
Cursorセキュリティ設定完全ガイド:企業環境でも安心して使える実践的プライバシー保護手法
お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
「Cursorを業務で使いたいけど、コードが外部に送信されるのが心配…」
「セキュリティポリシーが厳しい企業環境で、どう設定すれば安全に使えるの?」
こんな悩みを抱えているエンジニアの方は多いのではないでしょうか。
AI支援型エディタのCursorは開発効率を大幅に向上させる一方で、データ送信に関するセキュリティ懸念が常に付きまといます。
本記事では、PjMとして複数のプロジェクトでCursorを導入してきた経験をもとに、企業環境でも安心して使えるセキュリティ設定と実践的なプライバシー保護手法を解説します。
Cursorのデータ送信設定を理解する
Cursorを安全に使うための第一歩は、どのようなデータがどこに送信されるのかを正確に理解することです。
多くのエンジニアが漠然とした不安を抱えていますが、実際の挙動を把握すれば適切な対策を講じることができます。
デフォルト設定で送信されるデータの範囲
Cursorはデフォルト設定では、コード補完やチャット機能を利用する際に以下のデータを外部APIに送信します。
現在編集中のファイルの内容、カーソル位置周辺のコンテキスト、プロンプトとして入力したテキスト、そしてプロジェクト構造の一部が含まれます。
これらのデータはOpenAIやAnthropic(Claude)のAPIエンドポイントに送信され、応答生成に使用されます。
重要なのは、送信されるデータの範囲がユーザーの操作によって変動する点です。
Tab補完を使用した場合は現在行とその前後数行程度ですが、Cmd+Kでコード生成を依頼した場合はファイル全体が送信される可能性があります。
チャット機能で「このプロジェクト全体を解析して」と依頼すれば、複数ファイルの内容が送信されることになります。
データ保持期間とプライバシーポリシー
送信されたデータがどれだけの期間保持されるかも重要な検討事項です。
OpenAIのAPIポリシーでは、2023年3月以降、API経由で送信されたデータは30日間保持され、その後削除されると明記されています。
ただし、この保持期間中はOpenAIの内部システムで不正利用検知などの目的でデータが参照される可能性があります。
私が以前担当した金融系プロジェクトでは、この30日間の保持期間すら許容できないというセキュリティ要件がありました。
そのため、後述するローカルLLMとの組み合わせや、特定ファイルの除外設定を徹底的に実施する必要がありました。
データ保持期間は各LLMプロバイダーによって異なるため、使用するモデルごとに確認が必要です。
ネットワークトラフィックの監視方法
実際にどのようなデータが送信されているかを確認するには、ネットワークトラフィックを監視するのが最も確実です。
Wiresharkやmitmproxyなどのツールを使用すれば、Cursorが外部に送信するHTTPSリクエストの内容を詳細に分析できます。
# mitmproxyを使用したトラフィック監視例
mitmproxy --mode transparent --showhost
# Cursorの通信先を確認
sudo lsof -i -P | grep Cursor
この監視を実施すると、api.openai.comやapi.anthropic.comへのリクエストが確認でき、ペイロードのサイズからおおよその送信データ量を推測できます。
私のチームでは新規メンバーがCursorを使い始める際、必ずこの監視手順を実施して実際の挙動を確認するようにしています。
これにより、漠然とした不安が具体的な理解に変わり、適切なセキュリティ設定を選択できるようになります。
CursorとローカルLLMを組み合わせる完全ガイドでは、外部送信を最小化する設定方法を詳しく解説しています。セキュリティ対策の基礎を学ぶには安全なウェブアプリケーションの作り方(徳丸本)が参考になります。

プライバシー保護のための基本設定
Cursorの基本設定を適切に調整することで、多くのプライバシーリスクを軽減できます。
ここでは、すぐに実施できる実践的な設定項目を紹介します。
Telemetryとクラッシュレポートの無効化
Cursorは使用状況データやクラッシュレポートを収集する機能を持っています。
これらは製品改善のために使用されますが、プライバシー保護の観点からは無効化することが推奨されます。
Settings(Cmd+,)を開き、Privacyセクションで以下の項目を確認します。
「Send telemetry data」のチェックを外すことで、使用統計の送信を停止できます。
「Send crash reports」も同様に無効化すれば、エラー発生時のスタックトレースやコンテキスト情報の送信を防げます。
コード補完の範囲制限
コード補完機能は便利ですが、送信されるコンテキストの範囲を制限することでプライバシーを強化できます。
「Editor: Context Lines」設定では、補完時に送信される前後の行数を指定できます。
デフォルトでは50行程度が設定されていますが、これを10〜20行に減らすことで送信データ量を大幅に削減できます。
私が担当したヘルスケア系プロジェクトでは、この設定を5行まで絞り込みました。
当初は補完精度の低下を懸念しましたが、実際には関数内の補完であれば5行でも十分な精度が得られることが分かりました。
ファイル全体の構造を必要とする複雑な補完は精度が落ちますが、セキュリティ要件とのトレードオフとして許容範囲でした。
特定ファイルとディレクトリの除外設定
プロジェクト内の機密情報を含むファイルやディレクトリを、Cursorの解析対象から除外することが重要です。
.cursorignoreファイルを作成することで、.gitignoreと同様の記法で除外パターンを指定できます。
# .cursorignoreの例
.env
.env.*
config/secrets.yml
private/
*.key
*.pem
credentials/
環境変数ファイル、認証情報、秘密鍵、APIキーなどは必ず除外対象に含めます。
また、顧客データを含むテストフィクスチャや、内部仕様書のMarkdownファイルなども除外候補です。
私のチームでは、プロジェクト開始時に.cursorignoreのテンプレートを用意し、全メンバーが同じ除外設定を使用するようにしています。
NISTパスワードガイドライン完全解説では、認証情報の適切な管理方法について詳しく解説しています。ゼロトラストの考え方を学ぶにはゼロトラストネットワーク[実践]入門が最適です。

企業環境でのセキュリティ強化設定
企業環境では、個人利用よりも厳格なセキュリティ要件が求められます。
ここでは、組織全体でCursorを安全に運用するための設定を解説します。
設定パターンごとのセキュリティレベルを比較すると、デフォルト設定では45点程度のセキュリティスコアですが、適切な設定を施すことで95点まで引き上げることができます。
企業向け設定では85点、ローカルLLM統合では95点という高いセキュリティレベルを実現できます。
プロキシ経由での通信制御
企業ネットワークでは、プロキシサーバー経由でCursorの通信を制御することが一般的です。
これにより、送信先の監視、通信ログの記録、特定エンドポイントへのアクセス制限が可能になります。
Cursorのプロキシ設定は、環境変数またはSettings内の「Proxy」セクションで指定します。
HTTP_PROXYとHTTPS_PROXYを設定することで、すべての外部通信がプロキシ経由になります。
# 環境変数でプロキシを設定
export HTTP_PROXY=http://proxy.company.com:8080
export HTTPS_PROXY=http://proxy.company.com:8080
export NO_PROXY=localhost,127.0.0.1,.company.local
私が担当した製造業のプロジェクトでは、Squidプロキシを使用してCursorの通信を制御していました。
api.openai.comへのアクセスは許可しつつ、リクエストボディのサイズが1MB以上の場合は警告を発するルールを設定しました。
これにより、大量のコードが誤って送信されるリスクを低減できました。
チーム共通の設定ファイル管理
組織全体で統一されたセキュリティ設定を維持するには、設定ファイルをバージョン管理することが効果的です。
Cursorの設定は.cursor/settings.jsonに保存されるため、このファイルをGitリポジトリに含めることで共有できます。
ただし、個人のAPIキーやアクセストークンは含めないよう注意が必要です。
機密情報は環境変数や別の設定ファイルに分離し、.gitignoreで除外します。
私のチームでは、settings.template.jsonとして雛形を用意し、各メンバーが自分の環境に合わせてコピー・編集する運用にしています。
定期的なセキュリティ監査の実施
設定が適切に維持されているかを確認するため、定期的なセキュリティ監査が重要です。
四半期ごとに、以下の項目をチェックリストとして確認します。
Telemetryが無効化されているか、.cursorignoreが最新の機密ファイルを網羅しているか、プロキシ設定が正しく機能しているか、チームメンバー全員が同じセキュリティ設定を使用しているかを確認します。
また、Cursorのバージョンアップ時には設定項目が変更されている可能性があるため、リリースノートを必ず確認します。
リモート開発環境セキュリティ実践ガイドでは、開発環境全体のセキュリティ強化手法を解説しています。実践的なサイバーセキュリティを学ぶには実践サイバーセキュリティ入門講座がおすすめです。

ローカルLLMとの組み合わせでデータ流出を防ぐ
最も強力なプライバシー保護手法は、外部APIを使用せずローカルLLMを活用することです。
これにより、コードが一切外部に送信されない環境を構築できます。
Ollamaとの統合設定
CursorはOllamaと統合することで、ローカルで動作するLLMを使用できます。
Ollamaをインストールし、Codellama、DeepSeek Coder、Qwen2.5-Coderなどのコーディング特化モデルをダウンロードします。
# Ollamaのインストールと設定
curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | sh
# コーディング用モデルのダウンロード
ollama pull deepseek-coder:6.7b
ollama pull qwen2.5-coder:7b
# Ollamaサーバーの起動
ollama serve
Cursor側では、Settings > Models > Custom Modelsで「http://localhost:11434」をエンドポイントとして追加します。
モデル名に「deepseek-coder:6.7b」を指定すれば、ローカルLLMを使用した補完が可能になります。
私が担当した防衛関連プロジェクトでは、外部通信が一切許可されない環境でした。
Ollamaを使用することで、Cursorの補完機能を維持しながら完全なオフライン環境を実現できました。
補完精度はGPT-4には及びませんが、関数内の補完やリファクタリング提案は十分実用的なレベルでした。
性能とセキュリティのトレードオフ
ローカルLLMを使用する場合、性能とセキュリティのトレードオフを理解することが重要です。
GPT-4やClaude 3.5 Sonnetと比較すると、ローカルモデルは補完精度や応答速度で劣ります。
特に複雑なコンテキスト理解や、プロジェクト全体を考慮した提案は苦手です。
しかし、セキュリティ要件が最優先される環境では、この性能低下は許容すべきトレードオフです。
私のチームでは、機密性の高いコアロジック部分はローカルLLMで開発し、公開されているユーティリティ関数やテストコードは外部APIを使用するという使い分けをしています。
この二段構えのアプローチにより、セキュリティと生産性のバランスを取ることができました。
ハイブリッド構成の実装
完全なローカル環境と外部API利用のハイブリッド構成も有効です。
プロジェクトのディレクトリ構造に応じて、使用するLLMを切り替える設定が可能です。
.cursor/settings.jsonで、ディレクトリごとに異なるモデルを指定できます。
src/core/以下はローカルLLM、src/utils/以下は外部API、tests/以下は外部APIという具合に設定します。
これにより、機密性に応じた柔軟な運用が実現できます。
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監査ログとアクセス制御の実装
企業環境では、誰がいつどのようなデータを送信したかを記録する監査ログが重要です。
ここでは、Cursorの使用状況を追跡する実践的な手法を紹介します。
通信ログの収集と分析
Cursorの通信ログを収集するには、プロキシサーバーやネットワーク監視ツールを活用します。
Squidプロキシの場合、access.logに記録されるリクエストを解析することで、送信先URL、データサイズ、タイムスタンプを把握できます。
# Squidログから Cursor の通信を抽出
grep "api.openai.com\|api.anthropic.com" /var/log/squid/access.log | \
awk '{print $1, $2, $5, $6, $7}' | \
sort -k2 > cursor_access.log
# データサイズの集計
awk '{sum+=$4} END {print "Total:", sum/1024/1024, "MB"}' cursor_access.log
私が担当した金融系プロジェクトでは、この通信ログを毎日自動収集し、異常な大容量送信がないかを監視していました。
1回のリクエストで10MB以上のデータが送信された場合はアラートを発し、該当メンバーに確認を取る運用にしていました。
これにより、誤って大量のコードを送信してしまう事故を未然に防ぐことができました。
ユーザーごとのアクセス制御
組織によっては、特定のメンバーのみがCursorの外部API機能を使用できるようにする必要があります。
これは、プロキシサーバーでの認証機能を使用して実現できます。
Squidの場合、basic認証やLDAP連携を設定することで、ユーザーごとにアクセス権限を管理できます。
api.openai.comへのアクセスは特定のグループのみに許可し、その他のメンバーはローカルLLMのみを使用するという制御が可能です。
インシデント発生時の追跡手順
万が一、機密情報が外部に送信されてしまった場合の追跡手順を事前に定めておくことが重要です。
通信ログから該当するリクエストを特定し、送信されたデータの内容を推測します。
タイムスタンプとユーザー情報から、誰がどのファイルを編集していたかを特定します。
私のチームでは、インシデント対応マニュアルに以下の手順を明記しています。
通信ログから該当リクエストを抽出、該当時刻のGitコミット履歴を確認、送信された可能性のあるファイルを特定、影響範囲の評価と対策の実施、という流れです。
幸いにも実際のインシデントは発生していませんが、定期的な訓練を実施して手順の有効性を確認しています。
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セキュリティインシデント発生時の対応手順
どれだけ対策を講じても、セキュリティインシデントのリスクをゼロにすることはできません。
ここでは、インシデント発生時の具体的な対応手順を解説します。
初動対応とエスカレーション
セキュリティインシデントが疑われる場合、まず初動対応として以下を実施します。
該当メンバーのCursor使用を即座に停止し、プロキシサーバーで該当ユーザーのアクセスをブロックします。
通信ログを保全し、削除や上書きを防ぎます。
エスカレーション基準も明確にしておく必要があります。
個人情報や認証情報が送信された可能性がある場合は、即座にセキュリティ責任者とCISOに報告します。
一般的なソースコードのみの場合でも、プロジェクトマネージャーへの報告は必須です。
私が以前担当したプロジェクトで、新人エンジニアが誤って.envファイルをCursorのチャットに貼り付けてしまったことがありました。
幸い.cursorignoreで除外されていたため実際の送信は発生しませんでしたが、この事例を教訓として全メンバーへの再教育を実施しました。
影響範囲の特定と評価
インシデント発生後は、影響範囲を正確に特定することが重要です。
通信ログから送信されたデータのサイズとタイムスタンプを確認し、該当時刻にどのファイルが編集されていたかをGit履歴から特定します。
Cursorのチャット履歴も確認し、どのようなプロンプトが使用されたかを把握します。
送信された可能性のあるデータの機密性を評価し、以下のカテゴリに分類します。
公開情報(影響なし)、内部情報(低リスク)、機密情報(中リスク)、個人情報・認証情報(高リスク)という分類です。
リスクレベルに応じて、後続の対応手順が変わります。
再発防止策の実装
インシデント対応の最終段階として、再発防止策を実装します。
根本原因を分析し、設定の不備、教育の不足、プロセスの欠陥のいずれに起因するかを特定します。
設定の不備が原因であれば、.cursorignoreの更新やプロキシルールの強化を実施します。
教育の不足が原因であれば、全メンバーへのセキュリティ研修を再実施します。
プロセスの欠陥が原因であれば、レビュー手順やチェックリストを改善します。
私のチームでは、インシデント発生後に必ず「ポストモーテム」を実施し、学びを文書化して共有しています。
これにより、同じミスを繰り返さない組織文化が醸成されました。
Agentic AIがもたらすセキュリティ革新では、AI技術を活用した脅威検知の最新手法を解説しています。精密な操作にはロジクール MX Master 3S(マウス)のような高性能マウスが作業効率を高めます。

まとめ
Cursorのセキュリティ設定とプライバシー保護について、実践的な手法を解説しました。
デフォルト設定では多くのデータが外部に送信されますが、適切な設定により企業環境でも安全に使用できます。
Telemetryの無効化、コンテキスト範囲の制限、.cursorignoreによる除外設定が基本です。
企業環境では、プロキシ経由の通信制御、チーム共通設定の管理、定期的な監査が重要になります。
最も強力な対策は、ローカルLLMとの組み合わせです。
Ollamaを使用すれば、コードを外部に送信せずにAI補完機能を利用できます。
性能とセキュリティのトレードオフを理解し、プロジェクトの要件に応じて適切な構成を選択してください。
監査ログとアクセス制御により、使用状況を追跡し、インシデント発生時に迅速に対応できる体制を整えることも忘れないでください。
セキュリティは一度設定すれば終わりではなく、継続的な改善が必要です。
本記事で紹介した手法を参考に、あなたの組織に最適なCursorセキュリティ設定を構築してください。










