IT女子 アラ美お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「技術力には自信があるけど、このまま現場でコードを書き続けるだけでいいのだろうか」——10年以上のキャリアを積んだエンジニアなら、一度はこの問いに向き合ったことがあるのではないでしょうか。
技術顧問や社外CTOという働き方は、現場で培った技術力と経験を複数の企業に同時に提供することで、収入の天井を突破しながら技術的な影響力を最大化できるキャリアパスです。
週1〜2日の稼働で月額30〜80万円という報酬水準は、フルタイム正社員では到達しにくい時間単価を実現します。
しかし、「技術力があれば技術顧問になれる」というのは大きな誤解です。
本記事では、技術顧問・社外CTOとして活躍するために必要なスキルセット、案件の獲得方法、そして実際の契約形態と報酬相場まで、実践的な戦略を解説します。
技術顧問・社外CTOの前提を整理する



技術顧問や社外CTOという肩書きに対して、多くのエンジニアが「技術的に優れた人が上から助言する仕事」というイメージを持っています。
しかし実態は大きく異なります。ここでは、まず前提となる認識を整理します。
技術顧問と社外CTOの違い
- 技術顧問:特定の技術領域(インフラ、セキュリティ、アーキテクチャ等)について助言・レビューを行う。意思決定権は持たず、あくまで「相談役」としての立場
- 社外CTO(Fractional CTO):経営陣の一員として技術戦略の策定・実行に責任を持つ。採用方針、技術選定、開発プロセスの設計まで踏み込む
どちらも「外部の専門家」という点は共通していますが、責任範囲と関与の深さが決定的に異なります。
なぜ今、技術顧問の需要が高まっているのか
スタートアップや中小企業がDXを推進する中で、「フルタイムのCTOを雇う予算はないが、技術的な意思決定を支援してほしい」というニーズが急増しています。フリーランスエンジニアの生存戦略でも触れた通り、高単価案件の獲得には「替えの利かない専門性」が鍵ですが、技術顧問はまさにその最上位に位置する働き方です。
「技術力だけ」では務まらない理由
技術顧問に求められるのは、コードを書く能力ではなく「技術的な意思決定を言語化し、非エンジニアに伝える能力」です。
経営者やビジネスサイドのメンバーに対して、技術的なリスクやトレードオフを分かりやすく説明し、合意形成を導く力が不可欠です。



技術顧問に必要なスキルセットの全体像
技術顧問として活躍するためには、技術力だけでなく複数のスキルを組み合わせる必要があります。
ここでは、必要なスキルセットを4つの領域に分けて整理します。


上図の通り、契約形態によって報酬は大きく異なります。社外CTOは月額80万円に達する一方、月2回のMTG型では15万円程度です。
どの形態を目指すかによって、求められるスキルの深さも変わってきます。
領域1:技術的専門性(Deep Expertise)
最低1つ、できれば2つ以上の技術領域で「この人に聞けば間違いない」と言われるレベルの専門性が必要です。
具体的には、クラウドアーキテクチャ、セキュリティ、データ基盤、AI/ML、DevOps、フロントエンド設計などが代表的な領域です。
領域2:コミュニケーション・言語化能力
技術的な判断を非エンジニアに伝える力は、技術力と同等かそれ以上に重要です。
「なぜこのアーキテクチャを選ぶのか」「このリスクを放置するとビジネスにどう影響するのか」を、経営者が理解できる言葉で説明できなければ、顧問としての価値は半減します。
領域3:組織・プロセス設計の知見
技術顧問の仕事は、コードレビューだけではありません。
開発チームの体制設計、採用基準の策定、技術的負債の優先順位付けなど、組織としての技術力を底上げするための知見が求められます。EMキャリアの始め方で解説したピープルマネジメントのスキルは、技術顧問にとっても大きな武器になります。
領域4:ビジネス理解と経営視点
社外CTOを目指すなら、技術戦略をビジネス戦略と紐づけて語れる能力が必須です。
「この技術投資は半年後にどのようなROIを生むのか」「競合と比較して技術的な優位性はどこにあるのか」といった問いに答えられる経営視点が求められます。



ケーススタディ:SIer出身エンジニアの技術顧問転身



状況(Before)
- Eさん(38歳・SIer勤務14年目)。大規模基幹システムのインフラ設計・運用を担当し、AWS/Azure両方の設計経験を持つ
- 年収は780万円で頭打ち。管理職への昇進を打診されたが、技術から離れることに抵抗があった
- 「自分の技術力を活かせる場がもっとあるはずだ」という漠然とした不満を抱えていたが、具体的なアクションが取れずにいた
行動(Action)
- まず、自分の専門領域を「クラウドインフラ設計×セキュリティ」に絞り込み、Qiitaと個人ブログで月2本のペースで技術記事を発信し始めた
- 並行して、フリーランスエージェント経由で「技術顧問」「アーキテクチャレビュー」を含む案件を探し、週1日稼働の顧問案件を1件獲得した
- 最初の3ヶ月は正社員と兼業(副業許可取得済み)で顧問業務を行い、クライアントとの信頼関係を構築した
- 半年後、顧問案件が3社に増えた時点で正社員を退職し、技術顧問専業に移行した
結果(After)
- 月額報酬は3社合計で月135万円(週1日×30万円が2社、週2日×37.5万円が1社)。年収換算で1,620万円となり、正社員時代の2倍以上を達成した
- 稼働日数は週4日で、残り1日は技術記事の執筆や勉強会登壇に充てることで、新規案件の問い合わせが継続的に入る好循環が生まれた
- 「技術から離れたくない」という当初の課題は完全に解消され、むしろ複数社の異なる技術課題に触れることで技術力の幅が広がった
Eさんのケースで注目すべきは、いきなり独立せず、副業として小さく始めた点です。Staff+キャリア戦略でも解説した通り、管理職以外のキャリアパスを模索する際は、リスクを最小化しながら段階的に移行するアプローチが有効です。



技術顧問として案件を獲得するステップ
技術顧問の案件は、一般的な転職サイトには掲載されにくい特性があります。
ここでは、実際に案件を獲得するための具体的なステップを整理します。
ステップ1:専門領域を明確に定義する
「何でもできます」は技術顧問にとって最悪のポジショニングです。
「クラウドネイティブアーキテクチャの設計レビュー」「セキュリティ監査と脆弱性対策の戦略策定」のように、具体的な課題と解決手段をセットで言語化できる状態を目指してください。
ステップ2:発信と実績の可視化
技術顧問の案件は、紹介やスカウトで決まることが大半です。
そのためには、自分の専門性を外部から認知してもらう必要があります。
- 技術ブログやQiitaでの定期的な発信(月2本以上)
- 勉強会やカンファレンスでの登壇
- OSSへのコントリビューションや技術書の執筆
- LinkedInやXでの専門的な発信
ステップ3:エージェントとプラットフォームの活用
技術顧問案件を扱うエージェントやプラットフォームに登録し、案件の流れを作ります。40代エンジニアのキャリア生存戦略でも触れた通り、年齢を重ねるほど「個人の信用」が案件獲得の決め手になります。エージェントとの関係構築は早めに始めておくべきです。
ステップ4:最初の1社を獲得し、実績を積む
最初の案件は報酬よりも実績を優先してください。
週1日・月額15〜20万円程度の小さな案件でも、「技術顧問としての実績」があるかないかで、次の案件獲得の難易度は大きく変わります。
本記事で解説したようなAI技術を、基礎から体系的に身につけたい方は、以下のスクールも検討してみてください。
| 比較項目 | Winスクール | Aidemy Premium |
|---|---|---|
| 目的・ゴール | 資格取得・スキルアップ初心者〜社会人向け | エンジニア転身・E資格Python/AI開発 |
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まとめ
技術顧問・社外CTOは、10年以上の技術経験を持つエンジニアにとって、収入と技術的影響力を同時に最大化できるキャリアパスです。
この記事のポイントを振り返ります。
- 技術顧問と社外CTOは責任範囲が異なる:助言型の顧問から始め、経営参画型のCTOへステップアップするのが現実的
- 技術力だけでは務まらない:言語化能力、組織設計の知見、ビジネス視点の3つを技術力に掛け合わせる
- 副業から小さく始める:いきなり独立せず、週1日の顧問案件で実績を積みながら段階的に移行する
- 発信が案件獲得の生命線:技術ブログ、登壇、OSS活動で専門性を可視化し、紹介やスカウトの流れを作る
- 報酬は契約形態で大きく変わる:社外CTOなら月額80万円、週1日常駐でも月額30万円が相場
「技術力はあるのに、それを活かしきれていない」と感じているなら、技術顧問という選択肢を真剣に検討してみてください。
まずは自分の専門領域を言語化し、月1本でも技術記事を書くことから始めてみましょう。














