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『技術力はあるのに年収が低い』エンジニアが陥る罠と、評価される環境への転職ルート

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お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!

「設計も実装も一人で完結できるし、若手の指導もしている。でも年収は500万円で頭打ち…」
先日、私のチームの採用面接に来た32歳のエンジニアAさんは、そんな悩みを抱えていました。彼はSIer歴10年、JavaとSpringのスペシャリストで、技術力は申し分ありません。しかし、提示された年収は彼の市場価値に見合わないものでした。

一方、私が知っているWebベンチャーの26歳エンジニアは、経験4年で年収600万円を超えています。この「技術力と年収のねじれ」は、個人の努力不足ではなく、「どこで働くか」という環境の構造的要因によって生まれています。

本記事では、多くの実力派エンジニアが陥っている「技術力があるのに稼げない罠」の正体を暴き、そのスキルを正当に評価してくれる環境へ脱出するための「転職ルート」を具体的にお伝えします。

『高い技術力』≠『高い市場価値』という残酷な現実

まず直視すべきなのは、SIer業界において「技術力の高さ」は必ずしも「高い売上(=給与)」に直結しないという現実です。

Aさんのケースで考えてみましょう。彼は高度なアーキテクチャ設計ができ、難解なバグも即座に解決できます。プロジェクトが炎上した際には、彼の火消し能力が会社を救ってきました。しかし、彼が所属する会社のビジネスモデルが「人月単価 × 時間」である限り、彼の技術力がどれだけ高くても、顧客に請求できる金額は「1人月分」の上限(例えば80〜100万円)に縛られます。つまり、生産性を2倍にしても、売上が2倍になるわけではないのです。会社としては、優秀な彼を一つの現場に長く留めておくよりも、新人3人をセットにして単価を稼ぐ方が利益が出る場合すらあります。

ケーススタディ:32歳エンジニアの市場価値ギャップ

Before

当時はSIer歴10年、Java/Springのエキスパート。基本設計から結合テストまで一人で完結できるフルスタックな能力を持つが、年収は500万円止まり。昇給は年数千円程度で、残業代で生活費を補填しているという状態だった。

Action

自身の市場価値に疑問を持ち、市場価値診断を受ける。「技術力をビジネス貢献(売上向上・コスト削減)に変える」という視点が必要だと気づく。Web系自社開発企業の選考に向けて、GitHubにポートフォリオを追加し、職務経歴書を「プロジェクトの課題解決実績」中心に最適化したことで、書類通過率が劇的に向上した。

After

結果、急成長中のSaaS企業へテックリード候補として転職成功。基本給ベースで年収620万円(+120万円)を実現。さらにストックオプションも付与され、将来的な資産形成の道も開けた。

この事例が示すように、「技術力はあるのに年収が低い」根本原因は環境にあります。なぜ「中級エンジニア」の市場価値は上がらないのか?年収の壁を突破する3つの生存戦略でも解説しましたが、自分のスキルを「時間売り」する環境にいる限り、スキルアップと年収アップは比例しません。

一方で、Web系自社開発や外資系テック企業では、エンジニアの成果は「プロダクトの価値向上」や「ビジネスインパクト」で評価されます。ここでは、技術力によって開発スピードが2倍になれば、機能リリースが早まり、ユーザー数が増え、それが直接的な利益として還元されます。そのため、年収の上限も遥かに高くなります。転職と副業のかけ算にあるように、「自分の人的資本をどこに投資するか」がキャリアの成否を分けるのです。
Man showing stress and frustration while working remotely on a laptop indoors.

『稼げないエンジニア』を縛り付ける3つの罠

では、なぜ多くの優秀なエンジニアがこの構造から抜け出せないのでしょうか?そこには、SIer業界特有の「3つの罠」が存在します。これらの罠は、真面目に働けば働くほど深く嵌まり込んでしまう性質を持っています。

Trap 1:多重下請け構造による中間搾取

最大の罠は、商流の深さです。2次請け、3次請けと商流が下がるたびに、マージンが抜かれていきます。例えば、発注元が1人月150万円払っていても、2次請け企業に届く頃には100万円、3次請けのエンジニアの手元には50万円…といった具合です。この構造下では、どんなに高品質なコードを書いても、あなたの手元に残る金額は最初から「上限」が決まっています。SES契約から直接契約へ移行するエンジニアの交渉術でも触れましたが、商流を上げない限り、年収アップの原資そのものが確保できません。あなたの給与を決めているのは「あなたのスキル」ではなく「会社の商流」なのです。

Trap 2:レガシー技術へのロックイン

「社内フレームワーク」や「枯れた技術(COBOLや古いJava、Strutsなど)」に特化してしまうことも危険です。これらの知識は、その会社や特定の業界でしか通用しません。社内では「神」として崇められるかもしれませんが、一歩外に出れば「レガシー技術しか知らない人」という扱いを受けます。転職市場では「モダンなWeb開発経験(React, TypeScript, AWS, Goなど)」が高く評価されるため、レガシー技術に精通すればするほど、市場価値の高いポジションへの転職が難しくなる「スキルロックイン」の状態に陥ります。気づいた時には、他の会社では通用しない人材になっている…これが最も恐ろしいリスクです。

Trap 3:『会社への忠誠心』という呪縛

「新卒から育ててもらった恩がある」「今のプロジェクトの仲間を見捨てられない」「自分が抜けたら現場が回らない」。責任感の強いエンジニアほど、この心理的トラップにかかります。しかし、残酷なことを言えば、会社はあなたの人生の責任までは負ってくれません。プロジェクトが縮小すれば容赦なく異動を命じますし、業績が悪化すれば給与カットもあり得ます。転職と副業のかけ算にもある通り、自分のキャリアを守れるのは自分だけです。「会社への義理」で自分の市場価値を犠牲にしてはいけません。

以下のグラフは、企業タイプごとのエンジニア年収推移モデルです。SIer(2次請け)では40代で600万円前後の壁にぶつかりますが、Webベンチャーや外資系などの「技術を投資とみなす企業」では、30代以降も大きく年収を伸ばせることが分かります。40歳時点での年収差は200万円〜400万円にも広がり、生涯年収では数千万円の差がつきます。

企業タイプ別・エンジニア年収推移モデル

正当に評価される環境への『転職ルート』

年収の壁を突破するには、戦うフィールドを変えるしかありません。技術力が正当に評価される主なルートは以下の3つです。それぞれの特徴を理解し、自分の適性に合ったフィールドを選びましょう。

| 企業タイプ | 特徴 | 求められるもの | 推奨度 |
|———–|——|—————|——-|
| Webベンチャー | 急成長・高還元 | 技術力 × ビジネス貢献 | ★★★ |
| 外資系テック | 圧倒的高年収 | 専門性 × 英語力 | ★★☆ |
| プライムSIer | 安定・高待遇 | PM力 × ドメイン知識 | ★★☆ |

SIerからWeb系自社開発への転職で年収を上げる実践ガイドで詳しく解説していますが、特に狙い目なのは「メガベンチャー」や「資金調達済みのスタートアップ」です。これらの企業は優秀なエンジニアを喉から手が出るほど欲しており、SIer出身者の「堅実な設計力」や「ドキュメント能力」を高く評価してくれるケースが増えています。Web系はスピード優先でドキュメントがおろそかになりがちなので、SIerで培った堅牢な設計スキルは大きな武器になります。

ただし、カルチャーフィットは重要です。指示待ちではなく、自ら課題を発見して解決するエッセンシャル思考のようなマインドセットが求められます。「仕様が決まっていないと動けない」のではなく、「仕様を一緒に作り上げる」姿勢が必要です。

Businesswoman presenting data on a large digital screen in a modern office setting.

行動プラン:今すぐ始める『市場価値向上』への一歩

「今の会社に不満はあるけど、転職できるか不安」「Web系に行きたいけど、スキルが足りない気がする」。そんな方は、いきなり退職届を出すのではなく、まずはリスクのない「準備」から始めましょう。週10時間の投資で、半年後の未来は劇的に変わります。

ポートフォリオで『技術の可視化』をする

SIerの業務経歴だけでは、あなたのコードの実力(綺麗さ、設計思想、モジュール分割など)は伝わりません。GitHubにコードを公開したり、QiitaやZennで技術記事を書いたりして、スキルを「見える化」しましょう。
作るものは「Todoアプリ」などのありきたりなものでも構いませんが、Dockerで環境構築をする、CI/CDパイプラインを組む、テストコードをしっかり書くなど、「運用・保守性」を意識した作り込みをすることで、現場レベルの実力をアピールできます。技術ブログ運営でエンジニアの市場価値を高める戦略を参考にアウトプットを習慣化すれば、スカウトの質が劇的に変わります。

エージェントを使って『自分の値段』を知る

本格的に転職するつもりがなくても、転職エージェントと面談して「今の自分ならいくらで売れるか?」を確認するのは有効です。「年収600万円のオファーが出る」と分かれば、今の会社にしがみつく理由はなくなりますし、逆に「市場価値が低い」と分かれば、何が足りないのか(言語経験か、リーダー経験か)が明確になります。
フリーランスの教科書を読み、自分を「商品」としてマーケティングする視点を持ちましょう。キャリアの主導権を自分の手に取り戻すのです。

フリーランス転向も視野に入れるなら、市場単価を確認するのも良い一手です。正社員としての年収アップだけでなく、フリーランスとして高単価案件を獲得する選択肢も持っておくと、心の余裕が生まれます。

Business professionals discussing data charts and graphs in a modern office setting.

おすすめエージェント・サービス

最後に、年収アップを目指すエンジニアにおすすめのエージェントを紹介します。自分の市場価値を知るためにも、まずは登録して情報収集を始めましょう。エージェントによって得意な領域(SIer、Web、外資など)が異なるため、複数に登録して比較するのがセオリーです。スカウト型転職サービスのプロフィール設計:採用担当者の目に留まる書き方も参考にしてください。

年収アップ・ハイクラス転職なら

ITエンジニアのハイクラス転職なら【TechGo(テックゴー)】は、ハイクラス求人に強く、年収800万円以上を目指すエンジニアに最適です。自分の市場価値を正しく評価してくれる企業と出会えます。非公開求人も多く、質の高いマッチングが期待できます。

キャリア戦略・海外視野なら

自分らしく働けるエンジニア転職を目指すなら【strategy career】は、単なる求人紹介ではなく、戦略的なキャリア形成を支援してくれます。外資系やグローバル案件に興味がある方、長期的な視点でキャリアを考えたい方におすすめです。

フリーランスも視野に入れるなら

技術力に自信があるなら、独立も一つの手です。ITフリーランスエンジニアの案件探しなら【techadapt】では、高単価な直請け案件を多数保有しており、会社員時代の倍以上の収入を得ることも夢ではありません。商流をスキップして、ダイレクトに報酬を得る醍醐味があります。

Close-up of professionals shaking hands over coffee in a modern office.

まとめ

「技術力はあるのに年収が低い」というのは、エンジニアにとって最大の不幸です。しかし、それは能力の問題ではなく、環境の問題であることがほとんどです。あなたが悪いわけでも、技術力が低いわけでもありません。ただ、場所が間違っているだけなのです。

今日解説した「3つの罠」や「転職ルート」を意識し、少しずつ準備を進めてください。ポートフォリオ作りやエージェント面談など、今日からできることはたくさんあります。あなたの確かな技術力が、正当な対価として還元される日は必ず来ます。まずは一歩、外の世界を覗いてみることから始めましょう。

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