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Helmは6年ぶりとなるメジャーアップデート「Helm 4」をリリースしました。Kubernetesのパッケージマネージャーとして圧倒的なシェアを持つHelmですが、v3からv4への移行には破壊的変更も含まれています。本記事では、Helm 4の主要な新機能を整理し、既存のHelm 3環境からスムーズに移行するための実践的な手順を解説します。
Helm 4の全体像と背景:6年ぶりの大型アップデート



Helm 4は、2020年のHelm 3リリース以来となる大型アップデートです。Kubernetesエコシステムの成熟に伴い、パッケージ管理に求められる要件も大きく変化しました。
- OCI(Open Container Initiative)レジストリのネイティブサポート:従来のChartMuseumベースのリポジトリに代わり、コンテナレジストリでChartを管理できるようになりました
- JSON Schemaバリデーションの強化:values.yamlの型チェックがより厳密になり、デプロイ前にミスを検出できます
- 依存関係管理の改善:サブチャートの依存解決がより直感的になり、バージョン競合の問題が大幅に減少しました
- テンプレートエンジンの刷新:Go templateの拡張により、より複雑なロジックをChart内で表現できるようになりました
こうした変化は他のエコシステムでも同様で、Pythonのパッケージマネージャー移行ガイドでも解説した通り、世代交代は早めに着手するほどリスクを抑えられます。



前提条件と環境整理
本記事で解説する内容は、以下の環境を前提としています。
- Kubernetes:v1.28以上(Helm 4の最低要件)
- Helm 3:v3.14以上(移行元バージョン)
- Helm 4:v4.0.0(2026年1月リリース)
- kubectl:v1.28以上
- OS:macOS / Linux(WSL2含む)
Helm 4のインストールは、公式のインストールスクリプトまたはパッケージマネージャー経由で行います。アーキテクトに必要なドメイン知識の記事でも触れた通り、インフラツールのバージョンアップは影響範囲が広いため、まずはステージング環境での検証を強く推奨します。
# Helm 4のインストール(公式スクリプト)
curl https://raw.githubusercontent.com/helm/helm/main/scripts/get-helm-4 | bash
# バージョン確認
helm version
# version.BuildInfo{Version:"v4.0.0", ...}
# Helm 3との共存(エイリアス設定)
alias helm3=/usr/local/bin/helm3
alias helm4=/usr/local/bin/helm



ステップ1:Helm 4への基本的な移行手順
Helm 3からHelm 4への移行は、大きく3つのフェーズに分かれます。
フェーズ1:既存Chartの互換性チェック
まず、現在使用しているChartがHelm 4と互換性があるかを確認します。Helm 4には公式の互換性チェックコマンドが用意されています。
# Chart互換性チェック
helm lint ./my-chart --strict
# Helm 4で非推奨になった機能の検出
helm template ./my-chart 2>&1 | grep -i "deprecated"
# Chart.yamlのAPIバージョン確認
cat my-chart/Chart.yaml | grep apiVersion
# apiVersion: v2 → v3 への更新が必要
フェーズ2:Chart.yamlの更新
Helm 4では、Chart.yamlのapiVersionをv3に更新する必要があります。
# Before (Helm 3)
apiVersion: v2
name: my-application
version: 1.0.0
appVersion: "2.0.0"
# After (Helm 4)
apiVersion: v3
name: my-application
version: 1.0.0
appVersion: "2.0.0"
registry: oci://ghcr.io/my-org # OCI対応の新フィールド
フェーズ3:リリースの移行
既存のHelm 3リリースをHelm 4形式に変換します。
# リリース一覧の確認
helm3 list -A
# リリースの移行(公式移行ツール)
helm migrate release my-app --namespace production
# 移行結果の確認
helm list -A


上記のグラフが示す通り、Helmは72.3%のシェアでKubernetesパッケージマネージャーのデファクトスタンダードです。ブラウザネイティブAPIの移行ガイドでも解説した通り、エコシステムの標準ツールへの追従はチーム全体の生産性に直結します。



ステップ2:Helm 4の発展的な活用パターン
基本的な移行が完了したら、Helm 4の新機能を活用してワークフローを改善しましょう。
OCIレジストリによるChart管理
Helm 4では、ChartをDockerイメージと同じOCIレジストリで管理できます。これにより、ChartMuseumの運用が不要になります。
# ChartをOCIレジストリにプッシュ
helm push my-chart-1.0.0.tgz oci://ghcr.io/my-org/charts
# OCIレジストリからChartをインストール
helm install my-app oci://ghcr.io/my-org/charts/my-chart --version 1.0.0
# Chart署名の検証(Sigstore連携)
helm verify oci://ghcr.io/my-org/charts/my-chart --version 1.0.0
values.yamlのJSON Schemaバリデーション
Helm 4では、values.schema.jsonによる型チェックが強化されました。
{
"$schema": "https://json-schema.org/draft/2020-12/schema",
"type": "object",
"required": ["replicaCount", "image"],
"properties": {
"replicaCount": {
"type": "integer",
"minimum": 1,
"maximum": 10
},
"image": {
"type": "object",
"required": ["repository", "tag"],
"properties": {
"repository": { "type": "string" },
"tag": { "type": "string", "pattern": "^v[0-9]+\\.[0-9]+\\.[0-9]+$" }
}
}
}
}
CI/CDパイプラインにhelm lint --strictを組み込むことで、デプロイ前にvaluesの不整合を検出できます。Claude Codeの実践ガイドで紹介したAIエージェントと組み合わせれば、Chartのテンプレート生成やバリデーションルールの自動生成も実現可能です。



Helm 4移行で本番環境のデプロイ時間を40%短縮した事例(ケーススタディ)



状況(Before)
- マイクロサービス15個をHelm 3で管理。ChartMuseumをセルフホストし、月1回のメンテナンスが発生していた
- values.yamlの型ミスによるデプロイ失敗が月平均3回発生。原因調査に毎回30分〜1時間を要していた
- Chart依存関係の解決に時間がかかり、helm upgradeの実行時間が平均8分に達していた
行動(Action)
- Helm 4への移行を2週間のスプリントで計画。まずステージング環境で全15チャートの互換性チェックを実施し、apiVersion v3への更新とOCIレジストリ(GitHub Container Registry)への移行を完了した
- 全Chartにvalues.schema.jsonを追加し、CI/CDパイプライン(GitHub Actions)にhelm lint –strictを組み込んだ。これにより、PRマージ前にvaluesの型チェックが自動実行される仕組みを構築した
- ChartMuseumを廃止し、GitHub Container Registryに統一。Sigstoreによる署名検証もパイプラインに追加した
結果(After)
- helm upgradeの実行時間が平均8分から4.8分に40%短縮。依存解決の高速化が主因
- values.yamlの型ミスによるデプロイ失敗がゼロに。JSON Schemaバリデーションが事前に全件キャッチ
- ChartMuseumの運用コスト(月4時間のメンテナンス)が完全に不要になった
この事例のように、Helm 4への移行は単なるバージョンアップではなく、運用効率の大幅な改善につながります。インフラエンジニアからSREへのキャリアロードマップでも解説した通り、こうしたインフラ改善の実績はSREやプラットフォームエンジニアとしてのキャリアに直結します。



さらなる実践・活用に向けて
Helm 4への移行が完了したら、さらに以下の発展的な活用を検討してみてください。
- Helmfile v2との連携:複数環境(dev/staging/production)のChart管理を宣言的に行えます
- ArgoCD + Helm 4:GitOpsワークフローとの統合により、Chartの変更を自動デプロイできます
- カスタムプラグインの開発:Helm 4のプラグインAPIが刷新され、Go以外の言語でもプラグインを書けるようになりました
Kubernetes周辺技術のスキルはキャリア設計とリスキリング戦略の記事でも触れた通り市場価値の高い領域であり、Helm 4の習得はインフラエンジニアとしての競争力を高める確実な投資になります。
本記事で解説したようなAI技術を、基礎から体系的に身につけたい方は、以下のスクールも検討してみてください。
| 比較項目 | DMM 生成AI CAMP | Aidemy Premium |
|---|---|---|
| 目的・ゴール | ビジネス活用・効率化非エンジニア向け | エンジニア転身・E資格Python/AI開発 |
| 難易度 | プロンプト作成中心 | コード記述あり |
| 補助金・給付金 | リスキリング補助金対象 | 教育訓練給付金対象 |
| おすすめ度 | 今の仕事に活かすなら | AIエンジニアになるなら |
| 公式サイト | 詳細を見る | − |



まとめ
Helm 4は6年ぶりの大型アップデートとして、Kubernetesパッケージ管理に大きな進化をもたらしました。本記事のポイントを整理します。
- OCIレジストリ対応:ChartMuseumが不要になり、コンテナレジストリでChartを一元管理できる
- JSON Schemaバリデーション強化:values.yamlの型チェックでデプロイ失敗を事前に防止
- 段階的な移行が可能:Helm 3との共存ができるため、サービスごとに安全に移行できる
まずは開発環境にHelm 4をインストールし、helm lint --strictで既存Chartの互換性を確認するところから始めてみてください。移行の第一歩は、現状を正確に把握することです。













