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役職定年・早期退職を見据えたエンジニアのキャリア防衛戦略:50代で詰まないための40代からの準備

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お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!

先日、私の前職の先輩(52歳)から連絡がありました。「役職定年で年収が3割下がった。転職しようにも、この歳で転職経験ゼロだと書類すら通らない」という相談でした。

この話を聞いて、私自身も背筋が凍りました。IT業界にいると「技術さえあれば大丈夫」と思いがちですが、40代後半から50代にかけてのキャリアリスクは、技術力だけでは防げません。私自身もPjMとして複数のプロジェクトを経験してきましたが、技術力だけでなく「市場での見え方」を意識することの重要性を痛感しています。

この記事でわかること

  • 役職定年・早期退職がエンジニアに与える影響と現実
  • 40代から始めるべきキャリア防衛の5つのステップ
  • 転職経験ゼロでも市場価値を維持する具体的な方法

50代で「詰んだ」と感じる前に、40代のうちから準備を始めましょう。

【ケーススタディ】役職定年で年収激減した先輩の話

40代後半からの転職は準備なしでは厳しい現実があります。

状況(Before):大手SIerで順調にキャリアを積んできた52歳

私の先輩Aさん(仮名)は、新卒から大手SIerに勤続30年。課長職として年収900万円を維持していました。技術力もあり、社内では「頼れるベテラン」として評価されていました。Java/Springを中心としたバックエンド開発のスペシャリストで、金融系システムの大規模プロジェクトを複数成功させてきた実績があります。

しかし、55歳の役職定年を前に、会社から「53歳で課長職を外れ、専門職として年収630万円になる」と告げられました。約30%のダウンです。私がPjMとして関わったプロジェクトでも、Aさんのような経験豊富なエンジニアが突然の待遇変更に直面するケースを何度か見てきました。

行動(Action):転職サイト登録から3ヶ月間の具体的な活動内容

Aさんは初めて転職サイトに登録し、職務経歴書を作成することで転職活動を開始しました。3ヶ月間で以下の活動を行いました。

  • 1週目:転職サイト3社に登録(リクナビNEXT、doda、ビズリーチ)を採用し、職務経歴書を作成
  • 2〜3週目:転職エージェント2社と面談(リクルートエージェント、JACリクルートメント)を導入し、希望条件をすり合わせ
  • 1〜2ヶ月目:紹介された求人20社に応募し、書類選考の結果を待つ
  • 3ヶ月目:書類通過1社の面接を受けるも不採用、活動を一時中断

書類選考の通過率は約5%。面接では「なぜ今まで転職しなかったのか」「新しい技術への適応力は?」「直近で学んだ技術は?」と繰り返し聞かれました。提示年収は現職の630万円よりさらに低い500万円台が中心でした。

転職エージェントを採用したところ、「50代で転職経験ゼロは、企業側から見ると『変化への適応力が未知数』と判断される。技術力は申し分ないが、それを証明する社外実績がない。GitHubやQiitaなどのアウトプットがあれば状況は違った」と言われたそうです。

結果(After):社内に残る選択をしたが後悔が残る

結局、Aさんは転職を断念し、年収630万円で社内に残ることを選びました。しかし、「40代のうちに一度でも転職経験を積んでおけば、選択肢が違った」と後悔しています。現在は若手の育成担当として働いていますが、モチベーションの維持に苦労しているとのことです。

この事例から学べるのは、「転職するかどうか」ではなく「転職できる状態を維持しているかどうか」が重要だということです。チーム・ジャーニーを読むと、キャリアの節目でチームや組織とどう向き合うべきかが理解できます。ミドル層エンジニアが転職で年収ダウンを回避する市場価値の伝え方も参考にしてください。

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年代別転職成功率の現実

役職定年や早期退職を見据えたキャリア防衛を考える前に、まず年代別の転職市場の現実を把握しておきましょう。私がPjMとして採用面接に関わった経験からも、年代による書類通過率の差は明確に感じています。転職で年収アップを実現するエンジニアのスキル棚卸しと交渉術でも解説していますが、スキルの言語化が成否を分けます。

このグラフが示すように、40代を境に転職成功率は大きく下がります。しかし、これは「40代以降は転職できない」という意味ではありません。準備なしに転職市場に出ると厳しいという意味です。

40代・50代でも転職に成功しているエンジニアには共通点があります。

  • 30代〜40代前半で一度は転職経験がある
  • 社外でも通用するスキルを言語化できている
  • 業界内でのネットワークを持っている
  • 技術ブログやOSS活動など、社外から見える実績がある

逆に言えば、これらを40代のうちに準備しておけば、50代でも選択肢を持てるということです。エンジニアのためのマネジメントキャリアパスでは、マネジメント職とスペシャリスト職のキャリアパスについて体系的に解説されており、40代以降のキャリア設計に役立ちます。

年代別エンジニア転職成功率

40代から始めるキャリア防衛5つのステップ

役職定年や早期退職に備えるために、40代のうちから実践すべき5つのステップを紹介します。私自身もPjMとしてチームメンバーのキャリア相談を受ける中で、これらのステップの重要性を実感しています。エンジニアのバーンアウトを防ぐ働き方設計と合わせて、長期的なキャリア維持を考えましょう。

ステップ1:スキルの棚卸しと言語化

社内でしか通用しない「暗黙知」を、社外でも評価される「形式知」に変換します。具体的には、以下の観点で自分のスキルを整理します。

  • 技術スキル:言語・フレームワーク・クラウド・ツール
  • 業務スキル:要件定義・設計・PM・チームマネジメント
  • 業界知識:金融・製造・小売など、ドメイン知識
  • ソフトスキル:コミュニケーション・交渉・プレゼンテーション

特に重要なのは、「何ができるか」だけでなく「どのような成果を出したか」を数字で語れるようにすることです。「売上○%向上に貢献」「開発期間を○ヶ月短縮」など、具体的な実績を整理しておきましょう。

ステップ2:社外での評価を得る機会を作る

社内評価だけでは市場価値は分かりません。以下のような活動で、社外からのフィードバックを得ましょう。

  • 技術ブログの執筆やQiitaへの投稿
  • 勉強会やカンファレンスでの登壇
  • 副業・業務委託での実績作り
  • OSS活動やGitHubでのコード公開

ステップ3:転職エージェントとの定期的な面談

転職する気がなくても、年に1〜2回は転職エージェントと面談することをおすすめします。転職と副業のかけ算でも強調されていますが、市場価値の客観的な把握と、業界動向のキャッチアップに役立ちます。エージェントから「あなたのスキルセットだと、現在の市場では○○万円が相場」といったフィードバックを得ることで、自分の立ち位置を把握できます。

ステップ4:ネットワークの構築と維持

50代での転職は、リファラル(紹介)経由が成功率を大きく左右します。LinkedInや業界コミュニティでの繋がりを、40代のうちから意識的に広げておきましょう。私の経験では、40代以降の転職成功者の約6割がリファラル経由でした。

ステップ5:財務的なバッファを確保する

転職活動には時間がかかります。焦って条件の悪い転職をしないためにも、生活費1年分程度の貯蓄を確保しておくと、交渉力が上がります。住宅ローンや教育費など、固定費を把握した上で「最低限必要な年収」を明確にしておくことも重要です。

Confident senior woman with glasses working on a laptop in a modern office setting.

転職経験ゼロでも市場価値を維持する方法

「今さら転職経験を積むのは難しい」という方でも、市場価値を維持・向上させる方法はあります。私がPjMとして見てきた中で、転職経験がなくても市場価値を高めている人には共通点がありました。技術顧問・アドバイザーとして活躍するエンジニアのキャリアパスも、50代以降の選択肢として検討してみてください。

社内異動を「疑似転職」として活用する

同じ会社でも、部署や事業部を変えることで「新しい環境への適応力」を示せます。特に以下のような異動は、転職市場でもプラスに評価されます。

  • 開発部門からPM・PdM部門への異動
  • 国内事業から海外事業への異動
  • 既存事業から新規事業への異動
  • 本社から子会社・関連会社への出向

異動の際は、「なぜその異動を選んだのか」「異動先でどのような成果を出したか」を言語化しておくことが重要です。これは転職面接でも必ず聞かれるポイントです。

資格取得で客観的なスキル証明を得る

AWS認定、PMP、情報処理技術者試験など、業界で認知度の高い資格は、社外でも通用するスキルの証明になります。達人プログラマー(第2版): 熟達に向けたあなたの旅を参考に、自分のキャリアに合った技術領域を見極め、その分野の資格取得を目指しましょう。

特に40代以降は、以下の資格が市場価値向上に効果的です。

  • AWS Solutions Architect Professional / DevOps Engineer Professional
  • PMP(Project Management Professional)
  • 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
  • ITストラテジスト / システムアーキテクト

副業・業務委託で実績を作る

会社が副業を許可しているなら、週末や夜間に小規模な案件を受けてみましょう。実際に社外で仕事をした経験は、転職面接でも強力なアピールポイントになります。最初は時給換算で低くても、「社外で通用した」という実績が重要です。

Senior woman wearing glasses, reading documents at a desk indoors, showcasing professional focus.

おすすめエージェント・サービス

40代以降のキャリア防衛には、自分の状況に合ったエージェントを選ぶことが重要です。私がPjMとして転職相談を受けた際にも、エージェント選びで成否が分かれるケースを多く見てきました。PE-BANKとMidworksを比較:フリーランスエージェントの選び方も参考に、自分に合ったサービスを見つけましょう。

年収アップ・ハイクラス転職を目指すなら

現職で培った経験を活かして年収アップを狙うなら、自分らしく働けるエンジニア転職を目指すなら【strategy career】がおすすめです。テックリードやCTO候補など、ハイレベルなポジションの紹介に強く、海外リモート勤務を含む多様な選択肢を提案してくれます。40代以降でも年収800万円以上を目指せる求人が豊富です。

自社開発企業へのキャリアチェンジなら

SIerやSESから自社開発企業への転職を考えているなら、ITエンジニアのための転職エージェント【TechClipsエージェント】が適しています。現役エンジニアがキャリアカウンセリングを担当し、利用者の約9割以上が年収アップを実現しているという実績があります。技術力を活かしながら、より裁量のある環境で働きたい方に向いています。

中長期のキャリア設計を相談したいなら

「今すぐ転職」ではなく、3〜5年後を見据えたキャリア設計を相談したいなら、IT職種・業界に完全特化。キャリア相談品質に自信があります【IT転職エージェント@PRO人】がおすすめです。IT・Web業界に精通したアドバイザーが、中長期のキャリアプランを一緒に考えてくれます。役職定年を見据えた準備を始めたい40代前半の方に特におすすめです。

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まとめ

役職定年や早期退職は、多くのエンジニアにとって「いつか来る現実」です。しかし、40代のうちから準備を始めれば、50代でも選択肢を持ち続けることができます。

  • スキルの棚卸しと言語化を今日から始める
  • 社外での評価を得る機会を意識的に作る
  • 転職エージェントとの定期的な面談で市場価値を把握する
  • ネットワークと財務的なバッファを確保する

「転職するかどうか」ではなく、「転職できる状態を維持しているかどうか」が、50代以降のキャリアを左右します。今日からできる小さな一歩を踏み出しましょう。

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