tRPC・oRPC・Hono RPC・Elysia Eden完全比較ガイド:TypeScriptバックエンド通信の最適解を見つける実践的選定フレームワーク

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IT女子 アラ美
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TypeScriptでフルスタック開発をしていると、「フロントエンドとバックエンドの通信をどう設計するか」は避けて通れない問題です。REST APIを手書きしていた時代から、今やtRPC・oRPC・Hono RPC・Elysia Edenといった型安全なRPCフレームワークが台頭し、選択肢が一気に広がりました。

しかし選択肢が増えた分、「結局どれを選べばいいのか」と迷うエンジニアも多いのが現状です。PjMとして複数のプロジェクトで技術選定に関わる中で、RPC選定の判断基準が曖昧なまま進めて手戻りが発生したケースを何度も見てきました。

この記事では、4つの主要TypeScript RPCフレームワークを実務の選定基準に沿って徹底比較し、プロジェクトの特性に応じた最適解を導き出すフレームワークを提供します。

目次

TypeScript RPC選定が難しい理由と背景

IT女子 アラ美
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TypeScript RPCフレームワークの選定が難しい最大の理由は、各ツールが異なる設計思想で作られている点にあります。tRPCはNext.jsエコシステムとの親和性を重視し、oRPCは標準準拠とフレームワーク非依存を掲げ、Hono RPCは軽量ランタイム対応を強みとし、Elysia EdenはBunネイティブの高速性を売りにしています。

つまり「どれが一番優れているか」ではなく、「自分のプロジェクトにどれが合うか」が正しい問いです。以前FunStackでReact Server Componentsを活用する方法を解説した際にも触れましたが、フロントエンドの技術選定はバックエンドとの通信設計と切り離せません。

各フレームワークの基本的な特徴を整理します。

  • tRPC:GitHub Stars 35,800超。Next.js/React Queryとの統合が強力で、エコシステムが最も成熟している
  • oRPC:2025年に登場した新興勢力。OpenAPI自動生成とフレームワーク非依存が特徴
  • Hono RPC:Honoフレームワークの組み込みRPC機能。Cloudflare Workers等のエッジランタイムに最適化
  • Elysia Eden:Bun専用フレームワークElysiaのRPCクライアント。Bunランタイムでの圧倒的な速度が魅力

IT女子 アラ美
tRPCが一番有名ですが、それだけ選んでおけば間違いないのでしょうか?

ITアライグマ
プロジェクトの規模やランタイム環境によります。tRPCはNext.js前提なら最適ですが、エッジ環境やBunを使う場合は他の選択肢が有利です。

ケーススタディ1:tRPC一択で進めたプロジェクトの落とし穴

IT女子 アラ美
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状況(Before)

当時、あるBtoB SaaSプロジェクトでチームはNext.js + tRPCのモノリス構成で開発を進めていました。メンバー5名、フロントエンドとバックエンドを1つのリポジトリで管理する体制です。初期開発は順調でしたが、サービス拡大に伴い外部パートナーとのAPI連携やエッジデプロイという課題が追加されました。

発生した問題

  • 外部API連携の壁:tRPCはサーバー・クライアント間の型共有に特化しており、外部パートナー向けのOpenAPIスキーマを別途手書きする必要が生じた
  • マイクロサービス化の困難:モノリスからマイクロサービスへ移行する際、tRPCのサーバー依存が足かせになった
  • エッジデプロイの断念:Cloudflare Workersへの部分移行を検討したが、tRPCのNode.js依存が障壁となり断念

根本原因

問題の根本は、「現在の要件」だけで技術選定を行い、将来の拡張性を考慮しなかったことです。tRPC自体は優れたツールですが、OpenAPI出力やマルチランタイム対応が必要になるプロジェクトには不向きでした。MCPサーバーの自作ガイドでも解説した通り、外部ツールとの連携を前提とする設計では標準プロトコルへの準拠が重要な判断基準になります。

IT女子 アラ美
tRPCでOpenAPIを出力する方法はないのでしょうか?

ITアライグマ
trpc-openapi というプラグインがありますが、メンテナンスが不安定です。OpenAPIが必須ならoRPCの方が設計として筋が良いです。

ケーススタディ2:要件に応じたRPC選定で開発速度が向上

状況(Before)

あるメディア系スタートアップで、グローバル展開を見据えたコンテンツ配信APIを新規構築するプロジェクトが立ち上がりました。チーム3名、Cloudflare Workers上でエッジ配信する要件があり、以前はExpress + REST構成でレイテンシに約120msかかっていました。

判断軸の設計

技術選定フェーズで以下の3つの判断軸を設けてRPCフレームワークを評価しました。

  1. ランタイム要件:Node.js専用か、エッジ/Bun対応が必要か
  2. API公開要件:内部通信のみか、外部向けOpenAPIが必要か
  3. エコシステム成熟度:ミドルウェア、認証、キャッシュ等のプラグインが揃っているか

選定結果と効果

このプロジェクトではCloudflare Workers上で動作するAPIが必要だったため、Hono RPCを採用しました。結果として以下の成果が得られました。

  • API開発速度が従来のREST手書きと比較して40%向上
  • 型安全な通信により、フロントエンド・バックエンド間の型不整合バグがゼロ
  • Cloudflare Workersへのデプロイが標準ワークフローに組み込まれ、レイテンシが平均120ms→35msに改善

TypeScript RPCフレームワーク GitHub Stars比較(2026年2月時点)

上のグラフの通り、tRPCのコミュニティ規模は圧倒的ですが、Honoも急速に成長しています。SES環境からの脱出を目指すエンジニアにとっても、こうしたモダンな技術スタックの実務経験は転職市場での大きな武器になります。

IT女子 アラ美
Hono RPCはCloudflare Workers以外でも使えるのでしょうか?

ITアライグマ
はい、Deno・Bun・Node.js・AWS Lambdaなど幅広いランタイムで動作します。マルチランタイム対応が最大の強みです。

プロジェクト別RPC選定フレームワーク

ここまでの事例を踏まえ、プロジェクトの特性に応じた実践的な選定フレームワークを提示します。

選定フローチャート

以下の質問に順番に答えることで、最適なRPCフレームワークを絞り込めます。

  1. Next.jsモノリスか? → YESならtRPCが最有力。React Queryとの統合、ミドルウェアエコシステムが最も充実しています
  2. 外部向けOpenAPIが必要か? → YESならoRPCを検討。OpenAPI 3.1スキーマの自動生成が標準機能として組み込まれています
  3. エッジランタイム(Cloudflare Workers等)で動かすか? → YESならHono RPC。Web Standard APIベースで、エッジ環境との親和性が最も高いです
  4. Bunランタイムに全振りするか? → YESならElysia Eden。Bunのネイティブ機能を最大限活用した高速な通信が可能です

各フレームワークの実装例

それぞれの基本的なサーバー定義を比較します。

// tRPC: Next.js統合型
const appRouter = router({
  getUser: publicProcedure
    .input(z.object({ id: z.string() }))
    .query(({ input }) => {
      return db.user.findUnique({ where: { id: input.id } });
    }),
});

// oRPC: OpenAPI自動生成対応
const getUser = os
  .input(z.object({ id: z.string() }))
  .handler(async ({ input }) => {
    return db.user.findUnique({ where: { id: input.id } });
  });

// Hono RPC: エッジ対応
const app = new Hono()
  .get('/user/:id', zValidator('param', z.object({ id: z.string() })), (c) => {
    return c.json(db.user.findUnique({ where: { id: c.req.param('id') } }));
  });

// Elysia Eden: Bun最適化
const app = new Elysia()
  .get('/user/:id', ({ params: { id } }) => {
    return db.user.findUnique({ where: { id } });
  }, { params: t.Object({ id: t.String() }) });

新しい技術を継続的にキャッチアップし実務に適用する力は、40代エンジニアのキャリア生存戦略でも触れた通り長期的な市場価値の維持に直結します。

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IT女子 アラ美
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まとめ

TypeScript RPCフレームワークの選定は、「どれが最強か」ではなく「自分のプロジェクトに何が合うか」で決まります。

  • Next.jsモノリスならtRPC:エコシステムの成熟度とReact Queryとの統合が圧倒的
  • OpenAPI必須ならoRPC:標準準拠とフレームワーク非依存の設計思想が強み
  • エッジランタイムならHono RPC:マルチランタイム対応と軽量さが魅力
  • Bun全振りならElysia Eden:Bunネイティブの圧倒的パフォーマンス

まずは小さなプロジェクトやプロトタイプで1つ試してみて、チームの開発体験がどう変わるかを体感してみてください。型安全なRPC通信を一度体験すると、REST APIの手書きには戻れなくなるはずです。

IT女子 アラ美
まずはどのフレームワークから試すのがおすすめですか?

ITアライグマ
既存プロジェクトがNext.jsならtRPC、新規プロジェクトで迷うならHono RPCがおすすめです。どちらも学習コストが低く、すぐに型安全な通信を体験できます。

厳しめIT女子 アラ美による解説ショート動画はこちら

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この記事を書いた人

ITアライグマのアバター ITアライグマ ITエンジニア / PM

都内で働くPM兼Webエンジニア(既婚・子持ち)です。
AIで作業時間を削って実務をラクにしつつ、市場価値を高めて「高年収・自由な働き方」を手に入れるキャリア戦略を発信しています。

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