがサポート
  • 宣言的配置:anchor-nameとposition-anchorで要素間の紐付けをCSSで記述
  • Popover APIとの連携:popovertarget属性との組み合わせでJavaScript不要
  • フォールバック:@supportsで段階的導入が可能
  • 実践効果:外部ライブラリ削除によるバンドルサイズ削減とコード簡素化

ポップオーバーやツールチップの実装で苦労していた方は、ぜひAnchor Positioningを試してみてください。CSSだけで完結する宣言的なアプローチは、保守性と可読性の向上にも大きく貢献します。

IT女子 アラ美
これからはAnchor Positioningを積極的に使っていきたいです!

ITアライグマ
全ブラウザ対応した今がまさに導入のタイミングです。まずは新規プロジェクトから試してみましょう。

厳しめIT女子 アラ美による解説ショート動画はこちら

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この記事を書いた人

ITアライグマのアバター ITアライグマ ITエンジニア / PM

都内で働くPM兼Webエンジニア(既婚・子持ち)です。
AIで作業時間を削って実務をラクにしつつ、市場価値を高めて「高年収・自由な働き方」を手に入れるキャリア戦略を発信しています。

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