お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「転職したいけど、何から始めればいいかわからない」「エージェントを使うべきか、自分で探すべきか迷っている」——エンジニアとして転職を考え始めたとき、こうした疑問を抱える方は多いのではないでしょうか。
実際に、複数回の転職を経験したエンジニアの中には、エージェントを活用することで年収を約150万円アップさせたケースがあります。しかし、最初の転職では右も左もわからず、非効率な活動に時間を費やしてしまったという例も少なくありません。
本記事では、エンジニアが転職活動を効率化するためのエージェント活用術と、自分の市場価値を正確に把握するための自己分析フレームワークを解説します。この記事を読むことで、転職活動における意思決定を効率化し、年収アップにつながるキャリアチェンジを実現するための具体的な行動指針が得られます。
転職活動における課題と前提の整理
エンジニアの転職活動には、一般的な転職とは異なる特有の課題があります。まず、この前提を整理することで、効率的な転職活動の土台を築きましょう。
エンジニア転職特有の3つの課題
- 技術スタックの多様性: 同じ「エンジニア」でも、使用する言語・フレームワーク・インフラによって市場価値が大きく異なります
- 情報の非対称性: 企業が求めるスキルセットと、自分のスキルの市場価値を正確に把握することが難しい
- 時間の制約: 現職で働きながらの転職活動では、効率的に情報収集・面接対策を進める必要があります
これらの課題を解決するために、エージェントを「情報収集ツール」として戦略的に活用することが重要です。エージェントは単なる求人紹介だけでなく、市場動向・年収相場・企業の内部情報を持っている貴重な情報源として活用できます。
在職中に転職活動を進める場合の時間捻出術については、在職中に転職活動を進めるエンジニアの時間捻出術と精神的負担を減らす3つの戦略で解説しています。
IT女子 アラ美自己分析フレームワークの全体像
転職活動を効率化するためには、まず自分自身の「市場価値」を正確に把握する必要があります。ここでは、エンジニア向けの自己分析フレームワークを紹介します。


STAR-Tフレームワーク
本記事で推奨するのは、従来のSTARメソッド(Situation, Task, Action, Result)に「T」(Transfer)を加えた「STAR-T」フレームワークです。
- Situation(状況): どのようなプロジェクト・チーム規模だったか
- Task(課題): 何を解決すべきだったか
- Action(行動): どのような技術・手法で解決したか
- Result(結果): 定量的な成果(パフォーマンス改善率、コスト削減額など)
- Transfer(転用性): その経験を次の職場でどう活かせるか
この「Transfer」の観点が重要です。面接で「御社でも同じように貢献できます」と言うだけでは説得力がありません。具体的にどのスキルがどの場面で活きるのかを言語化できると、面接通過率が大幅に向上します。
自分の市場価値をより詳細に診断したい場合は、エンジニアが自分の市場価値を正確に把握するためのセルフ診断フレームワークも参考にしてください。



ケーススタディ:エージェント3社併用で年収120万円アップを実現
ここでは、実際にエージェントを戦略的に活用して転職を成功させたケースを紹介します。
状況(Before)
- Aさん(32歳・バックエンドエンジニア): SIer系企業で5年間勤務。Java/Spring Bootを中心に開発
- 年収: 480万円(残業込み)
- 課題: モダンな技術スタック(Go, Kubernetes)を使いたいが、現職では機会がなく、市場価値が上がらないことに焦りを感じていた
- 転職活動の制約: 平日は21時まで残業が常態化し、転職活動に割ける時間は週5時間程度
行動(Action)
Aさんは以下の戦略を実行しました。各ステップで変更を加え、効率的な転職活動を設定しています。
- 複数エージェントへの登録を実行: 大手総合型1社 + IT特化型2社の計3社に登録し、それぞれの強みを活かす。登録時のプロフィールを変更し「年収550万円以上を希望」と明記。希望条件の設定でボーダーラインを引き上げた
- STAR-Tフレームワークで自己分析を実行: 直近3つのプロジェクトを整理し、「Java→Goへの移行経験はないが、設計思想やテスト駆動開発の知見は転用可能」と言語化。職務経歴書を変更し、「Spring Boot設計で培ったレイヤー分離の考え方はGoでも活かせる」というブリッジングストーリーを設定した
- エージェントからの情報収集を実行: 各社からヒアリングした「Go採用企業の年収相場」「未経験言語への転向事例」を比較し、交渉材料を準備。「Aエージェント曰く580万円、Bエージェント曰く620万円」といった具体的な数字を引き出し、交渉戦略を変更した
- 効率的なスケジュール管理を実行: 1次面接はオンライン中心に調整し、最終面接のみ有給を使用。カレンダーを設定し、平日夜のオンライン面接5件・最終面接2件を2ヶ月で完了
結果(After)
- 転職先: 自社開発のWeb系企業(従業員200名規模)
- 年収: 600万円(120万円アップ)
- 技術スタック: Go/Kubernetes/GCPを使用するマイクロサービス開発
- 活動期間: 2ヶ月(週5時間 × 8週間 = 約40時間の投資)
ハマりポイント
Aさんが最初につまずいたのは、「エージェントごとに異なる年収提示額」への対応でした。同じ企業でも、エージェントAからは550万円、エージェントBからは600万円の提示があり、混乱したとのこと。
これはエージェントの交渉力や企業との関係性によるものです。複数社から同じ企業の求人を紹介された場合は、提示額を比較し、高い方のエージェント経由で応募するのが効率的です。
SIer系企業からWeb系自社開発への転職戦略については、SESエンジニアが自社開発企業に転職するための実践ロードマップでさらに詳しく解説しています。



転職活動を効率化する5つのステップ
ここでは、読者がすぐに実践できる具体的なアクションを5つのステップに整理します。
ステップ1: 自己分析の実施(所要時間: 2時間)
STAR-Tフレームワークを使い、直近3つのプロジェクトを整理します。このとき、定量的な成果を必ず含めることがポイントです。
- 「レスポンス時間を200ms→50msに改善(75%削減)」
- 「月間バグ発生件数を10件→2件に削減」
- 「デプロイ頻度を月1回→週3回に向上」
ステップ2: エージェント3社への登録(所要時間: 30分)
以下の組み合わせで登録することで、情報の偏りを防げます。
- 大手総合型1社: 求人数が多く、幅広い選択肢を得られる
- IT特化型2社: エンジニアの市場価値を正確に評価してくれる
ステップ3: 市場価値のヒアリング(所要時間: 各社1時間)
登録後の面談では、以下の3点を必ず確認します。
- 自分のスキルセットでの年収相場(上限・下限・中央値)
- 現在の市場で求められているスキル(足りないスキル)
- 同様の経歴を持つ人の転職事例
ステップ4: 応募企業の選定と優先順位付け(所要時間: 1時間)
集めた情報をもとに、応募企業を以下の観点で絞り込みます。
- 技術スタック: 自分が身につけたい技術を使っているか
- 年収レンジ: 現職+50万円以上を目安に
- 働き方: リモート可否、残業時間の実態
ステップ5: 面接対策とオファー交渉(所要時間: 各社2時間)
面接では、STAR-Tフレームワークで整理した内容をベースに回答を準備します。特に「Transfer(転用性)」の部分を強調することで、「この人は入社後すぐに活躍できそうだ」という印象を与えられます。
企業選びや面接での回答設計については、エンジニアが「次の会社選び」で失敗しないための企業リサーチ・面接質問チェックリストも参考にしてください。



おすすめ転職エージェント比較
エンジニアが年収アップを目指す際に活用できる転職エージェントを比較しました。ハイクラス市場の動向やキャリア設計の考え方については、エンジニアからエンジニアリングマネージャーへ転身するための実践ロードマップもあわせてご確認ください。
さらなる年収アップやキャリアアップを目指すなら、ハイクラス向けの求人に特化した以下のサービスがおすすめです。
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|---|---|---|---|
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まとめ
エンジニアの転職活動を効率化するためには、エージェントを単なる求人紹介ではなく情報収集ツールとして戦略的に活用することが重要です。
本記事で紹介した内容を整理します。
- 自己分析にはSTAR-Tフレームワークを活用し、「転用性(Transfer)」まで言語化する
- エージェントは3社併用が基本。大手総合型1社 + IT特化型2社の組み合わせで情報の偏りを防ぐ
- 市場価値のヒアリングを必ず行い、年収相場・求められるスキル・転職事例を把握する
- 複数エージェントからの提示条件を比較し、有利な方を選んで応募する
転職活動は「時間をかければ成功する」ものではありません。限られた時間の中で、いかに効率的に情報を集め、正しい意思決定をするかが成否を分けます。
まずは今日から、STAR-Tフレームワークを使って直近のプロジェクトを1つ整理してみてください。それが、年収アップへの第一歩になります。













