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結論から言うと、「コードを書くのが嫌になった」という感覚は、キャリアの転換点として前向きに捉えることができます。多くのエンジニアがこの壁にぶつかり、そこから新しい価値を発揮できるポジションへと移行しています。
先日、はてなブックマークで「プログラミングが好きな人は、もうIT業界に来るな。」という記事が話題になりました。刺激的なタイトルですが、その本質は「コードを書くことだけがエンジニアの価値ではない」というメッセージです。
本記事では、コーディングへの情熱が薄れてきたエンジニアが、次のキャリアパスを見極めるための判断フレームワークと、マネジメント・PdM・テックリードそれぞれへの転向準備について整理します。
「コードを書くのが嫌」の正体を分解する
「コードを書くのが嫌になった」という状態は、実はいくつかの異なる原因が混在していることが多いです。まずはその正体を分解することから始めましょう。
疲弊パターンの3分類
- 技術的停滞:同じような実装の繰り返しで成長実感がない。新しい技術に追いつくのが苦痛になっている
- 組織的フラストレーション:技術的に正しいと思う判断ができない。意思決定に関われないことへの不満
- 本質的な興味の変化:コードそのものより、プロダクトや組織の方向性に興味が移っている
この分類が重要なのは、それぞれで最適な次のステップが異なるからです。技術的停滞なら環境を変えれば解決する可能性がありますが、本質的な興味の変化なら別の職種への転向が適切かもしれません。疲弊の原因を正しく特定することが、適切な対処法を選ぶ第一歩です。詳しくはエンジニアの燃え尽き症候群から復活する方法の記事もご参照ください。
IT女子 アラ美3つのキャリアパス:マネジメント・PdM・テックリード


コーディングから距離を置くキャリアパスとして、主に3つの選択肢があります。それぞれの役割と求められるスキルを整理しましょう。
エンジニアリングマネージャー(EM)
- 主な責務:チームメンバーの成長支援、1on1、採用、評価、組織設計
- コードとの関係:基本的に書かない。技術判断はリードエンジニアに委譲
- 向いている人:人の成長に喜びを感じる、組織の仕組みづくりに興味がある
プロダクトマネージャー(PdM)
- 主な責務:プロダクトのビジョン策定、ロードマップ管理、ステークホルダー調整
- コードとの関係:書かない。ただし技術的な制約・トレードオフを理解している必要がある
- 向いている人:ユーザー課題の解決に興味がある、ビジネスと技術の橋渡しがしたい
テックリード(TL)
- 主な責務:技術的意思決定、アーキテクチャ設計、コードレビュー、技術的負債の管理
- コードとの関係:書く量は減るが、書かなくなるわけではない。品質の最後の砦
- 向いている人:技術的な方向性を決めたい、コードは嫌いじゃないが作業量を減らしたい
テックリードへの具体的な移行ステップについては、テックリードへのキャリアアップ戦略の記事で詳しく解説しています。



自己診断:どのパスが自分に合っているか
3つのパスのうち、どれが自分に合っているかを判断するためのフレームワークを紹介します。
5つの判断軸
- 人への関心 vs プロダクトへの関心:チームメンバーの成長に時間を使いたいか、プロダクトの方向性に時間を使いたいか
- 技術的深さの維持願望:最新技術のキャッチアップを続けたいか、それとも解放されたいか
- 意思決定のスコープ:チーム内の最適化に興味があるか、プロダクト全体・事業への影響に興味があるか
- コンフォートゾーン:エンジニアとの会話が心地よいか、ビジネス側との会話も楽しめるか
- 成果の定義:「良いコード・設計」に達成感を感じるか、「チームの成長」「プロダクトの成功」に達成感を感じるか
簡易診断チャート
- EM向き:人への関心が高く、技術的深さへの執着が薄い。1on1や採用面接にやりがいを感じる
- PdM向き:プロダクトへの関心が高く、ビジネス側とのコミュニケーションを楽しめる。ユーザーの声を聞くのが好き
- TL向き:技術的深さは維持したいが、コードを書く作業量は減らしたい。設計や方針決定に時間を使いたい
より精度の高い自己診断を行うには、エンジニアが転職活動を効率化するための自己分析フレームワークの記事で紹介した方法を応用するのもおすすめです。



実装後の効果検証(ケーススタディ)
ここでは、実際にコーディングからマネジメントへ転向した事例を紹介します。
状況(Before)
- プロフィール:32歳、バックエンドエンジニア歴7年、SaaS企業勤務
- 課題:PHPでの実装作業に飽きを感じ、朝起きるのが辛くなってきた。新しいフレームワークを学ぶモチベーションも低下
- チーム状況:5人チームのシニアエンジニアとして、実質的にリーダー的役割を担っていた
- 年収:650万円
行動(Action)
- 自己診断:5つの判断軸で分析した結果、「人への関心」が高く、後輩の成長に時間を使うことに喜びを感じていることに気づいた
- 社内での実験:上司に相談し、3ヶ月間「VPoE補佐」として採用面接・1on1・チームビルディングに注力するトライアルを実施。コーディング業務は他メンバーに委譲
- スキル習得:「エンジニアリングマネージャー」関連の書籍を5冊読破。コーチングの基礎研修を受講
- 転職活動:EM求人を中心に3社と面談。トライアル期間の経験を「EM候補としての実績」としてアピール
結果(After)
- 転職先:スタートアップ企業のエンジニアリングマネージャー(8人チーム)
- 年収:650万円 → 750万円(15%アップ)
- コーディング業務:月に1〜2日程度、緊急対応時のみ
- 満足度:「チームメンバーが成長して、自分より良いコードを書くようになった瞬間が一番嬉しい」と語る
ハマりポイント
最初の1ヶ月は「自分がコードを書かないと不安」という感覚があったが、意識的にコードレビューも減らし、メンバーに任せる練習をした。委譲の訓練がEM移行の最大のハードルだった。1on1の実践方法についてはエンジニアが社内で評価されるためのアピール戦略と1on1活用術の記事も参考になります。



各パスへの具体的な準備ステップ
それぞれのパスに進むための具体的な準備を整理します。
EMへの準備(3〜6ヶ月)
- 1on1の実践:今の環境でメンターとして1on1を始める。最低週1回、3ヶ月継続
- 採用への関与:面接官として参加し、人を見る目を養う
- 読書:『エンジニアリング組織論への招待』『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』を読む
- コーチング研修:社内外のコーチング研修を1つ受講
PdMへの準備(6〜12ヶ月)
- ユーザーインタビュー:カスタマーサクセスに同行し、ユーザーの声を直接聞く機会を作る
- ロードマップ策定への参加:現職のプロダクト会議に参加し、意思決定プロセスを観察
- ビジネス指標の理解:ARR、MRR、Churn Rate などの基本指標を学ぶ
- 読書:『INSPIRED』『プロダクトマネジメント大全』を読む
テックリードへの準備(1〜3ヶ月)
- 設計ドキュメント作成:チームのアーキテクチャ判断を文書化する習慣をつける
- コードレビューの質向上:単なる指摘ではなく、設計思想を伝えるレビューを心がける
- 技術的負債の可視化:チームの技術的負債リストを作成し、優先順位をつける
より広い視野でのキャリア設計については、上流工程へシフトしたいエンジニアのためのスキル習得とキャリア戦略の記事も参考になります。
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まとめ
コードを書くのが嫌になったという感覚は、キャリアの転換点として前向きに捉えることができます。
- まず原因を分解する:技術的停滞・組織的フラストレーション・本質的な興味の変化のどれなのかを見極める
- 3つのパスを理解する:EM・PdM・テックリードの違いを把握し、自分の志向と照らし合わせる
- 仮で試してみる:今の環境で3つのうちどれかを小さく始めて、フィット感を確認する
- 計画的に準備する:転向先に応じた準備ステップを3〜12ヶ月かけて進める
コーディングスキルは無駄になりません。どのパスに進んでも、「エンジニアの気持ちがわかるマネージャー」「技術的制約を理解しているPdM」「設計思想を言語化できるテックリード」として、独自の価値を発揮できます。














