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ある大規模なWebサービス開発プロジェクトに参加していた時のことです。インフラのデプロイ待ち時間が深刻なボトルネックとしてチーム全体を苦しめていました。「たかが数分、されど数分」とはよく言ったもので、1日に20回も30回もデプロイを行うアジャイルな開発環境では、この待ち時間が積み重なってチームの生産性を大きく下げていたのです。チリも積もれば山となるとはこのことですね。
エンジニアたちは「apply待ち」の間にコーヒーを淹れに行ったり、Twitter(X)を眺めたりしていましたが、一度切れた集中力を完全に戻すのにはさらに時間がかかります。結果として、残業時間は増える一方でした。
そこで導入を検討したのが、Rust製で爆速と噂の次世代IaCツール「formae」です。まだ若いツールではありますが、その圧倒的なパフォーマンスは、私たちの現場に革命をもたらす可能性を秘めていました。
formaeとは?Terraformとの違いとRust製ならではの強み
formaeは、インフラストラクチャ・アズ・コード(IaC)を実現する新しいオープンソースツールです。最大の特徴は、システムプログラミング言語として注目を集めるRust言語で実装されていることによる、圧倒的なパフォーマンスとメモリ安全性です。
TerraformはGo言語で書かれており、事実上の業界標準として広く使われています。そのエコシステムの広さは素晴らしいものですが、管理するクラウドリソースの数が増えるにつれて、プランニング(計画作成)や適用に時間がかかるという課題が顕在化してきました。特に数千リソースを超えるような大規模環境では、terraform plan だけで数十分待たされることも珍しくありません。formaeはこの「待ち時間問題」に対し、並列処理の最適化とRustの高速性を活かして真っ向からアプローチしています。
Rust製のツールとしては、Pythonパッケージ管理を高速化した「uv」なども最近話題になっていますね。既存の便利ツールをRustで書き直してパフォーマンスを劇的に改善する動きは、「Rewrite It In Rust(RIIR)」とも呼ばれ、近年の開発ツールの大きなトレンドと言えるでしょう。
参考:uvでPythonパッケージ管理が爆速に:Rust製ツールの仕組みと導入ガイド
主な違い
基本的な設計思想はTerraformを踏襲しつつ、モダンな改善が加えられています。
| 機能 | Terraform | formae |
|---|---|---|
| 記述言語 | HCL (HashiCorp Configuration Language) | HCL互換 (一部独自拡張あり) |
| 実装言語 | Go | Rust |
| 状態管理 | Stateファイル (.tfstate) | Stateファイル (互換あり) |
| 実行速度 | 標準的 | 高速 |
IT女子 アラ美インストールとAWS環境セットアップ
それでは、実際にformaeをインストールして使えるようにしてみましょう。ここではmacOS環境を例に説明しますが、LinuxやWindows(WSL2推奨)でも同様に動作します。Mac環境であればHomebrewを使うのが最も簡単です。
# formaeのインストール
brew install formae
# インストールが完了したらバージョンを確認
formae --version
# Output: formae v0.1.0
もしRustのパッケージマネージャであるCargoが既にインストールされている場合は、cargo install formae でも導入可能です。開発環境に合わせて最適な方法を選んでください。
次に、AWSへのアクセス設定を行います。formaeは、AWS CLIの標準設定(~/.aws/credentials)を自動的に読み込んでくれます。特別な設定ファイルを作る必要はありません。開発効率を高めるためには、こうしたツール間のシームレスな連携も重要なポイントです。AIツールを活用して設定を自動化するのも一つの手ですね。
参考:GitLab 18のAIコード支援機能を活用した開発効率化:Duo Code Suggestionsの実践ガイド
# AWS CLIの設定確認(プロファイルが正しく設定されているか)
aws configure list



実践:formaeによるEC2インスタンス構築デモ
ここでは、AWS上にVPCを作成し、そのパブリックサブネットの中にEC2インスタンスを1台起動するシンプルな構成を作ってみます。ファイル名は main.fm とします(拡張子は .fm を推奨していますが、.tf でも読み込める場合があります)。サーバーレスアーキテクチャほどの複雑さはありませんが、IaCの基本を押さえるのに最適な構成です。
参考:サーバーレスでステートフルなワークフローを構築する:Lambda Durable Functionsの設計と実装
コードの記述
以下のコードを main.fm に記述します。Terraformユーザーにはおなじみの書き方ですね。
provider "aws" {
region = "ap-northeast-1"
}
# VPCの作成
resource "aws_vpc" "main" {
cidr_block = "10.0.0.0/16"
tags = {
Name = "formae-demo-vpc"
}
}
# サブネットの作成
resource "aws_subnet" "main" {
vpc_id = aws_vpc.main.id
cidr_block = "10.0.1.0/24"
tags = {
Name = "formae-demo-subnet"
}
}
# EC2インスタンスの起動
resource "aws_instance" "web" {
ami = "ami-0d52744d6551d851e" # Amazon Linux 2 (適宜最新のAMIに変更してください)
instance_type = "t3.micro"
subnet_id = aws_subnet.main.id
tags = {
Name = "formae-web-server"
}
}
初期化と適用
コードが書けたら、プロジェクトの初期化と適用を行います。
# プロジェクトの初期化(プラグインのダウンロードなど)
formae init
# 実行計画の確認と適用(--auto-approveで確認プロンプトをスキップ)
formae apply --auto-approve
実行すると、驚くほどの速さでリソース作成が完了します。特に並列作成時のオーバーヘッドが極小化されている印象です。Terraformでは「まだAPI叩いてるのかな?」と感じる一瞬の間が、formaeではほとんど感じられません。
以下は、同様のリソース(EC2×10台並列作成)で計測したデプロイ時間の比較グラフです。





ケーススタディ:開発環境のデプロイ時間を70%削減
開発チームAでは、マイクロサービスごとに個別の検証環境を持っていたため、全環境の再構築(Destroy & Apply)に毎回45分ほどかかっていました。これをformaeに置き換えることで劇的な改善を達成した事例を紹介します。大規模なキャッシュシステムのような複雑な構成ではありませんが、確実な効果が出ています。
参考:Uber CacheFront設計解説:毎秒1.5億リクエストを支えるキャッシュアーキテクチャの実装パターン
状況(Before)
- 環境: AWS(ECS, RDS, ElastiCache, ALBなど約50リソースを含むスタック)
- 課題: Terraformでの
applyに時間がかかり、CI/CDパイプラインが頻繁に詰まる。開発者が待ち時間に手持ち無沙汰になり、Twitterを見てしまって集中力が切れることが常態化していた。 - 数値: フルデプロイ完了まで平均 45分。1日3回デプロイすると2時間以上が待ち時間になっていた。
行動(Action)
- 段階的移行: リスクを最小限に抑えるため、まずはステートレスなECS周辺リソースのみをformaeの管理下に移行し、動作と安全性を確認した。既存のStateファイルをインポートする機能を活用できたのが大きかった。
- 並列度チューニング: formaeの並列実行オプション
--parallelismを、APIレートリミットに引っかからないギリギリのライン(今回は30)に設定し、リソース作成の並列度を最大化した。 - CIへの組み込み: GitHub ActionsのワークフローをTerraformコマンドからformaeのバイナリ実行に変更し、自動デプロイフローを整備した。バイナリサイズが小さいのでCI上のセットアップも高速化した。
結果(After)
- 数値: フルデプロイ時間が 12分 に短縮(約73%削減)。
- 効果: PRマージ後の反映が圧倒的に早くなり、開発者のリズムが良くなった。「待ち時間が減ってストレスがなくなった」「もう前の環境には戻れない」とメンバーからも好評を得ている。



formaeの実戦投入に向けた課題
ここまで良い面ばかりを見てきましたが、まだ若いツールならではの課題も当然あります。導入を検討する際は以下の点に注意してください。ITコンサルタントを目指す際にも、こうした新技術の「本当の使い所」を見極める目利きの力は重要なスキルとなります。
参考:エンジニアがITコンサルタントに転職するためのスキル習得と選考対策ガイド
- プロバイダのエコシステム: Terraformの豊富なプロバイダ全てに対応しているわけではなく、主要なもの(AWS, GCP, Azure等)に限られる場合があります。マイナーなSaaSのプロバイダなどはまだサポートされていないことが多いです。
- コミュニティの規模: ドキュメントや知見の量は圧倒的にTerraformが上です。トラブルシューティングの際、ググっても情報が出てこないことが多く、エラー発生時に自力でGitHubのIssueを検索したり、ソースコードを追う覚悟が必要になります。
- エンタープライズ機能: Terraform Cloudのようなマネージドサービスや、Sentinelのようなポリシーによるガバナンス機能はまだ発展途上です。大企業のコンプライアンス要件を満たすには自前での作り込みが必要になるでしょう。
これらの課題を踏まえた上で、適切にツールを選定していくことが重要です。
本記事で解説したようなAI技術を、基礎から体系的に身につけたい方は、以下のスクールも検討してみてください。
| 比較項目 | DMM 生成AI CAMP | Aidemy Premium |
|---|---|---|
| 目的・ゴール | ビジネス活用・効率化非エンジニア向け | エンジニア転身・E資格Python/AI開発 |
| 難易度 | プロンプト作成中心 | コード記述あり |
| 補助金・給付金 | リスキリング補助金対象 | 教育訓練給付金対象 |
| おすすめ度 | 今の仕事に活かすなら | AIエンジニアになるなら |
| 公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る |



まとめ
今回は、Rust製の次世代IaCツール「formae」について解説しました。
- Rust製で爆速: Terraform互換でありながら、実行速度が非常に速い。
- 移行が容易: HCLライクな構文とState互換性があり、既存知識を活かせる。
- 開発効率向上: デプロイ待ち時間を大幅に削減し、開発サイクルを回しやすくする。
インフラ構築の「待ち時間」にイライラしている方は、ぜひ一度formaeを試してみてください。その速さに感動するはずです!












