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先日、あるWeb系企業に転職してきた元オンプレミスエンジニアのAさん(仮名・34歳)との会話が印象的でした。「Linuxは10年やってきたのに、Kubernetesの現場では全然通用しなくて正直焦りました」――そう語る彼の目には、戸惑いと同時に新しい環境への適応を乗り越えた自信が宿っていました。
オンプレミス環境で培った経験は、決して無駄ではありません。しかし、クラウドネイティブな環境に移行するとき、「今まで当たり前だった前提が通用しない」という壁にぶつかるエンジニアは少なくありません。
本記事では、オンプレミス経験者がクラウドネイティブ転職で成功するために「どこに技術ギャップがあるのか」「どう埋めればいいのか」を、具体的な体験談と実践的なアクションステップで解説していきます。
オンプレとクラウドネイティブの「前提の違い」を理解する
クラウドネイティブ環境への転職で最初にぶつかる壁は、技術そのものよりも「考え方の違い」にあります。
オンプレミス環境では、サーバーは「長期間稼働し続けるもの」が前提です。障害が発生したらSSHでログインして原因を調査し、設定を修正して復旧させる――これが当たり前の運用でした。
しかし、Kubernetesを中心としたクラウドネイティブ環境では、「コンテナは使い捨て」が基本です。障害が起きたらログインして直すのではなく、異常なPodを破棄して新しいPodを自動で立ち上げる。この「Immutable Infrastructure(不変インフラ)」の考え方に馴染むまで、多くのオンプレ出身エンジニアが戸惑います。
また、ネットワーク設計の発想も大きく異なります。オンプレでは物理的なネットワーク構成を意識しますが、KubernetesではServiceやIngress、NetworkPolicyといった抽象化されたリソースでネットワークを制御します。「IPアドレスを固定する」という発想自体が、クラウドネイティブでは推奨されません。
この「前提の違い」を理解することが、転職成功への第一歩です。転職先の環境で求められるマインドセットを事前に把握しておくことが重要です。「SESエンジニアが自社開発企業に転職するための実践ロードマップ」でも具体的なステップを解説しています。
IT女子 アラ美クラウドネイティブ転職で押さえるべき技術スタック
では、具体的にどのような技術を身につければよいのでしょうか。転職市場で評価されるクラウドネイティブエンジニアのスキルセットを整理します。


コンテナ技術(Docker・Kubernetes)
まず必須なのが、Dockerによるコンテナ化とKubernetesによるオーケストレーションの基礎です。
- Dockerfileの書き方とベストプラクティス
- マルチステージビルドによるイメージ最適化
- KubernetesのPod・Deployment・Service・ConfigMap・Secretの理解
- Helm Chartを使ったアプリケーションのパッケージング
オンプレ出身者がつまずきやすいのは、「すべてがYAMLで宣言的に定義される」という点です。手順書ベースのオペレーションから、マニフェストベースのインフラ管理への切り替えが求められます。
CI/CDパイプライン
クラウドネイティブな開発現場では、GitHub Actions・GitLab CI・ArgoCDなどを使った継続的デリバリーが標準です。
- Gitブランチ戦略(GitFlow、GitHub Flow)の理解
- 自動テスト・自動ビルド・自動デプロイの設計
- Infrastructure as Code(Terraform・Pulumi)によるインフラ管理
オンプレ環境では「本番リリースは月1回、深夜作業で慎重に」というケースも多かったはずです。クラウドネイティブでは1日に複数回デプロイすることも珍しくないため、その前提でパイプラインを設計する発想が必要になります。「会社に依存しないポータブルスキル設計」でも解説しているように、これらのスキルは転職市場でも高く評価されます。
オブザーバビリティ(監視・ログ・トレース)
分散システムでは、従来の監視手法だけでは問題の特定が困難です。
- Prometheus / Grafanaによるメトリクス監視
- Fluentd / Lokiによるログ収集・分析
- Jaeger / OpenTelemetryによる分散トレーシング
「何が起きているかを可視化する」技術がオブザーバビリティです。オンプレでのトラブルシューティング経験は活きますが、扱うツールと設計思想は異なります。これらのスキルを転職前にある程度キャッチアップしておくことで、書類選考や面接での評価が大きく変わります。



ケーススタディ:オンプレ10年からクラウド転職を成功させたAさんの事例
ここで、冒頭でご紹介したAさんの転職事例を詳しく見ていきましょう。
状況(Before)
Aさんがクラウドネイティブ転職を決意した背景には、以下のような状況がありました。当時、Aさんは大手システムインテグレーターに10年間勤務し、主にオンプレミス環境でのLinuxサーバー構築・運用保守を担当。自分のスキルが陳腐化していくという課題を抱えていました。
- 年齢:34歳、SIer勤務歴10年
- 担当業務:オンプレミス環境でのLinuxサーバー構築・運用保守(以前はほぼ手作業で深夜メンテ対応)
- 課題:クラウド案件への転換が進む中、自分のスキルの陳腐化に危機感を抱いていた
- 年収:520万円
行動(Action)
- 転職活動開始の半年前から、業務外でKubernetes(Minikube)とDockerの学習を開始
- Azure AKS、AWS EKSでの個人検証環境を構築し、実際にアプリをデプロイする経験を積んだ
- CKA(Certified Kubernetes Administrator)資格を取得し、客観的なスキル証明を用意
- 転職エージェント経由で「SIer/オンプレからの転職実績がある企業」を中心に応募
- 面接では「オンプレでの運用経験をどうクラウドに活かせるか」を具体的に言語化して伝えた
結果(After)
- Web系自社開発企業のSREポジションで内定獲得
- 年収:620万円(+100万円)
- 入社後3ヶ月で本番Kubernetesクラスタの運用を担当できるレベルに成長
Aさんは「オンプレでのトラブルシューティング経験が、クラウドでもそのまま活きた」と振り返ります。「根本原因を追求する姿勢や、ログを読み解く力は環境が変わっても通用する」という気づきが、転職後の自信につながったそうです。
「エンジニアがスキルシートで損しないための書き方と見せ方の実践ガイド」で解説しているように、学習過程をアウトプットすることで、面接時のアピール材料にもなります。



転職活動の進め方と面接対策
技術スキルを身につけたら、次は転職活動の戦略です。オンプレからクラウドネイティブへの転職を成功させるためのポイントを整理します。
ポートフォリオの準備
- GitHubにKubernetesマニフェストやTerraformコードを公開する
- 個人で構築したCI/CDパイプラインの構成図を用意する
- 学習過程を技術ブログやZennで発信し、ドキュメント力をアピールする
面接での伝え方
オンプレ経験者が面接で評価されるポイントは「現場を知っている」という強みです。
- 「オンプレでのこの課題を、クラウドならこう解決できる」という比較視点を持つ
- 運用における「泥臭い経験」(障害対応、深夜メンテなど)をポジティブに語る
- 「なぜクラウドに移りたいのか」のキャリアビジョンを明確に伝える
「転職面接で技術力をアピールする自己PRと質疑応答の準備ガイド」でも触れている通り、ハイクラス求人では「自分が何をできて、何を学ぶ意欲があるか」を具体的に語れるエンジニアが評価されます。
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まとめ
オンプレミス経験者がクラウドネイティブ転職で成功するためのポイントを整理すると、以下の3点に集約されます。
- 前提の違いを理解する:「コンテナは使い捨て」「すべてを宣言的に管理する」といったクラウドネイティブの発想を身につける
- 必須技術を押さえる:Docker/Kubernetes、CI/CD、オブザーバビリティの基礎を学習し、できれば資格取得で客観的なスキル証明を用意する
- オンプレ経験を強みに変える:トラブルシューティング力や運用視点は、クラウドでも確実に評価される
オンプレミスで培った10年のスキルは、決して無駄にはなりません。むしろ、その経験を「クラウドネイティブの文脈で再解釈できるエンジニア」は希少価値が高いです。
まずは手を動かして学び、転職エージェントに相談してみることをおすすめします。技術のキャッチアップと転職活動を並行して進めることで、半年後には新しいキャリアのスタートを切れるはずです。














