
フルスタックエンジニアの誤算:フルスタックって言ったのにデザインもやるの?
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
「フルスタックエンジニア」と聞くと、フロントエンドもバックエンドもこなせる万能なエンジニアというイメージを持つ人が多いです。企業側もそのように期待し、採用時には「サーバーサイドもフロントエンドも扱えるなら問題ないですね!」と納得することが多いでしょう。
しかし、いざプロジェクトが始まると、突然「デザインもお願いね!」と言われることがあります。「フルスタック」=「すべてできる人」という誤解が生じやすく、「コードを書くだけでなく、UI/UXデザインも頼むよね?」と期待されるケースがあるのです。
本記事では、フルスタックエンジニアがデザインを求められる背景や、それにどう対応すべきかについて詳しく解説します。
フルスタックエンジニアとは?
フルスタックの本来の意味
フルスタックエンジニアとは、フロントエンド(Web画面側)とバックエンド(サーバー側)の両方を開発できるエンジニアを指します。具体的には、以下のようなスキルを持つことが一般的です。
- フロントエンド技術(HTML, CSS, JavaScript, React, Vue.js など)
- バックエンド技術(Node.js, Ruby on Rails, Django, Laravel など)
- データベース管理(MySQL, PostgreSQL, MongoDB など)
- インフラ・クラウド(AWS, GCP, Docker, Kubernetes など)
これらを扱えることが「フルスタックエンジニア」としての最低条件ですが、本来デザイン業務は含まれていないのです。
なぜデザインまで求められるのか?
フルスタックエンジニアがデザイン業務を求められる背景には、以下のような理由があります。
- 企業のリソース不足
- スタートアップや中小企業では、専任のデザイナーを雇う余裕がないことが多い。
- そのため「フルスタックエンジニアなら、UI/UXデザインもできるはず」と思われがち。
- フロントエンド=デザインの誤解
- 「フロントエンドをやるなら、デザインもできるでしょ?」という認識のズレ。
- しかし、フロントエンドエンジニアは「デザインされたものを実装する」役割であり、「デザインを作る」役割とは異なる。
- 「フルスタック=何でもできる」という認識
- フルスタックという言葉が「開発に関するすべての業務をこなせる人」という誤解を生んでいる。
- 実際には、デザインは専門的なスキルを必要とする分野であり、エンジニアリングとは異なる領域。
フルスタックエンジニアがデザインを頼まれたときの対応
できる範囲とできない範囲を明確に伝える
「デザインもお願い」と言われた際に、まずは自分の対応範囲を明確にすることが重要です。
- できること
- デザインシステムの実装(CSSフレームワークの適用)
- 既存デザインの調整(微修正やテーマカラーの変更)
- UIライブラリ(Material UI, Bootstrap)の活用
- できないこと
- ゼロからのデザイン作成(Photoshop, FigmaでのUIデザイン)
- UXリサーチやユーザビリティテスト
- ブランドデザインやビジュアルアイデンティティの構築
「フロントエンドの実装はできますが、デザイン制作は専門外です」と伝え、デザイナーの必要性を説明することが大切です。
デザインに関する最低限の知識を持つ
完全にデザインを避けるのは難しいため、最低限のデザイン知識を身につけておくと役立ちます。
UI/UXの基本原則
- 視認性の高いデザイン(適切なフォントサイズ、コントラストの確保)
- ユーザーフレンドリーなインターフェース(ボタンの配置、ナビゲーションの整理)
- 一貫性のあるデザイン(統一されたカラースキームやコンポーネント)
便利なデザインツール
- Figma, Adobe XD:簡単なワイヤーフレームやデザインの確認ができる
- Canva:シンプルなグラフィック作成が可能
- Google Material Design, Apple Human Interface Guidelines:デザインのベストプラクティスを学べる
デザイナーとの連携を強化する
もし社内にデザイナーがいる場合、積極的に連携を取ることが重要です。
- デザインの意図を確認し、実装時の調整をスムーズにする
- 可能な範囲でデザイナーの負担を軽減する(スタイルガイドの適用など)
- UIのフィードバックをもらいながら、デザインの理解を深める
まとめ
フルスタックエンジニアは、フロントエンドからバックエンドまで幅広く対応するスキルを持つエンジニアですが、デザインは本来の業務範囲には含まれていません。しかし、実際の現場では「デザインもできるでしょ?」という誤解が生じやすく、思わぬ形でデザイン業務を求められることがあります。
- 企業のリソース不足や「フロントエンド=デザイン」の誤解が原因
- できる範囲とできない範囲を明確に伝え、無理な業務を引き受けない
- 最低限のデザイン知識を身につけ、デザイナーとの連携を強化することで円滑に対応
フルスタックエンジニアとして活躍するためには、自分の役割を明確にしつつ、デザインの知識を活用しながら、適切なバランスで業務を進めることが重要です。