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「MCPサーバーを自作したけれど、チームで共有しようとしたら設計が破綻した」「プラグインの粒度をどう決めればいいかわからない」。MCPの普及が進む中で、こうした設計面の壁にぶつかるエンジニアが増えています。本記事では、Anthropicが公開したFinancial Services Pluginsのアーキテクチャを手本に、実践的なプラグイン設計パターンを解説します。
MCPプラグイン開発の現状と課題



Model Context Protocol(MCP)はAIエージェントと外部ツールを接続する標準規格として急速に普及しています。Claude CodeやCursor、GitHub CopilotなどのAIコーディングツールがMCPに対応し、開発者が独自のMCPサーバーを構築する事例も増えました。
しかし、MCPサーバーを「個人の便利ツール」から「チームで共有できるプラグイン」に昇格させようとした途端、設計上の壁にぶつかるケースが多いです。どのような粒度でプラグインを分割すべきか、スキルファイルとコマンドファイルをどう整理すべきか、外部データソースとの接続をどう管理すべきか。これらの問いに対する標準的な回答は、MCP仕様そのものには含まれていません。
そうした中でAnthropicが公開したFinancial Services Pluginsは、GitHub Stars 3,300超を短期間で獲得し、MCPプラグイン設計のリファレンス実装として注目を集めています。投資銀行、株式リサーチ、プライベートエクイティ、ウェルスマネジメントという4つの金融業務をカバーしつつ、41のスキル、38のコマンド、11のMCPコネクタを整理された構成でまとめています。なお、MCPサーバーの基本的な自作方法についてはMCPサーバー自作入門:Model Context Protocolでエディタと外部ツールを連携させる実装ガイドで詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
本記事ではこのリポジトリを教材として、MCPプラグイン設計における具体的なパターンとアンチパターンを整理し、読者が自身のドメインで再現できる状態を目指します。



ケーススタディ:失敗するMCPプラグイン設計の3つのアンチパターン



Financial Services Pluginsの設計を理解する前に、多くの開発者が陥るアンチパターンを整理しておきましょう。PjMとして複数のAI導入プロジェクトに関わってきた経験から、特に致命的な3パターンを紹介します。
事例:佐藤さん(29歳・バックエンドエンジニア・経験4年)のケース
佐藤さんはFintech系スタートアップで社内のClaude Code導入を推進していました。MCPサーバーの構築経験を活かし、金融データの取得から分析レポート生成までを自動化するプラグインの開発に着手しました。しかし、3か月後にはメンテナンス不能な状態に陥りました。
状況(Before)
- 1つのプラグインに決算データ取得・財務分析・レポート出力・アラート通知の全機能を詰め込んでいた
- スキルファイルが15個、コマンドファイルが20個以上になり、どれがどの機能に対応するか把握できなくなっていた
- 外部APIとの接続設定がスキルファイルの中にハードコードされており、APIキーの更新に毎回5ファイル以上の修正が必要だった
行動(Action)
佐藤さんは問題を3つのアンチパターンとして分類し、それぞれに対処しました。
アンチパターン1:モノリシックプラグイン設計。 すべての機能を1つのプラグインに押し込むと、変更の影響範囲が読めなくなります。佐藤さんの場合、レポートのフォーマット変更がアラート通知のスキルにまで影響していました。
アンチパターン2:スキルとコマンドの境界が曖昧。 MCPプラグインにおけるスキルは「AIが文脈に応じて自動で参照するナレッジ」であり、コマンドは「ユーザーが明示的に呼び出すアクション」です。この区別を怠ると、本来ユーザーの承認が必要な処理をAIが勝手に実行する事故につながります。実際に佐藤さんのチームでは、下書きレポートが自動送信される事故が発生しました。
アンチパターン3:コネクタの散在。 外部APIとの接続情報がスキルファイルやコマンドファイルに直接埋め込まれていると、APIエンドポイントやキーの変更時に全ファイルをgrepして修正する作業が発生します。佐藤さんのケースでは、API更新のたびに平均3時間の修正作業が発生していました。
この3つのアンチパターンは、実はLangChainを使わないLLMアプリ開発における代替アーキテクチャ選定でも指摘されている設計上の課題と本質的に同じ構造を持っています。
結果(After)
- プラグインを「コアデータ取得」「分析」「レポート出力」の3つに分割した結果、変更の影響範囲が平均70%縮小した
- スキルとコマンドを明確に分離し、自動実行の事故がゼロになった
- コネクタ設定を1ファイルに集約した結果、API更新の修正作業が3時間から15分に短縮された
振り返り・教訓
佐藤さんは「最初から分割設計を知っていれば、3か月間の試行錯誤を1週間で終わらせられた」と振り返っています。特にコネクタの一元管理は、最初の設計段階で決めておくべきだったとのことです。



Anthropic Financial Services Pluginsの設計パターン
前述のアンチパターンに対する「正解」を、Anthropicの公式リポジトリが具体的に示しています。ここではFinancial Services Pluginsが採用する3つの設計パターンを解剖します。
パターン1:コアプラグイン+アドオンのモジュラー構成
Financial Services Pluginsは、1つの巨大プラグインではなく、5つの独立したプラグインで構成されています。
- financial-analysis(コア): 共有のモデリングツールと全データコネクタを提供する土台
- investment-banking(アドオン): CIM草案、バイヤーリスト、M&Aモデル
- equity-research(アドオン): 決算アップデート、投資テーゼ管理、カタリスト追跡
- private-equity(アドオン): DD チェックリスト、IC メモ、ポートフォリオKPI
- wealth-management(アドオン): クライアント面談準備、ポートフォリオリバランス
コアプラグインを最初にインストールし、必要なアドオンを追加する構成により、ユーザーは自分の業務に必要な機能だけを選択的に導入できます。アドオン間に依存関係がないため、investment-bankingの更新がequity-researchに影響することはありません。
パターン2:スキル(自動)とコマンド(明示)の分離
各プラグインのディレクトリ構造は統一されています。
- skills/: ドメインの専門知識、ベストプラクティス、ワークフローの手順。Claudeが文脈に応じて自動で参照する
- commands/:
/comps(類似企業分析)、/dcf(DCFモデル)、/earnings(決算レポート)など、ユーザーが明示的に呼び出すアクション
この分離により、「DCFモデルの計算方法」という知識(スキル)はAIがいつでも参照できますが、「DCFモデルを実際にExcelファイルとして出力する」というアクション(コマンド)はユーザーが/dcfを叩かない限り実行されません。このように、Claude Code Antigravity Awesome Skillsの設計思想にも通じるスキルの自律性とコマンドの明示性を両立させているのが特徴です。
パターン3:コネクタの一元管理とMCP統合
11のMCPコネクタ(Daloopa、Morningstar、S&P Global、FactSet、Moody’s、MT Newswires、Aiera、LSEG、PitchBook、Chronograph、Egnyte)はすべてfinancial-analysisコアプラグイン内の.mcp.jsonに集約されています。アドオンプラグインは自前のコネクタを持たず、コアのコネクタを共有します。
この設計により得られるメリットは明確です。
- APIエンドポイントやキーの変更が1ファイルの修正で完結する
- 新しいデータプロバイダの追加がアドオンプラグインの修正なしに反映される
- コネクタの認証情報が散在しないためセキュリティリスクが低減される
さらに注目すべきは、プラグイン全体がファイルベース(MarkdownとJSON)で構成されており、コードの実行環境やビルドステップが一切不要という点です。これにより、エンジニア以外のドメインエキスパートでもスキルファイルの編集に参加できます。



自作MCPプラグインの設計・開発ステップ
Financial Services Pluginsの設計パターンを自分のドメインに応用するための、具体的な行動ステップを4段階で整理します。
Step 1:ドメイン分析とプラグイン範囲の定義(1〜2日)
最初に取り組むべきは、対象ドメインのワークフローを書き出し、プラグインの境界を定義することです。Financial Services Pluginsが「金融分析(コア)」「投資銀行」「株式リサーチ」「PE」「ウェルスマネジメント」と分割したように、自分のドメインでも「共通基盤」と「業務特化」の2層に分けます。
- 対象業務のワークフローを5〜10ステップで書き出す
- 各ステップで必要な外部データソースをリストアップする
- 複数のワークフローに共通するステップを「コアプラグイン」候補として抽出する
- 業務固有のステップを「アドオンプラグイン」候補としてグルーピングする
Step 2:スキル・コマンド・コネクタの設計(2〜3日)
各プラグインの中身をスキル・コマンド・コネクタの3層に分けます。判断基準は以下の通りです。
- スキルにすべきもの: ドメインの知識、ベストプラクティス、判断基準。AIが自動で参照して回答品質を上げるための情報
- コマンドにすべきもの: ファイル生成、外部APIへのデータ送信、通知送信など、副作用を伴うアクション。ユーザーの明示的な意図が必要な処理
- コネクタにすべきもの: 外部データソースとの接続設定。コアプラグインの
.mcp.jsonに集約する
Step 3:ファイルベース構成での実装(3〜5日)
Financial Services Pluginsと同じディレクトリ構造を自作プラグインにも適用します。
.claude-plugin/plugin.json: プラグインのマニフェスト(名前、説明、依存関係).mcp.json: コネクタの接続先URL一覧(コアプラグインのみ)skills/: Markdownファイル。トリガー条件とワークフロー手順を記述commands/: Markdownファイル。スラッシュコマンドの定義と実行手順を記述
すべてMarkdownとJSONで構成するため、ビルドツールやランタイムは不要です。Git管理との相性も良く、PRベースでチームメンバーがスキルファイルをレビュー・改善できます。
Step 4:テストとフィードバックループ(継続的)
プラグインをClaude CoworkまたはClaude Codeにインストールし、実際の業務シナリオでテストします。スキルが意図したタイミングで発火するか、コマンドが期待通りの出力を返すか、コネクタが正しくデータを取得できるかを検証します。
なお、MCPプラグイン開発のようなAI×ドメイン特化のスキルセットは、技術顧問・社外CTOとして活躍するための専門領域としても需要が高まっています。自社の業務改善だけでなく、設計パターンの知見を横展開することでキャリアの幅も広がるでしょう。
AI技術をさらに体系的に学びたいなら、自分の目的に合ったスクールやサービスを比較検討してみてください。



よくある質問
Q. Financial Services Pluginsは無料で使えますか?
リポジトリ自体はApache License 2.0で公開されており、コードの利用は無料です。ただし、各MCPコネクタ(Morningstar、S&P Global、FactSetなど)の利用にはデータプロバイダとの契約やAPIキーが別途必要になる場合があります。
Q. Claude Code以外のAIツールでもこのプラグイン設計パターンは使えますか?
ファイルベース(MarkdownとJSON)の構成は汎用的であり、MCP対応ツールであればほぼそのまま適用できます。スキルファイルの自動参照やコマンドの呼び出しはツール側の実装に依存しますが、設計思想自体はツールに依存しません。
Q. 金融以外のドメイン(例:医療、製造業)にも応用できますか?
コアプラグイン+アドオンのモジュラー構成、スキルとコマンドの分離、コネクタの一元管理という3つのパターンはドメインに依存しない設計原則です。金融固有の部分はスキルファイルの中身とコネクタ先だけなので、自分のドメインの知識とデータソースに置き換えれば応用できます。
Q. プラグイン開発にプログラミングスキルは必要ですか?
Financial Services PluginsはすべてマークダウンとJSON で構成されており、コードの実行環境やビルドステップは不要です。ドメインの専門知識さえあれば、スキルファイルの作成や編集に参加できます。ただし、MCPコネクタのカスタマイズにはAPIの基本知識があると望ましいです。
MCPプラグイン開発やAI技術のリスキリングに興味があるなら、何を重視して学習環境を選ぶかが重要です。
本記事で解説したようなAI技術を、基礎から体系的に身につけたい方は、以下のスクールも検討してみてください。
| 比較項目 | Winスクール | Aidemy Premium |
|---|---|---|
| 目的・ゴール | 資格取得・スキルアップ初心者〜社会人向け | エンジニア転身・E資格Python/AI開発 |
| 難易度 | 個人レッスン形式 | コード記述あり |
| 補助金・給付金 | 教育訓練給付金対象 | 教育訓練給付金対象 |
| おすすめ度 | 幅広くITスキルを学ぶなら | AIエンジニアになるなら |
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まとめ
Anthropic Financial Services Pluginsは、MCPプラグイン設計における3つの重要パターンを実践的に示しています。
- コア+アドオンのモジュラー構成により、変更の影響範囲を限定し、ユーザーが必要な機能だけを選択的に導入できる
- スキル(自動)とコマンド(明示)の分離により、AIの自律性と人間の統制を両立させる
- コネクタの一元管理により、外部データソースの追加・変更を1ファイルで完結させる
これらのパターンは金融に限らず、あらゆるドメインのMCPプラグイン開発に応用できる普遍的な設計原則です。まずは自分の業務ワークフローを書き出し、コアとアドオンの境界を定義するところから始めてみてください。












