
若手エンジニアが知らない“手打ちHTML時代”の苦労話
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
現代のフロントエンド開発は、フレームワークやビルドツールが充実し、効率的にコーディングができるようになりました。しかし、かつてのWeb制作は 「手打ちHTML」 が当たり前であり、今では考えられないような苦労がありました。本記事では、そんな「手打ちHTML時代」の苦労を振り返りつつ、当時の技術が現在にどう活かされているのかを探っていきます。
手打ちHTML時代とは?
WYSIWYGエディタなんてなかった
現在では、VS CodeやWebStormといった 高機能なIDE があり、リアルタイムでプレビューできる環境も整っています。しかし、昔は メモ帳やシンプルなテキストエディタ でHTMLを手打ちするのが一般的でした。
一文字でもタグの閉じ忘れがあるとレイアウトが崩れるため、 HTMLタグを手作業で一つひとつ確認する 必要がありました。今のような「自動補完」や「構文チェック」などはなく、ミスを見つけるのも一苦労でした。
CSSがない時代、装飾はすべてHTML
CSSが普及する前のWebページのデザインは、 HTMLタグだけ で作成されていました。そのため、<table>
タグを使ってレイアウトを組むのが一般的で、 ネスト(入れ子)構造が深くなりすぎる こともしばしばありました。
また、文字の装飾には <font>
タグを使い、色やサイズを一つひとつ指定する必要がありました。今では CSSの一行で済む処理が、大量のタグを手打ち しなければならず、コードの可読性も悪くなっていました。
JavaScriptもなかった時代のインタラクション
現在のWebサイトでは、JavaScriptやフレームワークを使って動的なコンテンツを簡単に作成できます。しかし、当時は JavaScriptもほとんど使えず、動的な要素はほぼ皆無 でした。
例えば、マウスオーバー時に画像を切り替える処理も、 HTMLのonmouseover
属性に直接JavaScriptを書き込む など、非常に面倒な作業でした。Ajaxのような非同期通信もなく、ページ遷移のたびに画面がフルリロードされるのが当たり前だったのです。
かつてのWeb開発の苦労話
コードをミスなく書くことが至上命題
現在は エラーチェックやコードフォーマッターが充実 していますが、当時は エディタがただのテキスト入力ツール だったため、コードの整形やエラー修正もすべて手作業でした。
特に、<table>
タグでレイアウトを組む場合、 カラム数が一致しないとデザインが崩れる ため、一つでも<td>
を間違えると 何時間もデバッグ する羽目になりました。
バックアップの重要性を痛感
今ではGitを使って簡単にバージョン管理できますが、当時は 手動でファイルをコピーしてバックアップを取る のが一般的でした。間違えてファイルを上書きしてしまうと 復元が不可能 になり、一から作り直しになることもありました。
また、 サーバー上で直接ファイルを編集する ことも多く、誤って削除すると 一瞬でサイトが消滅する という恐怖が常に付きまとっていました。
回線が遅く、画像の最適化が必須
現在のインターネットは高速で、大容量のデータを扱うことも容易ですが、当時は ダイヤルアップ回線やISDN など、非常に通信速度が遅い時代でした。そのため、 画像ファイルのサイズを極限まで削減する のが常識でした。
特に Webサイトの読み込み速度が遅いと、ユーザーが離脱 してしまうため、 GIFやJPEGの画質をギリギリまで落とし、最適化ツールで圧縮する など、職人技のようなテクニックが求められていました。
現代のエンジニアが学べること
シンプルなコードの重要性
手打ちHTMLの時代を経験したエンジニアは、 シンプルなコードの価値を理解 しています。過去のように 不要なコードを極力省く習慣 を持つことで、 メンテナンスしやすいコードを書く能力 が身につきます。
基本を理解していると応用が効く
現在はフレームワークやライブラリが発達していますが、それらは HTML・CSS・JavaScriptの基本の上に成り立っています。手打ちHTMLを経験した世代は、 フレームワークに依存せず、基本技術だけで問題を解決 できる強みがあります。
技術の進化に柔軟に対応する姿勢
過去には HTMLのみでサイトを作っていた時代 から、 現在のReactやVue.jsの時代 へと大きく変化してきました。このような技術の変遷を見てきたエンジニアは、 新しい技術に柔軟に対応する姿勢 を持つことができます。
まとめ
手打ちHTMLの時代は、現在のエンジニアにとっては想像しがたいほど不便でした。しかし、その時代を経験したエンジニアだからこそ得られた シンプルなコード設計の重要性 や 基本技術の大切さ は、今でも活かされています。
若手エンジニアにとっても、 過去の技術の苦労を知ることは、自分のスキルを高めるヒント になるかもしれません。現代の開発環境の便利さを活かしつつ、基本を押さえたエンジニアリングを心がけることで、より強固なスキルを身につけることができるでしょう。