ITエンジニアが転職エージェントを使い分ける判断基準:複数登録のメリットと効果的な活用法

キャリア,フリーランス,ワークライフバランス,時間管理,転職

お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!

「転職エージェントって、どこに登録すればいいの?」「複数登録したほうがいいって聞くけど、本当に意味あるの?」という疑問を持っているエンジニアは多いのではないでしょうか。

私自身、PjMとしてチームメンバーの転職相談に乗ることがありますが、エージェント選びで迷っている人ほど、転職活動が長引く傾向があります。逆に、複数のエージェントを戦略的に使い分けている人は、短期間で希望条件に近いオファーを獲得しています。

この記事では、ITエンジニアが転職エージェントを効果的に使い分けるための判断基準と、複数登録のメリット・デメリットを整理します。

なぜ転職エージェントの「使い分け」が重要なのか

転職エージェントを1社だけに絞ってしまうと、その会社が持っている求人の範囲内でしか選択肢がないという状況に陥ります。これは、スーパーで買い物をするときに1店舗しか見ないのと同じです。

エージェントごとに得意な領域が異なります。たとえば、大手総合型エージェントは求人数が多い反面、IT業界に特化した深い知識を持つアドバイザーが少ないことがあります。一方、IT特化型エージェントは業界知識が豊富ですが、求人数では大手に劣る場合があります。

私がPjMとして見てきた転職成功者の多くは、「総合型1〜2社+特化型1〜2社」という組み合わせで活動していました。これにより、求人の網羅性と専門性の両方を確保できます。

また、エージェントによって企業との関係性も異なります。同じ企業の求人でも、エージェントAでは書類選考で落ちたのに、エージェントBでは面接に進めたというケースは珍しくありません。これは、エージェントと企業の信頼関係や、推薦の仕方の違いによるものです。

転職活動の進め方については、エンジニアが転職面接で技術力と人柄を両方アピールする実践テクニックも参考にしてください。

転職活動を効率的に進めるためには、エッセンシャル思考のような書籍で基本的な考え方を押さえておくことも有効です。エージェントに頼りきりになるのではなく、自分自身でも市場を理解しておくことで、より良い判断ができるようになります。

Close-up of a handshake between two professionals in a modern office setting, emphasizing partnership and agreement.

転職エージェントの種類と選び方のフレームワーク

転職エージェントは大きく分けて「総合型」「IT特化型」「ハイクラス特化型」「フリーランス支援型」の4種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合わせて選ぶことが重要です。

総合型エージェント

リクルートエージェントやdodaなどが代表的です。求人数が圧倒的に多く、幅広い業界・職種をカバーしています。IT業界以外への転職も視野に入れている場合や、まずは市場全体を見渡したい場合に有効です。

IT特化型エージェント

レバテックキャリアやGeeklyなどが該当します。IT業界に精通したアドバイザーが多く、技術的な相談にも対応できます。エンジニアとしてのキャリアを深めたい場合に適しています。

ハイクラス特化型エージェント

年収600万円以上の求人を中心に扱うエージェントです。TechClipsエージェントなどが該当し、マネジメント経験者やスペシャリスト向けの求人が充実しています。

フリーランス支援型エージェント

正社員ではなくフリーランスとして働きたい場合に利用します。Midworksやレバテックフリーランスなどが代表的です。

以下のグラフは、転職エージェントの利用数と内定獲得率の関係を示しています。

3社程度を並行利用することで内定獲得率が最も高くなる傾向があります。ただし、4社以上になると管理コストが増え、かえって効率が下がることもあります。

選び方のフレームワークとしては、エンジニアのためのマネジメントキャリアパスのような書籍で紹介されている「キャリアの軸を明確にする」アプローチが参考になります。自分が何を重視するのか(年収、技術、ワークライフバランスなど)を整理してから、それに合ったエージェントを選ぶことで、ミスマッチを防げます。

エージェント選びの前に、自分の市場価値を把握しておくことも重要です。ミドル層エンジニアが転職で年収ダウンを回避する市場価値の伝え方では、市場価値の伝え方について詳しく解説しています。

転職エージェント利用数と内定獲得率の関係

複数エージェント活用の実践例:私のチームメンバーのケース

実際に私のチームで働いていた30代前半のバックエンドエンジニアが転職活動をしたときの話を紹介します。彼は「年収アップ」と「技術的にチャレンジできる環境」の両方を求めていました。

最初、彼は大手総合型エージェント1社だけに登録していました。しかし、紹介される求人は「SIerの保守運用案件」が多く、希望とのギャップを感じていました。担当アドバイザーもIT業界の知識が浅く、技術的な相談ができないことに不満を持っていました。

そこで私は、IT特化型エージェントを1社追加することを勧めました。結果、Web系自社開発企業の求人が増え、技術スタックの相談もできるようになりました。さらに、ハイクラス特化型エージェントも追加したところ、年収600万円以上の求人が一気に増えました。

最終的に彼は、IT特化型エージェント経由で紹介されたFinTech企業に転職し、年収は100万円アップ、技術的にもモダンな環境で働けるようになりました。

このケースから学べるのは、「最初から複数登録する必要はないが、1社で満足できない場合は追加を検討すべき」ということです。また、エージェントごとに得意分野が異なるため、自分の希望に合ったエージェントを選ぶことが重要です。

転職活動中の書類作成については、職務経歴書で差をつけるITエンジニアの転職準備も参考にしてください。

複数エージェントを活用する際は、転職と副業のかけ算のような書籍で全体像を把握しておくと、各エージェントの特徴を比較しやすくなります。

A man in a suit presenting a blank business card for corporate usage.

複数エージェント活用を成功させる3つのステップ

複数のエージェントを効果的に活用するためには、以下の3つのステップを意識してください。

ステップ1:自分の軸を明確にする

まず、転職で何を実現したいのかを整理します。「年収アップ」「技術的なチャレンジ」「ワークライフバランス」「マネジメント経験」など、優先順位をつけておくことで、エージェントへの相談がスムーズになります。

この軸が曖昧なままだと、エージェントから紹介される求人に振り回されてしまいます。逆に、軸が明確であれば、「この求人は自分の軸に合っていない」と判断できるようになります。

ステップ2:エージェントを役割分担させる

複数のエージェントを利用する場合、それぞれに異なる役割を持たせると効率的です。たとえば、総合型エージェントには「市場全体の情報収集」、IT特化型エージェントには「技術的な相談と求人紹介」、ハイクラス特化型エージェントには「年収交渉のサポート」といった具合です。

同じ求人を複数のエージェントから紹介されることもありますが、その場合はより信頼できるエージェント経由で応募するようにしましょう。企業側からすると、同じ候補者が複数のエージェントから推薦されるのは印象が良くありません。

ステップ3:定期的に振り返りを行う

転職活動中は、週に1回程度、各エージェントとのやり取りを振り返る時間を設けましょう。「このエージェントからは良い求人が来ているか」「担当者とのコミュニケーションは円滑か」「自分の希望が正しく伝わっているか」などを確認します。

もし特定のエージェントとの相性が悪いと感じたら、担当者の変更を依頼するか、そのエージェントの利用を控えることも選択肢です。

転職活動の全体設計については、40代エンジニアの転職成功戦略も参考になります。

習慣的に振り返りを行うためには、マネジャーの仕事100の基本のような時間管理の考え方を取り入れると効果的です。転職活動も「プロジェクト」として捉え、計画的に進めることで成功確率が上がります。

Top view of a diverse team collaborating in an office setting with laptops and tablets, promoting cooperation.

おすすめエージェント・サービス

ここでは、ITエンジニアにおすすめの転職エージェントを、状況別に紹介します。

年収600万円以上を目指すなら

ハイクラス求人に特化したエージェントがおすすめです。ITエンジニアのための転職エージェント【TechClipsエージェント】は、ITエンジニア専門で年収500万円以上の求人を中心に扱っており、技術力を正当に評価してくれる企業とのマッチングに強みがあります。

社内SEやワークライフバランス重視なら

事業会社の情報システム部門への転職を考えている場合は、社内SEを目指す方必見!IT・Webエンジニアの転職なら【社内SE転職ナビ】が適しています。社内SE専門のエージェントとして、残業が少なく安定した環境を求めるエンジニアに人気があります。

フリーランスも視野に入れているなら

正社員だけでなくフリーランスという選択肢も検討している場合は、フリーランスエンジニアに安心保障と豊富な案件紹介を【Midworks】がおすすめです。正社員並みの福利厚生を受けながらフリーランスとして働ける案件を紹介してくれます。

複数のエージェントを併用する際は、それぞれの強みを活かして使い分けることが重要です。フリーランスへの転向については、正社員からフリーランスへ独立するエンジニアの準備チェックリストも参考にしてください。

まとめ

転職エージェントを効果的に使い分けるためのポイントを整理します。

1社だけに絞らず、2〜3社を並行利用することで、求人の網羅性と専門性の両方を確保できます。ただし、4社以上になると管理コストが増えるため、自分が管理できる範囲に留めましょう。

エージェントの種類(総合型、IT特化型、ハイクラス特化型、フリーランス支援型)を理解し、自分の希望に合ったエージェントを選ぶことが重要です。

複数エージェントを活用する際は、自分の軸を明確にし、エージェントごとに役割分担させ、定期的に振り返りを行うことで、効率的な転職活動が可能になります。

転職は人生の大きな決断です。エージェントを上手に活用して、納得のいくキャリアを実現してください。

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