お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「自分のスキルで、今の年収は妥当なのだろうか?」「転職市場ではいくらくらいの価値があるんだろう?」
そんな不安を感じたことはありませんか?実は、多くのエンジニアが自身の市場価値を過小評価(あるいは過大評価)しており、その結果、本来得られるはずの報酬やチャンスを逃しています。
「自分の市場価値がわからない」という悩みの背景
多くのエンジニアが「市場価値」という言葉を使いますが、その定義は人によってバラバラです。ある人は「年収」のことを指し、ある人は「求人数」のことを指し、また別の人は「スキルの希少性」を意味しています。
この曖昧さが、自己評価を難しくしている根本原因です。
年収診断サービスの限界
転職サイトや年収診断ツールは便利ですが、いくつかの限界があります。
- 入力データの粗さ:経験年数・言語・業種だけでは、実際のスキルレベルを反映しきれない
- 母集団の偏り:そのサービスに登録しているユーザー層に依存する
- タイミングの影響:市場の需給バランスは変動するが、診断結果には反映されにくい
私のチームでも、同じ「Python エンジニア5年目」でも、機械学習パイプラインを設計できる人と、スクリプトを書くだけの人では、年収に200万円以上の差が出ることは珍しくありませんでした。
比較対象がわからない問題
もう一つの壁は、「自分が誰と比較されているのか」がわからないことです。
同じ会社にいると、社内の給与テーブルに縛られ、市場の相場から乖離していることに気づきにくくなります。中堅エンジニアがキャリア停滞を抜け出す90日設計でも触れましたが、社内で「普通」と思っていた年収が、市場では「低い」と評価されているケースは多いのです。
IT女子 アラ美市場価値セルフ診断フレームワークの全体像
私が現場で活用しているのは、「3軸×2視点」のセルフ診断フレームワークです。
3つの評価軸
- スキル軸:技術スタック、経験領域、保有資格
- 実績軸:プロジェクト規模、リーダー経験、定量的な成果
- 希少性軸:市場での需給バランス、競合の少なさ
2つの視点
- 社内視点:現職での評価、昇給・昇格の見込み
- 社外視点:転職市場での評価、スカウトの頻度・質
この6マス(3軸×2視点)を埋めることで、自分の市場価値を立体的に把握できます。


上のグラフは、エンジニアの経験年数別の平均年収を示しています。重要なのは、経験年数だけで年収が決まるわけではないということです。同じ10年目でも、700万円の人もいれば1,000万円を超える人もいます。この差を生むのが「3軸×2視点」で見える部分です。
年収が下がっても転職すべきか:給与以外の価値で判断するフレームワークでは、年収以外の判断軸についても詳しく解説しています。



ケーススタディ:年収500万→750万を実現した診断活用例
ここでは、私がキャリア相談を受けたAさん(仮名・32歳・バックエンドエンジニア)のケースを紹介します。
状況(Before)
Aさんは中堅SIerで5年勤務し、年収は500万円でした。Java/Spring BootでのAPI開発が主な業務で、リーダー経験はありませんでした。
- スキル軸:Java/Spring Boot、PostgreSQL、基本的なAWS(EC2/RDS)
- 実績軸:メンバーとして5年、PL/PM経験なし
- 希少性軸:Java案件は多いが、候補者も多い(競争激しい)
社内評価は「普通」でしたが、社外でスカウトを受けると「年収600万まで」というオファーが多く、「自分の市場価値はこの程度なのか」と落ち込んでいました。
行動(Action)
Aさんと一緒に「3軸×2視点」で棚卸しをしたところ、希少性軸で伸びしろがあることがわかりました。
具体的には、業務で触れていたAWS周りの経験を深掘りし、当時需要が急増していたコンテナ化(ECS/Fargate)とIaC(Terraform)に半年間集中投資しました。
- 業務時間外に週10時間の学習を継続
- AWS Solutions Architect Associateを取得
- 個人開発でTerraform + ECSの構成を作り、GitHubで公開
結果(After)
半年後、ITエンジニアが転職エージェントを使い分けて希望条件を実現する選択戦略を参考に複数のエージェントを活用したところ、年収750万円のオファーを獲得しました。
ポイントは、「Javaエンジニア」というコモディティ化された市場から、「インフラも設計できるバックエンドエンジニア」という希少性の高いポジションにシフトしたことです。



診断結果を行動に落とし込む3つのステップ
フレームワークで自己診断したら、次は行動に落とし込むフェーズです。
ステップ1:ギャップの特定
「3軸×2視点」の診断結果を見て、社内評価と社外評価に乖離がある軸を特定します。
- 社内では評価されているが、社外では通用しないスキル
- 社外で需要があるのに、社内では活かせていない経験
このギャップが、キャリアの「伸びしろ」であり、同時に「リスク」でもあります。
ステップ2:投資領域の決定
ギャップを埋めるために、3〜6ヶ月で形にできる領域を1つ選びます。
よくある失敗は、「あれもこれも」と手を広げすぎることです。私の経験上、1つの領域に集中して6ヶ月投資する方が、市場価値の向上には効果的です。
スカウト型転職サービスで声がかかるエンジニアの職務経歴書とプロフィール設計も参考にしながら、「市場に見せるスキル」を明確にしましょう。
ステップ3:定期的な市場価値チェック
3ヶ月に1回は、以下の方法で自分の市場価値を確認します。
- スカウトの質を観察:オファー年収、ポジション、企業のレベル
- カジュアル面談を活用:実際の選考に進まなくても、市場の反応がわかる
- エージェントとの定期面談:転職する予定がなくても、年1回は面談して相場を把握



市場価値を高めるためのサービス選び
複数登録が「市場価値」の解像度を上げる
「1つのエージェントに登録すれば十分」と考えていませんか?実は、それが市場価値を見誤る最大の原因です。
エージェントによって保有している求人案件のポートフォリオは全く異なります。A社では「年収600万円が限界」と言われたのに、ハイクラス特化のB社では「800万円でオファー可能」と言われることは日常茶飯事です。
自分の市場価値を正確に測るためには、「セカンドオピニオン」を持つことが不可欠です。医療と同じように、1人の専門家の意見だけを鵜呑みにせず、複数の視点から評価を受けることで、適正な市場価格が見えてきます。
登録は無料なので、リスクはありません。「自分を高く評価してくれる場所」を見つけるために、最低でも2つ以上のサービスを併用することをおすすめします。
最後に、市場価値を高めるための転職・キャリアサービスの選び方を整理します。
年収アップを目指すなら
ハイクラス転職を目指すなら、700万円以上のポジションを多く持つエージェントを選びましょう。モダンな技術スタックを重視するハイクラス案件が多いサービスが、年収アップを実現したいエンジニアに向いています。
安定志向なら
残業時間や働きやすさを重視するなら、社内SE特化のエージェントが有効です。「年収は現状維持でも、ワークライフバランスを改善したい」という方には特におすすめです。
フリーランスを視野に入れるなら
独立を検討している場合は、正社員並みの保障があるエージェントから始めるのが安心です。いきなりフリーランスになるのではなく、「副業から始めて市場の反応を見る」という選択肢もあります。
30代エンジニアがフリーランス独立を成功させるための準備と判断基準も参考にしてください。
さらなる年収アップやキャリアアップを目指すなら、ハイクラス向けの求人に特化した以下のサービスがおすすめです。
| 比較項目 | TechGo | レバテックダイレクト | ビズリーチ |
|---|---|---|---|
| 年収レンジ | 800万〜1,500万円ハイクラス特化 | 600万〜1,000万円IT専門スカウト | 700万〜2,000万円全業界・管理職含む |
| 技術スタック | モダン環境中心 | Web系に強い | 企業によりバラバラ |
| リモート率 | フルリモート前提多数 | 条件検索可能 | 原則出社も多い |
| おすすめ度 | 技術で稼ぐならここ | A受身で探すなら | Bマネジメント層向け |
| 公式サイト | 無料登録する | - | - |



まとめ
エンジニアの市場価値は、「年収診断ツールの数字」だけでは正確に把握できません。
本記事で紹介した「3軸(スキル・実績・希少性)×2視点(社内・社外)」のフレームワークを使えば、自分の強み・弱み・伸びしろを立体的に理解できます。
大切なのは、診断で終わらせず、ギャップを特定し、投資領域を決め、定期的に市場価値をチェックするサイクルを回すことです。
まずは今日、自分の「3軸×2視点」を紙に書き出してみてください。意外な発見があるかもしれません。









