
フリーランスエンジニアが常駐からリモート案件に移行するためのキャリア戦略
お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「常駐案件で消耗していて、そろそろリモート中心の働き方に切り替えたい……」
こうした悩みを持つフリーランスエンジニアの方は、ここ数年で一気に増えました。ただ、実際に相談を受けていると、
- どのスキルや実績があればリモート案件を選べるのか
- どのエージェントやサービスを使えば失敗しにくいのか
- 収入や稼働の安定性をどこまでキープできるのか
といったポイントが曖昧なまま、「なんとなくリモートに憧れている」状態で止まっているケースが少なくありません。
この記事では、常駐からリモート案件に移行するためのキャリア戦略として、
- 常駐フリーランスならではの悩みと限界
- リモート案件が増えている背景と注意点
- リモート移行のために積み上げるべきスキルと実績
- 高単価エージェントや案件検索サービスの賢い使い分け
- 具体的な移行ステップとスケジュール感
といった流れで、常駐からリモート案件へスムーズにシフトしていくためのキャリア戦略を整理していきます。
常駐フリーランスのよくある悩みと限界
常駐フリーランスとして現場に入っていると、次のような悩みをよく聞きます。
- 稼働時間や出社条件がクライアント都合で決まり、自分でコントロールしづらい
- プロジェクトが変わっても扱う技術スタックが似通っていて、成長実感が薄い
- 現場の人間関係や政治的な事情に振り回され、精神的に消耗しやすい
- 契約更新のたびに単価交渉や条件確認で神経をすり減らす
これらは「1つの客先に張り付き続ける」という働き方の構造的な制約であり、本人の努力だけでは解決が難しい部分でもあります。
一方で、常駐フリーランスの経験は、
- 大規模案件での開発フローや組織の動き方を理解している
- チーム開発やレビュー文化に慣れている
- ビジネスサイドとの折衝・調整に関わった経験がある
といった強みにつながることも多く、これらはリモート案件でも高く評価されやすい要素です。
まずは「常駐の何がつらいのか」と同時に、「常駐で積み上がったどんな経験をリモート案件に転用できるのか」を切り分けて整理しておくと、後のキャリア戦略が描きやすくなります。
この観点をより深く整理したい方には、過去にまとめた常駐フリーランスが抱えがちな働き方のリスクと対処法も参考になると思います。また、フリーランスとしての基礎を俯瞰したい場合は、フリーランス向けの入門書フリーランスの教科書 も役立ちます。

リモート案件が増えている背景と注意点
ここ数年で、フルリモートやハイブリッド勤務を前提とした案件は確実に増えています。背景には、
- SaaSプロダクトや自社サービスを提供する企業が増え、オンライン完結の開発体制が一般化した
- コロナ禍を経て、リモート開発の生産性やマネジメントノウハウが一定程度蓄積された
- 優秀なエンジニアを採用・確保するために、働き方の柔軟性を打ち出す企業が増えた
といった環境変化があります。
ただし、「リモート案件」とひとくちに言っても、
- 実態としてはほぼ常駐と変わらないコミュニケーション負荷の高い案件
- 時差の大きい海外チームとの連携が前提の案件
- ドキュメントや仕様が整理されておらず、属人化した環境でのキャッチアップが必要な案件
など、条件や難易度の幅はかなり広いのが実情です。
リモート案件に移行する際は、
- 時間帯・ミーティング頻度
- コミュニケーションツール(Slack / Teams など)の運用ルール
- ドキュメント整備やレビュー体制の有無
- 日本語・英語のコミュニケーション比率
といった点を事前に確認し、自分のライフスタイルや得意な働き方と合っているかを見極めることが重要です。
こうした観点でリモート案件を評価するチェックリストについては、リモート案件の事前確認ポイントまとめでも詳しく解説しています。あわせて、リモートワークの定着と生産性向上をテーマにした働き方の解説書転職と副業のかけ算 も読んでおくと、働き方の選択肢が整理しやすくなります。

リモート案件を獲得するためのスキル・実績づくり
常駐からリモートに移る際にネックになりがちなのが、「リモート環境でもきちんと成果を出せること」を相手にどう伝えるかです。具体的には、次のようなスキルや実績があると評価されやすくなります。
- 非同期コミュニケーションに慣れている(テキストベースで議論や仕様調整ができる)
- タスク管理ツール(Jira / GitHub Projects / Notion など)を使いこなしている
- PRベースの開発フローでレビューを通しながらコード品質を担保した経験がある
- 要件が曖昧な状態から、仕様の擦り合わせやプロトタイプ作成を自律的に進めた経験がある
こうした能力を示すには、
- GitHubの公開リポジトリや技術ブログで、コードと意思決定の背景をセットで残しておく
- 過去プロジェクトの「問題 → アプローチ → 結果」をポートフォリオとして整理しておく
- オンラインの勉強会やコミュニティ活動に参加し、リモート前提の協働経験を増やす
私のチームでも、常駐からリモートへの移行を目指すメンバーには、まず「1か月でGitHubのPR履歴を10本増やす」「技術ブログを3本書く」といった小さなチャレンジから始めてもらい、その内容をエージェントへの共有資料として使うようにしています。
リモート環境で評価されるアウトプット設計については、リモート案件向けポートフォリオの作り方も参考になるはずです。また、リモート前提の働き方やセルフマネジメントを体系的に学ぶには、フリーランス向けの入門書フリーランスの教科書 も役立ちます。

おすすめエージェント・サービスの比較と使い分け
ここからは、常駐からリモート案件へ移行したいフリーランスエンジニア向けに、おすすめのエージェント・サービスを比較しながら紹介します。
まず押さえておきたいのは、「どのサービスも万能ではない」という点です。案件単価・サポート内容・取り扱い案件の傾向が異なるため、
- 自分のキャリアフェーズ
- 生活防衛ライン(下げたくない年収や稼働日数)
- 今後3年くらいで目指したい働き方(常駐寄り / リモート寄り / 自社開発志向 など)
に応じて、複数サービスを組み合わせて使うのが現実的です。
ここでは特に、リモートや高単価案件と相性の良い3サービスを取り上げます。詳しい比較軸の作り方は、既存記事のフリーランスの働き方バランスの整え方や、フリーランス向けのキャリア本転職と副業のかけ算 も参考になります。
Midworks:保障と福利厚生を重視したい人向け
Midworksは、正社員並みの保障や福利厚生をフリーランスでも受けたい人に向いたサービスです。エンドに近い高単価案件を扱いながら、
- 稼働が落ちたときの報酬保障
- 書籍・勉強会費用の補助
- ハラスメント相談窓口
など、フリーランス特有の不安を埋めるサポートが手厚いのが特徴です。
常駐からリモート案件へ移行する過程では、一時的に稼働や単価が不安定になる可能性もあります。その期間を安心して乗り切りたい人は、Midworksのような保障重視のサービスを1つ持っておくと心理的なハードルが下がります。Midworksの詳細や案件傾向は、公式サイトフリーランスエンジニアに安心保障と豊富な案件紹介を【Midworks】から確認できます。
PE-BANK:長期稼働と安定収入をキープしたい人向け
PE-BANKは、フリーランスエンジニア支援の老舗として、長期稼働前提の案件や全国各地の案件を多く扱っています。
- 長く付き合える取引先や現場を紹介してもらいたい
- 地方在住だが首都圏の案件も含めて検討したい
- 常駐とリモートを組み合わせたハイブリッドな働き方も視野に入れている
といった人には相性の良い選択肢になります。まずはPE-BANKで現在の単価相場や案件傾向を把握し、徐々にリモート比率を上げていくような使い方も現実的です。PE-BANKの案件例は設立から四半世紀!フリーランスエンジニアの独立をサポート【PE−BANK】からチェックできます。
フリーランスボード:横断検索で選択肢を広げたい人向け
フリーランスボードは、30万件以上のITフリーランス案件を横断検索できるプラットフォームです。複数エージェントの案件をまとめて比較できるため、
- とにかくリモート案件の選択肢を広く把握したい
- 特定のエージェントだけに絞らず、条件の良い案件を見逃したくない
という人に向いています。市場全体の案件傾向や単価感を掴みたいフェーズでは、フリーランスボードで検索しつつ、気になった案件をMidworksやPE-BANKの担当者とすり合わせる、といった使い方もおすすめです。国内最大級のフリーランスエンジニア向け案件検索サイト【フリーランスボード】
このように、
- 「保障・福利厚生」を軸にMidworks
- 「長期稼働・エリアの広さ」を軸にPE-BANK
- 「選択肢の広さ・横断検索性」を軸にフリーランスボード
といった形で役割分担しておくと、自分の状況に合わせて使い分けやすくなります。

リモート移行に向けた具体的ステップ
最後に、常駐からリモート案件に移行するまでの流れをステップとして整理します。
- 現状の棚卸し
- スキルセット(言語・フレームワーク・クラウドなど)
- 担当フェーズ(要件定義 / 設計 / 実装 / テスト / 運用)
- 稼働条件(週何日 / 何時間 / 通勤許容距離)
- 目標とする働き方の明文化
- 「週4・フルリモート・自社開発に近い案件」など、言語化できるレベルまで具体化する
- 情報収集とポートフォリオ整備
- リモート案件向けのポートフォリオを用意し、GitHubやブログと紐付ける
- エージェントとの初回面談で「どんな案件なら受けるか・受けないか」をはっきり伝える
- 試し打ちフェーズ
- まずは1案件だけでも「週1〜2日リモート」など、リモート比率の高い案件にチャレンジして感触を確かめる
- 完全リモートへのシフト
- リモート案件での実績が溜まってきたら、常駐比率を下げつつ、フルリモート案件中心のポートフォリオに組み替えていく
私自身、チームメンバーのキャリア相談に乗るときは、いきなり完全リモートを目指すのではなく、
- 「半年〜1年かけて徐々にリモート比率を上げる」
- 「最初はハイブリッド案件でリモートの働き方に慣れる」
といった中長期のプランで考えることをおすすめしています。
こうしたステップ設計の具体例は、フリーランスエンジニアのキャリアロードマップでも紹介しているので、あわせて読んでみてください。また、税金や制度面が不安な場合は、フリーランス向けの税金入門書フリーランスの税金 で基本を押さえておくと安心です。

まとめ
常駐からリモート案件への移行は、勢いだけで飛び込むと「思っていたのと違う」となりやすいテーマです。
- 常駐フリーランスならではの悩みと、その裏側にある強みを正しく整理する
- リモート案件の増加背景や注意点を理解し、自分に合う条件を言語化する
- リモート環境で評価されるスキル・実績を意識的に積み上げる
- Midworks / PE-BANK / フリーランスボードといったサービスを、役割分担しながら組み合わせて活用する
- 半年〜1年単位のロードマップで、リモート比率を段階的に高めていく
といった観点を押さえておけば、リスクをコントロールしながら働き方をシフトしていけます。
「今の常駐案件がしんどいな」と感じている方は、まずは今日のうちに、
- 自分のスキルと稼働条件の棚卸し
- エージェントや案件検索サービスへの登録
の2つだけでも着手してみてください。小さな一歩でも、数か月後の選択肢の広さは大きく変わってきます。







