
CursorとObsidianで開発が変わる!PjMエンジニアが実践する爆速連携ワークフロー
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
都内の事業会社でPjMとして、チームの生産性とアウトプットの質をいかにして両立させるか、日々頭を悩ませている私です。エンジニアとして長年コードを書いてきた経験から、開発者の本当の「速さ」とは、単にタイピングの速度ではなく、思考から実装までのプロセスがいかにスムーズで、摩擦なく行われるかにかかっていると確信しています。
情報収集、設計、コーディング、ドキュメント化、そして学習…。これらの活動が分断され、コンテキストスイッチが頻繁に発生すると、私たちの貴重な集中力と時間はあっという間に失われていきます。
しかし、AIが私たちのパートナーとなった今、この長年の課題を解決する、新しい開発スタイルが生まれつつあります。その鍵を握るのが、AIコーディングエディタ「Cursor」と、ナレッジベースアプリ「Obsidian」の連携です。
今日は、私がPjM兼エンジニアとして日々実践し、その効果を肌で感じている、CursorとObsidianを組み合わせた「爆速連携ワークフロー」について、その具体的な手順と考え方を詳しくご紹介します。これは単なるツール紹介ではありません。あなたの「開発」そのものを、より速く、より質の高い、そしてより創造的な活動へと変革させるための、実践的なガイドです。
なぜ「開発が変わる」のか?CursorとObsidianの役割分担
まず、なぜこの二つのツールを組み合わせると、開発体験が根底から「変わる」のでしょうか。それは、開発における知的活動を、二つのツールに明確に役割分担させることに秘密があります。
思考と知識の「母艦」としてのObsidian
Obsidianの役割は、プロジェクトに関わるあらゆる情報を集約し、構造化し、新たな洞察を生み出すための思考と知識の「母艦」です。
- 情報の集積: プロジェクトの要件、仕様書、議事録、技術調査のメモ、ふとしたアイデアまで、すべてをObsidianに集約します。
- 知識のネットワーク化: 双方向リンク機能で、バラバラだった情報同士を有機的に結びつけ、あなただけの「第二の脳」を構築します。
- 思考の結晶化: Markdownで記述するプロセスを通じて、曖昧な思考を明確な言葉や構造へと「結晶化」させます。
Obsidianは、コーディングを始める前の、最も重要な「何を」「なぜ」「どう作るか」という思考プロセスを支える、強力な基盤となるのです。
思考を「実行」するAIパートナーとしてのCursor
一方、Cursorの役割は、Obsidianで結晶化された思考や計画を、AIの力を借りて具体的なコードやドキュメントへと変換する「実行部隊」です。
- AIによる実装支援: 明確な指示とコンテキストに基づき、コードの生成、リファクタリング、デバッグなどを高速に実行します。
- 文脈理解: プロジェクトのファイルや、Obsidianから提供されたドキュメントを理解し、より的確なサポートを提供します。
Obsidianという「司令塔」からの明確な指示に基づき、Cursorという「AI実行部隊」が動く。 この役割分担とスムーズな連携こそが、「開発が変わる」ほどの相乗効果を生み出すのです。
PjMエンジニアが実践!「爆速連携ワークフロー」の全貌
では、具体的にどのようなワークフローで、この「爆速連携」を実現するのか。私が日々実践している3つのフェーズに分けてご紹介します。
フェーズ1:【計画・設計】Obsidianで思考を結晶化させる
全ての開発は、質の高い計画と設計から始まります。
- 情報の集約と整理: まず、新しい機能開発に関する全ての情報をObsidianに集めます。Slackでのやり取り、顧客からの要望メール、会議のメモなど、断片的な情報を一つのノートにまとめ、自分の言葉で要点を整理します。
- 構造化とタスク分解: 次に、その情報を元に、機能の仕様をMarkdownで見出しやリストを使い、構造的に記述していきます。私がPjMとしてPHP/LaravelとVue3を使った機能を設計する際には、「APIエンドポイントの仕様」「データベースのスキーマ変更点」「VueコンポーネントのProps設計」「バリデーションルール」といった項目に分けて具体的に記述します。そして、それらをObsidianのTasksプラグインなどを使い、具体的な開発タスクに分解していきます。
- 思考の深化: Obsidianのリンク機能を使い、今回の機能が過去のどの機能と関連するのか、どの技術的負債に影響されるのかをメモしておきます。このプロセスが、実装段階での手戻りを防ぎ、より質の高い設計に繋がります。
フェーズ2:【実装・開発】CursorでAIと共に思考を形にする
明確な「設計図」がObsidianにできたら、いよいよCursorの出番です。
- 高品質なコンテキストの注入: Obsidianで作成した仕様書ノートの該当箇所を、CursorのAIチャットにコピー&ペーストするか、
@ファイル
機能で直接参照させます。「これから、この仕様に基づいて実装を開始します」とAIに宣言するのです。 - AIによる爆速実装: 明確なコンテキストを得たAIは、あなたの強力なパートナーとなります。「この仕様に基づいて、Laravelのマイグレーションファイルとモデルを作成して」「このAPI仕様に沿ったコントローラーの雛形を生成して」といった指示を出すことで、面倒なボイラープレートコードの作成は一瞬で完了します。
- 人間による本質的コーディング: エンジニアは、AIが生成した骨格を元に、最も重要で複雑なビジネスロジックの実装に集中します。途中で疑問が生じれば、コンテキストを理解しているAIに「この場合の最適なエラー処理は?」などと相談しながら、質の高いコードを書き上げていきます。
フェーズ3:【記録・学習】成果を知的資産に変える
開発が完了したら、その成果を再び「母艦」であるObsidianにフィードバックします。これが、未来の自分を助ける、最も重要なプロセスです。
- 知見のキャプチャー: Cursorでの開発中にAIが提示した優れたコードスニペット、解決に苦労したバグとその原因、あるいは重要な意思決定の経緯などを、Obsidianの関連ノートに記録します。
- 知識のリンクとアップデート: その記録を、元の仕様書ノートや、関連する技術ノートにリンクさせます。例えば、「APIのパフォーマンス改善」というノートに、今回の実装で学んだ新しい知識を追記します。
- 知的資産の完成: これにより、今回のプロジェクトで得られた学びは、その場限りの経験で終わることなく、いつでも検索・再利用可能な、あなたの貴重な「知的資産」へと変わるのです。
このワークフローがもたらす「爆速」以外の価値
この連携ワークフローは、単に開発が「速く」なるだけではありません。
PjM視点:プロジェクトの透明性と品質の向上
私がPjMとしてこのワークフローをチームに導入して感じる最大のメリットは、プロジェクトの透明性が劇的に向上することです。Obsidianに仕様、議事録、意思決定の経緯が全て記録され、それがGitのコミットを通じてコードとリンクされることで、「なぜこのコードはこうなっているのか」が誰の目にも明らかになります。これにより、コミュニケーションロスが減り、コードレビューの質も向上し、結果としてプロダクト全体の品質が高まります。
エンジニア視点:認知負荷の軽減と創造性への集中
エンジニアにとっては、「何をどこまで考えたか、覚えておかなければならない」という認知負荷から解放されることが大きな価値です。思考のプロセスはObsidianが記憶してくれているので、安心して目の前のコーディングに集中できます。これにより、より創造的で、より深いレベルの問題解決に取り組むための精神的な余白が生まれるのです。
「書く」ことで思考は深まる:ドキュメンテーションの習慣化
このワークフローは、自然な形で「ドキュメントを書きながら開発する」という良い習慣を促します。そして、Obsidianに思考を書き出すプロセスそのものが、自分自身の考えを整理し、深めることにも繋がります。
まとめ
「CursorとObsidianで開発が変わる」――。
それは、AIがコードを書くスピードが速いから、というだけの話ではありません。
Obsidianという「思考の母艦」で知識を構造化・結晶化させ、その明確な意図をCursorという「AI実行部隊」に伝えることで、思考と実装の間にあった深い溝を埋める。そして、その実行結果を再び母艦にフィードバックし、知的資産として蓄積していく。
この「思考→実行→学習」の好循環を、高速で回すことこそが、開発のあり方を根底から変え、私たちに「爆速」と呼ぶにふさわしい生産性をもたらしてくれるのです。
PjMとして、エンジニアとして、日々多くのタスクと情報に追われているあなたへ。この次世代ワークフローを取り入れて、開発の新しいステージへと、一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。きっと、仕事がもっと楽しく、もっと創造的になるはずです。