受託開発で追加料金なしで軽微な修正をしてあげたら、次回からそれが当たり前に要求される問題

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

受託開発や運用案件では、クライアントの要望に柔軟に対応することが求められます。しかし私も経験があるのですが、一度「サービスのつもり」で無料で軽微な修正を行うと、それが当たり前になり、次回以降も同様の対応を期待されることがあります。本記事では、無償対応のリスクや適切な対応方法について解説します。

無償対応が招く問題

クライアントの認識の変化

初回は感謝されるかもしれませんが、次回以降も「前回やってくれたから今回も当然対応してくれるはず」という意識が生まれます。結果として、無償対応が常態化し、作業量が増えてしまうことがあります。

また、クライアントの社内でも「この開発者はちょっとした修正なら無料でやってくれる」という認識が広がり、担当者が変わったとしても同様の対応を期待されることになりかねません。

業務負担の増加

軽微な修正とはいえ、時間とリソースを消費します。最初は数分の修正でも、積み重なると大きな負担となり、他の案件に影響を及ぼす可能性があります。また、無償対応が増えることでスケジュール管理が難しくなり、本来の有償案件に十分な時間を割けなくなるリスクもあります。

正当な報酬を得られなくなる

一度「無料でやってもらえる」と思われると、クライアントは有償対応に抵抗感を持つようになります。本来は有料で提供すべきサービスでも、報酬を得られなくなり、ビジネスとしての持続性が損なわれるリスクがあります。

さらに、他のクライアントにも同様の対応を求められる可能性があり、結果として事業全体の収益性が低下することにもつながります。

無償対応を避けるための方法

初回から明確なルールを設定する

契約書やSLA(サービスレベルアグリーメント)に「軽微な修正の範囲」や「追加対応は有料」と明記しましょう。事前にルールを設定しておくことで、無償対応を求められるリスクを減らせます。

例えば、

  • 無償対応はリリース後1か月以内のバグ修正に限る
  • 機能追加やデザイン変更はすべて有償対応とする

といった具体的なルールを定めることが重要です。

修正の基準を明確にする

「軽微な修正」の定義を明確にし、どの範囲までが無償で、どの範囲からが有償なのかをクライアントに伝えましょう。例えば、

  • 誤字・脱字の修正 → 無償
  • テキストの追加・変更 → 無償(ただし小規模に限る)
  • デザインの変更 → 有償
  • 機能の修正や追加 → 有償

などのガイドラインを提示すると、クライアントとの認識のズレを防げます。

見積もりを提示する

クライアントから修正依頼があった場合、「対応可能ですが、作業時間は◯時間で費用は◯円になります」と事前に見積もりを提示しましょう。これにより、無償対応の流れを断ち切ることができます。

また、軽微な修正をパッケージ化し、「月額サポートプラン」や「保守契約」として提供することで、無償対応ではなく有償サービスとしての形を整えるのも一つの方法です。

適切な代替案を提供する

例えば、「無料で対応するのは難しいですが、次回の契約更新時にパッケージとして含めることは可能です」など、クライアントにとって納得しやすい提案をするのも効果的です。

また、修正作業を自社の標準サービスに組み込み、「定額プランなら対応可能」とすることで、追加作業のコストをカバーする仕組みを作ることもできます。

「一度限り」を明確にする

もしも例外的に無償対応をする場合は、「今回のみ特別対応ですが、次回以降は有料になります」と明確に伝えましょう。口約束ではなく、メールやチャットで記録を残すことも重要です。

例えば、

今回は特例として無償で対応いたしますが、次回以降は有償対応とさせていただきますので、ご了承ください。

といった文章を送ることで、後々のトラブルを防げます。

まとめ

受託開発や運用案件では、クライアントとの良好な関係を築くことが重要ですが、無償対応を続けると、負担が増え、結果としてビジネスに悪影響を及ぼすことがあります。最初から適切なルールを設定し、無償対応が常態化しないように対策を講じることが大切です。

  • 初回からルールを明確にする
  • 修正の基準を設定する
  • 見積もりを提示する
  • 代替案を提供する
  • 無償対応は一度限りと明示する

適切な線引きを行い、健全なビジネス関係を維持することで、双方にとって良い結果を生み出せるでしょう。