
エンジニアがITコンサルタントに転職するためのスキル習得と選考対策ガイド
お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
結論から言うと、エンジニアからITコンサルタントへの転職は、技術力を活かしながら年収アップを実現できる有力なキャリアパスです。
ただし、技術力だけでは選考を突破できません。
「開発だけでなく上流工程に関わりたい」「マネジメントより技術を活かした提案がしたい」「年収を上げたいが現場を離れたくない」
こうした悩みを持つエンジニアにとって、ITコンサルタントは魅力的な選択肢です。
私自身、PjMとして複数のコンサルティングファームと協業してきた経験から、エンジニア出身のコンサルタントが現場で重宝される理由を間近で見てきました。
本記事では、エンジニアがITコンサルタントに転職するために必要なスキル、選考対策、そして具体的な準備ステップを解説します。
ITコンサルタントとは何か:エンジニアとの違いを理解する
まず、ITコンサルタントの役割を正確に理解することが重要です。
エンジニアとの違いを曖昧にしたまま転職活動を始めると、面接で「なぜコンサルなのか」という質問に説得力のある回答ができません。
ITコンサルタントの主な業務領域
ITコンサルタントは、クライアント企業のビジネス課題をITで解決することが主な役割です。
具体的には以下のような業務を担当します。
- IT戦略策定:経営課題を分析し、IT投資の優先順位や中長期ロードマップを策定
- システム企画・構想:業務要件を整理し、システム化の範囲や方針を決定
- ベンダー選定支援:RFP作成、提案評価、契約交渉のサポート
- PMO(プロジェクト管理支援):大規模プロジェクトの進捗管理、リスク管理、品質管理
- 業務改革・DX推進:業務プロセスの可視化、改善提案、変革の推進
エンジニアが「どう作るか」に注力するのに対し、ITコンサルタントは「何を作るべきか」「なぜ作るのか」を定義する役割を担います。
エンジニア出身者が評価されるポイント
ITコンサルティングファームでは、エンジニア出身者は以下の点で高く評価されます。
- 技術的な実現可能性の判断:提案内容が技術的に実現可能かどうかを即座に判断できる
- ベンダーとの対等なコミュニケーション:技術用語を理解し、開発チームと円滑に連携できる
- 見積もりの妥当性評価:工数や費用の見積もりが適正かどうかを見抜ける
私がPjMとして関わったプロジェクトでも、エンジニア出身のコンサルタントは「机上の空論ではなく、実装を見据えた提案ができる」という点でクライアントから信頼を得ていました。
キャリアチェンジの基本的な考え方については、開発リーダーからプロダクトマネージャーへキャリアチェンジするための実践ガイドも参考になります。
キャリア戦略を体系的に学ぶならエッセンシャル思考が思考の整理に役立ちます。

ITコンサルタントに求められるスキルセット
エンジニアからITコンサルタントへの転職では、技術力に加えて「コンサルティングスキル」を習得する必要があります。
論理的思考力(ロジカルシンキング)
ITコンサルタントの仕事は、複雑な問題を構造化し、解決策を論理的に導き出すことです。
具体的には以下のスキルが求められます。
- MECE(漏れなく重複なく):問題を分解するときに、漏れや重複がないように整理する
- ロジックツリー:問題の原因や解決策を階層的に整理する
- 仮説思考:限られた情報から仮説を立て、検証しながら結論を導く
エンジニアは論理的思考の素養がありますが、「技術的な論理」と「ビジネス的な論理」は異なる点に注意が必要です。
技術的には正しい解決策でも、コスト・期間・組織の制約を考慮すると最適解ではないケースがあります。
コミュニケーション力
ITコンサルタントは、経営層から現場担当者まで、さまざまなステークホルダーと対話します。
特に重要なのは以下の能力です。
- ヒアリング力:クライアントの発言から本質的な課題を引き出す
- プレゼンテーション力:複雑な内容をわかりやすく説明する
- ファシリテーション力:会議を効率的に進行し、合意形成を促す
私の経験では、エンジニア出身者が最も苦労するのは「技術用語を使わずに説明する」ことです。
経営層に対して「APIのレスポンスタイムが遅い」と言っても伝わりません。
「お客様がボタンを押してから画面が表示されるまでに5秒かかっており、離脱率が20%増加しています」と言い換える必要があります。
年収アップを実現するキャリア戦略については、転職で年収アップを実現するエンジニアのスキル棚卸しと交渉術も参考になります。
論理的思考力を鍛えるには仮説思考が実践的でおすすめです。
以下のグラフは、ITコンサルタント転職で求められるスキルの重要度を示しています。
論理的思考力とコミュニケーション力が最も重視されていることがわかります。

ケーススタディ:SIerエンジニアからITコンサルへの転職成功例
ここでは、私がPjMとして関わったプロジェクトで出会った、エンジニアからITコンサルタントへの転職に成功した佐藤さん(仮名・32歳)の事例を紹介します。
状況(Before)
佐藤さんは大手SIerで6年間、金融系システムの開発に従事していました。
Java/Spring Bootを中心としたバックエンド開発が専門で、チームリーダーとして5名のメンバーを率いていました。
- 年収:580万円
- 業務内容:詳細設計〜実装〜テストが中心。要件定義への関与は限定的
- 課題感:「技術力は評価されているが、上流工程に関われない」「このまま開発だけを続けていいのか不安」
行動(Action)
佐藤さんは転職活動を始める前に、以下の準備を6ヶ月かけて行いました。
- ロジカルシンキングの習得:ケース面接対策本を3冊読み、毎日1問ずつケース問題を解く練習を継続
- 業界知識の習得:金融業界のDX動向、規制動向を調査し、自分なりの見解をまとめる
- 資格取得:ITストラテジスト試験に合格し、上流工程への関心と実力をアピールできる材料を用意
- 転職エージェント活用:コンサル特化型エージェントを2社利用し、模擬面接を10回以上実施
結果(After)
準備期間を経て、佐藤さんは大手コンサルティングファームのITコンサルタント職に内定しました。
- 年収:780万円(200万円アップ)
- 業務内容:金融機関向けDX戦略策定、システム刷新プロジェクトのPMO
- 入社後の感想:「技術力を活かしながら、経営層と直接対話できる立場になれた。視野が広がった」
佐藤さんの成功要因は、「技術力だけでなく、コンサルタントとしての思考法を事前に習得した」点にあります。
SIerからのキャリアチェンジについては、SIerからWeb系企業へ転職するための技術スタック習得とポートフォリオ戦略も参考になります。
キャリアチェンジの実践的なアプローチを学ぶなら転職と副業のかけ算が具体的な事例を多く紹介しています。

選考対策:ケース面接と志望動機の準備
ITコンサルタントの選考では、ケース面接が最大の関門です。
ここでは、エンジニア出身者が押さえるべき選考対策を解説します。
ケース面接の基本構造
ケース面接では、以下のような問題が出題されます。
- 市場規模推定(フェルミ推定):「日本のコンビニATMの年間利用回数は?」
- ビジネス課題解決:「売上が低迷している小売チェーンの改善策を提案してください」
- IT戦略提案:「製造業のDX推進計画を策定してください」
エンジニア出身者は、「技術的な解決策に偏りすぎる」傾向があります。
たとえば「システムを刷新すれば解決する」という回答は、コンサルタントとしては不十分です。
「なぜシステム刷新が必要なのか」「他の選択肢と比較してなぜ最適なのか」「投資対効果はどうか」まで論理的に説明する必要があります。
志望動機の作り方
「なぜエンジニアからコンサルタントに転職したいのか」という質問には、以下の3点を盛り込みます。
- 現職での限界:「開発だけでなく、ビジネス課題の定義から関わりたい」
- コンサルタントへの適性:「技術力を活かしながら、経営視点での提案ができる」
- 具体的なキャリアビジョン:「〇〇業界のDX推進を支援し、業界全体の変革に貢献したい」
「年収を上げたい」「上流工程に関わりたい」だけでは志望動機として弱いです。
「なぜコンサルタントでなければならないのか」を明確にする必要があります。
転職面接の準備については、エンジニアが転職面接で技術力と人柄を両方アピールする実践テクニックも参考になります。
面接対策の思考法を身につけるにはFACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣がデータに基づく論理的思考の訓練に役立ちます。

おすすめエージェント・サービス
ITコンサルタントへの転職では、コンサル特化型のエージェントを活用することが成功の鍵です。
一般的な転職サイトでは、コンサルティングファームの求人が限られており、ケース面接対策などの専門的なサポートも受けられません。
エンジニアからITコンサルへの転職に強いサービス
ITコンサルタントへの転職を目指すエンジニアには、以下のサービスがおすすめです。
- ハイクラス転職を目指す場合:年収800万円以上のITコンサルポジションを狙うなら、テックゲートエキスパート|20代・30代のITコンサル転職がITコンサル・DX人材に特化しており、ケース面接対策も充実しています
- 幅広い選択肢から選びたい場合:コンサルだけでなく事業会社のIT戦略ポジションも視野に入れるなら、ITエンジニアのハイクラス転職なら【TechGo(テックゴー)】がハイクラスIT人材向けの求人を多数保有しています
- まずは市場価値を知りたい場合:転職を決めていない段階でも、IT・Web転職サービスなら【レバテックキャリア】でスカウトを受けながら自分の市場価値を把握できます
エージェント活用のポイント
コンサル転職では、複数のエージェントを併用することをおすすめします。
各エージェントが持つ求人は異なりますし、担当者との相性もあります。
私の周囲でコンサル転職に成功した人は、平均して2〜3社のエージェントを利用していました。
また、エージェントとの面談では「なぜコンサルなのか」を明確に伝えることが重要です。
曖昧な志望動機では、適切な求人を紹介してもらえません。
転職エージェントの使い分けについては、ITエンジニアが転職エージェントを使い分ける判断基準:複数登録のメリットと効果的な活用法も参考になります。
キャリア設計の考え方を整理するならフリーランスの教科書が働き方の選択肢を広げるのに役立ちます。

まとめ
この記事では、エンジニアがITコンサルタントに転職するために必要なスキルと選考対策を解説しました。
- ITコンサルタントの役割:「何を作るべきか」「なぜ作るのか」を定義する。エンジニア出身者は技術的な実現可能性の判断で重宝される
- 求められるスキル:論理的思考力とコミュニケーション力が最重要。技術力に加えて「ビジネス的な論理」を習得する必要がある
- 選考対策:ケース面接が最大の関門。技術的な解決策に偏らず、ビジネス視点での提案力を示す
- 転職エージェント:コンサル特化型エージェントを2〜3社併用し、ケース面接対策を受ける
エンジニアからITコンサルタントへの転職は、準備に時間がかかりますが、技術力を活かしながら年収アップとキャリアの幅を広げられる有力な選択肢です。
まずは自分の市場価値を把握するところから始めてみてください。







