
Google I/O 2025の衝撃!基調講演の“8割がAI生成”だった件、PjMが裏側と未来を読み解く
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
都内の事業会社でPjMとして、最新テクノロジーがビジネスやコミュニケーションにどう活用できるか、常に模索している私です。エンジニアとして長年、PHP、Laravel、JavaScript(最近はVue3での開発が中心です!)といった技術に触れてきた経験から、開発者向けカンファレンス、特にGoogle I/Oは毎年欠かさずチェックしています。
今年も、世界中の開発者やIT業界関係者が注目するGoogle I/O 2025が開催されました。新しいAndroidのバージョン、Chromeの新機能、そしてAIに関する最新の発表…。毎年多くの期待が寄せられますが、今年の基調講演は、これまでの常識を覆す、ある意味で最も衝撃的な内容だったかもしれません。
衝撃の理由は、発表された個々の技術のすごさだけではありません。基調講演そのものが、GoogleのAI技術の壮大なデモンストレーションだったのです。
ニュースによれば、基調講演で使用されたビジュアルの48%、そして動画に至っては実に80%が、Googleの最新生成AIモデルである「Imagen 4」(画像生成)と「Veo 3」(動画生成)によって作成されたというのです。さらに驚くべきことに、Googleはその制作の裏側、つまりどのようなプロンプトライティング(AIへの指示文作成)の手法を用いたかまでをも公開しました。
このニュースは瞬く間にX(旧Twitter)で拡散され、「もはやSFの世界」「プレゼンの作り方が根本から変わる」「Googleの本気度が桁違いだ」といった驚きと興奮の声で溢れかえっています。
今日は、このGoogle I/O 2025が示した「AIがコンテンツを作る未来」について、PjM兼エンジニアとしての私の視点から、その技術的なすごさ、私たちの仕事への影響、そして今後の可能性について、詳しく考察していきたいと思います。
Google I/O 2025の衝撃:AIが創り上げた基調講演
今回のGoogle I/Oが過去のイベントと一線を画すのは、AIを「発表する」だけでなく、AIを「活用して発表を創り上げた」点にあります。これは、自社の技術に対する絶対的な自信の表れと言えるでしょう。
発表された新モデル「Veo 3」と「Imagen 4」の実力
基調講演を支えたとされる、二つの最新生成AIモデル。その実力は、基調講演のクオリティそのものが証明しています。
- Imagen 4(画像生成AI): キーノートで使われた多数のイラスト、図解、製品イメージ、背景ビジュアルなどを生成したとされています。その品質は非常に高く、Googleのデザイン哲学に沿った一貫性のあるビジュアルを、テキストプロンプトから高速に生成できる能力を持っていることを示唆しています。
- Veo 3(動画生成AI): 基調講演の動画の80%を生成したという事実は、まさに驚異的です。新機能のデモンストレーション映像、コンセプトを説明するための短いアニメーション、セッション間のトランジション映像などが、テキストや簡単な指示から高品質に生成されたと考えられます。これは、AIによる動画生成が、もはや実験的な段階を完全に超え、プロフェッショナルなプロダクションの現場で通用するレベルに到達したことを意味します。
「基調講演の80%がAI生成」という事実が持つ意味
この数字が持つ意味は非常に大きいです。これは、GoogleがAIコンテンツ生成を、単なる「技術デモ」としてではなく、大規模で、品質と納期が厳しく求められる、自社の最重要イベントの制作ワークフローに、実際に組み込んでいることを示しています。AIが、コンセプトレベルの支援だけでなく、実務における制作プロセスの大部分を担えることを、世界に向けて証明したのです。
Xで話題沸騰:「プロンプト手法の公開」がもたらした価値
Xで特に大きな反響を呼んだのが、Googleが単に成果物を見せるだけでなく、その制作プロセス、特に「プロンプトライティングの手法」を公開したことです。
「すごい映像を見せられても、どう作ればいいか分からなければ意味がない」。そんな開発者やクリエイターたちの思いに応えるように、Googleは自社のノウハウの一部を共有しました。これにより、多くの人々が「自分たちの仕事にも応用できるかもしれない」という具体的なイメージを持つことができ、これが大きな話題と期待に繋がっているのです。
AIコンテンツ制作の舞台裏:公開された「プロンプト術」から学ぶ
今回公開されたとされるプロンプト手法から、私たちが学べることは何でしょうか。(※以下は、公開されたであろう手法の具体的な内容についての、私の考察と推測です。)
テクニック1:ブランドの一貫性を保つ「スタイルプロンプト」
基調講演全体でビジュアルのトーン&マナーが統一されていたことから、おそらく「スタイルプロンプト」のようなものが活用されたのでしょう。これは、
- 「Googleのマテリアルデザインの原則に従い、フラットでクリーンなスタイルで」
- 「主要なカラーパレットは#4285F4, #34A853, #FBBC05, #EA4335とする」
- 「影は使わず、角は丸みを帯びさせること」
といった、ブランドやデザインの一貫性を担保するための共通の指示を、全てのプロンプトの基礎として組み込む手法です。これにより、AIが生成する多数のビジュアルに統一感を持たせることができます。
テクニック2:ストーリーボードから動画を生成する「シーケンシャルプロンプティング」
80%もの動画をAIで生成するためには、おそらく「シーケンシャルプロンプティング」のような手法が使われたはずです。
これは、動画全体を一度に生成するのではなく、
- シーン1: 「明るいオフィスで、エンジニアがノートPCに向かって笑顔でコーディングしている様子。クローズアップ。」
- シーン2: 「画面が切り替わり、コードのエディタ画面へ。AIによるコード補完がスムーズに行われている。」
- シーン3: 「再びエンジニアの顔。満足げに頷いている。背景にはGoogleのロゴ。」
といったように、動画を複数のシーンに分割し、それぞれのシーンを詳細なプロンプトで順番に生成させ、それらを繋ぎ合わせるというアプローチです。これにより、より複雑で、物語性のある動画の制作が可能になります。
テクニック3:データと連携した「インフォグラフィック生成」
基調講演で多用される成長率などのデータを示すグラフも、AIで生成された可能性があります。これは、「このスプレッドシートのB列のデータを元に、棒グラフを生成して。スタイルは当社のブランドガイドラインに合わせて」といったように、具体的なデータとプロンプトを連携させる手法です。これにより、データに基づいたインフォグラフィックを、正確かつ迅速に作成できます。
PjM/エンジニア視点:この“事件”が私たちの仕事を変える
このGoogle I/O 2025での出来事は、私たちPjMやエンジニアの仕事のあり方にも、大きな変革を迫ります。
PjMとして:プロジェクトの「伝える」コストと手法の再定義
PjMとして、私は常に「どうすればプロジェクトの価値や進捗を、ステークホルダーに効果的に伝えられるか」を考えています。今回の発表は、その手法が根底から変わる可能性を示唆しています。
- 報告資料の動画化: これまで長いテキストや複雑なスライドで報告していた内容を、「abacus」や「Veo 3」のようなツールを使って、分かりやすいショート動画にまとめて報告するのが当たり前になるかもしれません。
- マーケティングコンテンツ制作の高速化: 新機能のプロモーション動画や、SNS投稿用のビジュアルコンテンツなどを、AIの支援を受けてこれまで以上に迅速に、そして大量に制作できるようになります。
- コストとスケジュールの見直し: AIによるコンテンツ制作を前提とすることで、プロジェクトにおけるマーケティングやドキュメント作成のコストとスケジュールを、より効率的に計画できる可能性があります。
私がPjMとして関わる都内の事業会社でも、顧客向けの提案資料や、社内向けの研修資料などを、AIを活用してより魅力的で分かりやすいものに刷新していくという動きが、今後加速することは間違いないでしょう。
エンジニアとして:APIを活用したコンテンツ自動生成の可能性
エンジニアとしては、これらの強力な生成AIがAPIとして提供されることに、大きな可能性を感じます。
- アプリケーションへの組み込み: 私が開発に関わるPHP/LaravelベースのWebサービスに、ユーザーが入力した情報に基づいてパーソナライズされた製品紹介動画をVeo 3のAPIで自動生成する、といった機能を組み込むことができるかもしれません。
- 開発プロセスの効率化: 例えば、Vue3で作成した新しいUIコンポーネントの操作方法を、AIが自動で短い動画マニュアルとして生成してくれる、といった開発支援ツールの登場も期待できます。
- 「プロンプトエンジニアリング」という新たな専門性: AIの能力を最大限に引き出すための「プロンプトエンジニアリング」は、今後エンジニアにとっても重要なスキルセットの一つとなるでしょう。
未来への期待と、忘れてはならない人間の役割
AIによるコンテンツ生成が当たり前になる未来には、大きな期待と共に、私たちが忘れてはならない視点もあります。
創造性の民主化と、新たなクリエイターの登場
専門的なデザインスキルや映像編集技術がなくても、誰もが自分のアイデアを高品質なビジュアルコンテンツとして表現できるようになります。これにより、これまでにない新しい才能や、多様な視点を持つクリエイターが登場することが期待されます。
AI生成コンテンツの品質と信頼性の課題
一方で、AIが生成したコンテンツの品質管理は重要な課題です。AIは時に意図しない不自然な表現や、事実に基づかない情報を生成することもあります。最終的なアウトプットの品質に責任を持ち、ファクトチェックを行い、メッセージを磨き上げるのは、依然として人間の重要な役割です。
「何を伝えるか」という本質的な価値は人間に
AIは「どう表現するか」を劇的に効率化してくれますが、「何を、なぜ、誰に伝えるのか」という、コミュニケーションの最も本質的で戦略的な部分は、人間の深い洞察と創造性に委ねられています。 AIを使いこなす側の人間の「企画力」や「編集力」が、これまで以上に価値を持つ時代になるでしょう。
次世代のクリエイティビティ
私たちの子供たちの世代は、物心ついた頃から、AIが絵を描き、動画を作ることが当たり前の世界に生きていくことになります。彼らがこの強力なツールを使いこなし、どのような新しい創造性を見せてくれるのか、非常に楽しみであると同時に、情報の真偽を見抜くリテラシー教育の重要性を改めて感じます。
まとめ:AIと共にコンテンツを「創る」時代の幕開け
Google I/O 2025は、単なる新技術の発表会ではありませんでした。それは、Google自らが、AIを制作プロセスの根幹に据えることで、AIと人間が協働してコンテンツを創造する時代の本格的な幕開けを高らかに宣言した、歴史的なイベントだったと言えるでしょう。
「Veo 3」や「Imagen 4」といった強力な生成AI、そしてその能力を最大限に引き出す「プロンプトライティングの手法」。これらは、PjM、エンジニア、マーケター、クリエイターといった、情報発信に関わる全ての人々にとって、避けては通れない大きな変化の波です。
この波を恐れるのではなく、その力を理解し、乗りこなし、そして自らの創造性を拡張するためのパートナーとして迎え入れること。それこそが、これからの時代に求められる姿勢なのではないでしょうか。
私も早速、今日の会議のサマリーを、AIにプレゼン資料化させてみることから始めてみようと思います。皆さんの仕事も、もうすぐAIによって、大きく変わるかもしれません。