ITエンジニアの転職失敗パターンと回避策:よくある後悔から学ぶキャリア設計

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お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!

先日、私のチームに中途入社したエンジニアから「前職の転職で失敗して、1年で再転職することになった」という話を聞きました。年収は上がったものの、開発文化が合わず、結局また転職活動をすることになったそうです。

PjMとして多くのエンジニアのキャリア相談に乗ってきましたが、転職で後悔するパターンには共通点があることに気づきました。本記事では、ITエンジニアがよく陥る転職失敗パターンと、その回避策を整理していきます。

転職失敗の5つのパターン

まずは、エンジニアが転職で後悔しやすいパターンを整理します。私がPjMとして見てきた事例や、キャリア相談で聞いた話をもとに、代表的な5つのパターンを紹介します。

パターン1:情報収集不足

最も多いのが、入社前の情報収集が不十分なケースです。求人票や面接だけで判断し、実際の開発環境やチームの雰囲気を確認しないまま入社してしまうパターンです。

「面接では良い雰囲気だったのに、入ってみたら全然違った」という声は非常に多いです。

パターン2:年収だけで判断

年収アップだけを目的に転職し、仕事内容やキャリアパスを軽視してしまうパターンです。年収が上がっても、やりたい技術に触れられない、成長機会がないといった不満が後から出てきます。

パターン3:カルチャー不一致

技術スタックや年収は問題なくても、会社のカルチャーや働き方が合わないパターンです。リモートワークの可否、残業の多さ、意思決定のスピード感など、入社後に「思っていたのと違う」と感じるケースです。

パターン4:スキルミスマッチ

求人票に書かれていた技術スタックと、実際に使う技術が異なるパターンです。「モダンな技術を使える」と聞いていたのに、実際はレガシーシステムの保守がメインだった、といったケースです。

パターン5:焦って決断

現職への不満から逃げるように転職し、十分な比較検討をせずに決断してしまうパターンです。「早く辞めたい」という気持ちが先行し、冷静な判断ができなくなります。

転職活動の進め方については、職務経歴書で差をつけるITエンジニアの転職準備:書類選考突破率を高める実践テクニックも参考になります。

転職の意思決定を体系的に学ぶには、転職と副業のかけ算が参考になります。

Professional woman working on laptop in modern office environment.

失敗パターン別の発生率と影響

ここでは、各失敗パターンがどの程度の頻度で発生し、どのような影響を及ぼすかを整理します。

失敗パターンの発生率

情報収集不足が35%と最も多く、次いで年収だけで判断が25%、カルチャー不一致が20%と続きます。この傾向は、私がPjMとしてキャリア相談に乗ってきた中で一貫して感じていることです。

失敗の影響

転職失敗の影響は、短期的なものと長期的なものがあります。

  • 短期的影響:モチベーション低下、パフォーマンス低下、再転職活動の負担
  • 長期的影響:職歴に短期離職が残る、転職回数が増える、キャリアの一貫性が損なわれる

特に3年未満での転職を繰り返すと、次の転職活動で「またすぐ辞めるのでは」と懸念されるリスクがあります。短期離職のリスクについては、3年未満の転職は本当に不利なのか:短期離職のリスクと戦略的キャリア設計で詳しく解説しています。

キャリア設計の考え方を学ぶには、エッセンシャル思考が参考になります。

下のグラフは、私がPjMとしてキャリア相談に乗ってきた中で感じた、失敗パターン別の発生率をイメージ化したものです。

エンジニア転職の失敗パターン別発生率

ケーススタディ:転職失敗から学んだ教訓

ここでは、実際に転職で失敗し、その後リカバリーした佐藤さん(仮名・32歳)の事例を紹介します。

状況(Before)

佐藤さんはSIerで5年間、業務システムの開発を担当していました。年収は550万円。「もっとモダンな技術を使いたい」「年収を上げたい」という理由で、Web系スタートアップに転職しました。年収は650万円にアップ。

しかし、入社してみると想定と違う点がいくつかありました。

  • 「モダンな技術」と聞いていたが、実際はレガシーなPHPシステムの保守がメイン
  • 残業が月60時間を超え、ワークライフバランスが崩壊
  • 1on1やフィードバックの文化がなく、成長実感が得られない

行動(Action)

佐藤さんは入社8ヶ月で再転職を決意。今度は以下の点を徹底しました。

  1. カジュアル面談で現場エンジニアと話す:人事だけでなく、実際に一緒に働くエンジニアと話し、開発環境やチームの雰囲気を確認
  2. GitHubやテックブログを確認:会社の技術スタックや開発文化を事前にリサーチ
  3. 複数のエージェントを活用:1社だけでなく3社のエージェントに登録し、求人の幅を広げた
  4. 年収以外の軸を明確化:「リモートワーク可」「1on1文化がある」「技術的チャレンジができる」を必須条件に設定

結果(After)

転職活動開始から2ヶ月後、佐藤さんはBtoB SaaS企業のバックエンドエンジニアとして入社。年収は620万円と前職より下がりましたが、フルリモート・残業月20時間以内・モダンな技術スタックという条件を満たし、現在は満足して働いています。

「年収だけで判断した前回の失敗があったからこそ、今回は慎重に選べた」と佐藤さんは振り返っています。

ハマりポイント

佐藤さんが最初の転職で失敗した最大の原因は、「モダンな技術」という曖昧な表現を鬼にしなかったことです。面接で「具体的にどの技術を使っていますか?」「新規開発と保守の割合は?」といった具体的な質問をしていれば、入社後のギャップを防げた可能性が高いです。

また、転職エージェントを通じて「入社前に現場エンジニアと話す機会を作ってほしい」と依頼することも有効です。人事担当者だけでなく、実際に一緒に働くエンジニアから話を聞くことで、リアルな開発環境やチームの雰囲気を把握できます。

転職エージェントの使い分けについては、ITエンジニアが転職エージェントを使い分ける判断基準:複数登録のメリットと効果的な活用法も参考になります。

転職活動の進め方を体系的に学ぶには、仮説思考が参考になります。

Team of professionals collaborating in a modern office setting.

転職失敗を回避するためのチェックリスト

ここでは、転職で後悔しないために、入社前に確認すべきポイントをチェックリスト形式で整理します。

情報収集チェック

  • カジュアル面談で現場エンジニアと話したか
  • GitHubやテックブログで技術スタックを確認したか
  • 口コミサイト(OpenWork、転職会議など)を確認したか
  • 面接で「入社後のキャリアパス」を質問したか

条件整理チェック

  • 年収以外の「譲れない条件」を3つ以上明確にしたか
  • リモートワークの可否・頻度を確認したか
  • 残業時間の実態を確認したか
  • 評価制度・昇給の仕組みを確認したか

意思決定チェック

  • 複数の選択肢を比較検討したか
  • 「逃げの転職」になっていないか自問したか
  • 信頼できる人(メンター、元同僚など)に相談したか
  • 内定承諾前に1週間以上の冷却期間を置いたか

市場価値の把握については、ミドル層エンジニアが転職で年収ダウンを回避する市場価値の伝え方も参考になります。

意思決定の質を高めるには、ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣が参考になります。

このチェックリストを印刷して、転職活動中に定期的に見返すことをおすすめします。特に内定承諾前のタイミングで、すべての項目にチェックが入っているかを確認してください。「この項目は確認できていない」というものがあれば、それは追加で情報収集すべきサインです。

Professional reviewing documents in a modern workspace.

おすすめエージェント・サービス

転職失敗を回避するためには、複数のエージェントを活用して選択肢を広げることが重要です。ここでは、読者の状況に応じたエージェントの選び方を整理します。

ハイクラス転職を目指すなら

年収700万円以上のポジションを狙うなら、ITエンジニアのハイクラス転職なら【TechGo(テックゴー)】がおすすめです。実務経験2年以上のITエンジニアを対象にしたハイクラス転職エージェントで、模擬面接は回数制限なく実施してもらえるため、面接対策を徹底したい方に向いています。

さらに年収アップやフルリモート・海外リモートを視野に入れるなら、自分らしく働けるエンジニア転職を目指すなら【strategy career】も選択肢に入ります。テックリードやDevOps、CTO候補などハイレベルなポジション事例が豊富です。

ITコンサル・上流工程へのキャリアチェンジなら

ITコンサルタントや上流ポジションへの転職を目指すなら、テックゲートエキスパート|20代・30代のITコンサル転職が向いています。20代・30代のITエンジニアを対象に、要件定義やPM・PMO、DX推進などコンサル寄りのポジションを中心に支援してくれます。

複数エージェントの使い分け

転職エージェントは1社に絞らず、2〜3社を並行して使うのが基本です。それぞれのエージェントが持っている求人が異なるため、選択肢を広げることで、より自分に合った企業に出会える確率が高まります。

また、エージェントによって得意な領域が異なります。ハイクラス転職に強いエージェント、スタートアップに強いエージェント、フリーランス案件に強いエージェントなど、自分の志向に合わせて使い分けることで、より効率的に転職活動を進められます。最初の面談で「どのような求人が多いですか?」「御社の強みは何ですか?」と確認しておくと、エージェントの特性を把握しやすくなります。

エージェントの使い分けについては、ITエンジニアが転職エージェントを使い分ける判断基準も参考にしてください。

Business professionals in a meeting discussing career opportunities.

まとめ

ここまで、ITエンジニアの転職失敗パターンと回避策を整理してきました。

・転職失敗の主なパターンは「情報収集不足」「年収だけで判断」「カルチャー不一致」「スキルミスマッチ」「焦って決断」の5つ
・情報収集不足が最も多く、入社前のリサーチ徹底が重要
・年収以外の「譲れない条件」を明確にし、複数の選択肢を比較検討する
・複数のエージェントを活用して選択肢を広げ、カジュアル面談で現場の雰囲気を確認する

転職は人生の大きな決断です。焦らず、十分な情報収集と冷静な判断を心がけてください。失敗パターンを知っておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。

まずは自分の「譲れない条件」を整理するところから始めてみてください。

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