
HTML手打ち、レスポンシブ対応に苦戦
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
近年、ウェブサイトの作成や更新はノーコードツールやCMS(コンテンツ管理システム)を活用することが一般的になりました。しかし、それでもHTMLを手打ちでコーディングする機会はゼロではありません。特に細かいカスタマイズやパフォーマンス向上を求められる場面では、HTMLとCSSを直接記述する必要が出てきます。
しかし、HTMLを手打ちする際に最も苦戦するのがレスポンシブ対応です。画面サイズが異なるデバイスに適応するデザインを構築するのは、思った以上に難しく、意図したレイアウトが崩れてしまうことも多々あります。
本記事では、HTMLを手打ちする際にレスポンシブ対応で苦戦するポイントと、その解決策を詳しく解説します。
レスポンシブ対応が難しい理由
異なるデバイスでの表示のズレ
PC・タブレット・スマホと、画面サイズが異なるデバイスでレイアウトがずれるのは、レスポンシブ対応で最も悩まされるポイントです。
- スマホで見たら文字が大きすぎたり小さすぎたりする
- 画像が画面に収まらず、はみ出してしまう
- フレックスボックスやグリッドを使ったつもりなのに、思い通りに配置されない
このズレの原因は、CSSの設定ミスや、各デバイスのビューポート設定が適切でないことにあります。
メディアクエリの調整が面倒
レスポンシブデザインにはメディアクエリを使用しますが、適切なブレイクポイントを見つけるのが難しく、何度も試行錯誤することになるのが現実です。
@media (max-width: 768px) {
body {
background-color: lightgray;
}
}
このように設定しても、想定外のサイズでレイアウトが崩れることがよくあります。特に、タブレットとスマホの境界あたりの調整は細かい調整が必要で、一筋縄ではいきません。
フレックスボックスやグリッドの挙動が想定と異なる
レスポンシブ対応ではFlexboxやCSS Gridが便利ですが、期待した動作にならないことが多いのも難点です。
例えば、以下のようにFlexboxでレイアウトを組んだつもりでも、意図しない位置に要素が配置されることがあります。
.container {
display: flex;
justify-content: space-between;
}
これは、親要素の幅や子要素のサイズ設定に問題があることが原因ですが、デバッグに時間がかかるため、解決までに苦戦することが多いです。
レスポンシブ対応のコツと解決策
ビューポートを正しく設定する
HTMLの<head>
内に以下の記述を忘れずに追加しましょう。これがないと、スマホで適切にスケーリングされず、レイアウトが崩れる原因になります。
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1">
この一行を入れるだけで、デバイスごとのスケーリングが適切に行われるようになります。
フレックスボックスとグリッドの基礎を理解する
レスポンシブ対応を楽にするために、FlexboxとCSS Gridの使い方を正しく理解することが大切です。
フレックスボックスを使う場合
.container {
display: flex;
flex-wrap: wrap;
justify-content: space-between;
}
.item {
width: 48%;
}
こうすることで、2列のレイアウトを作りつつ、画面が狭くなったときに自動で折り返してくれます。
CSS Gridを使う場合
.container {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(auto-fit, minmax(200px, 1fr));
}
この設定をすれば、画面サイズに応じてカラム数が自動で調整されるため、手動でブレイクポイントを設定する手間が減ります。
メディアクエリは最小限にする
メディアクエリを使いすぎると、管理が煩雑になります。可能な限り、フレックスボックスやCSS Gridを活用して、自動調整できる設計にするのがポイントです。
ブレイクポイントを設定する場合は、以下のようなシンプルな設計を目指しましょう。
@media (max-width: 1024px) { ... } /* タブレット */
@media (max-width: 768px) { ... } /* スマホ(縦) */
細かい調整はせず、大まかなデバイス幅ごとに対応することで、保守しやすくなります。
余白とフォントサイズを相対値で指定する
ピクセル固定で指定すると、画面サイズが変わったときにバランスが崩れます。em
やrem
、vw
などの相対単位を使うことで、より柔軟に対応できます。
body {
font-size: 1.2rem;
padding: 2vw;
}
これにより、デバイスごとに適切なフォントサイズと余白が自動調整されます。
まとめ
HTMLを手打ちでレスポンシブ対応を行うのは難しいですが、基本を押さえておけば、よりスムーズに実装できるようになります。
- ビューポートを正しく設定し、スマホ対応を確実にする
- FlexboxやCSS Gridを活用し、レイアウトを自動調整する
- メディアクエリは最小限に抑え、管理をシンプルにする
- フォントサイズや余白は相対値で設定し、柔軟なデザインにする
HTMLの手打ちは大変ですが、基本を押さえて適切な方法を選べば、レスポンシブ対応もスムーズに進められます。ぜひ実践してみてください。