なぜX(旧Twitter)は経歴や職業を偽った情報商材屋で溢れているのか
こんばんは!
IT業界で働くアライグマです。
X(旧Twitter)は、情報発信やコミュニケーションの場として世界中で利用されているSNSです。
しかし、このプラットフォーム上で、特に経歴や職業を偽る情報商材屋が増えている傾向が見られます。
これには、Xの特徴や利用者の心理、そして現代社会のトレンドが深く関係しています。
本記事では、なぜXにこうした偽りの情報商材屋が多いのか、その背景を探りたいと思います。
Xの匿名性と低い参入障壁
Xは、他のSNSと比較しても匿名性が高いことが特徴の一つです。
ユーザーは本名を使わずにハンドルネームを利用し、プロフィールには自由に情報を記載できるため、現実の自分を隠しやすい環境が整っています。
このため、自分を「成功者」や「専門家」として偽ることが容易であり、詐欺的な情報商材屋が生まれる温床となっています。
加えて、Xの参入障壁が低いことも一因です。
アカウント作成は非常に簡単で、メールアドレスだけで誰でもすぐに開始できるため、偽の経歴を持つ人々が大量に現れる結果となっています。
これにより、プラットフォーム上には信頼性の低い情報が氾濫しやすくなっています。
「成功者」イメージの操作が容易
Xでは、少ない文字数で効率的にメッセージを伝えることが求められますが、その短文形式がかえって「成功者」としてのイメージを演出するのに適しています。
例えば、「月収○○万円を達成!」「たった1ヶ月で○○人のフォロワーを獲得!」といった簡潔でインパクトのある投稿が、瞬時に拡散されやすいのです。
また、成功を示す象徴的な画像(高級車や豪邸、旅行先での写真など)を添付することで、フォロワーに強い印象を与えることができます。(他人の写真が使われることも実際に観測)
これにより、実際の経歴や実績に関係なく、「成功者」や「専門家」としてのイメージを形成しやすく、商材販売につながりやすい環境が作られています。
情報拡散力とバイラルマーケティングの利用
Xの最大の特徴の一つは、その強力な情報拡散力です。
リポスト(リツイート)や「いいね」を通じて、投稿が瞬く間に数千、数万のユーザーに届くことがあります。
これにより、たとえ根拠のない内容や偽の実績であっても、バイラル効果(口コミやシェア機能などを活用し、インターネット上で情報や商品などが徐々に広まっていくことを意味するマーケティング用語)によって広まり、多くのフォロワーを獲得できるのです。
さらに、X上では、他者の投稿を引用リポスト(引用リツイート)することで、自分の発信する情報に信頼性を付加することができます。
これにより、情報商材屋はあたかも「実績のある人物」であるかのように見せかけ、その信頼性を高めることができるのです。
現代社会における「即効性」と「簡便性」へのニーズ
情報商材屋が成功する背景には、現代社会における「即効性」や「簡便性」への強いニーズがあります。
特に若年層や初心者にとって、「短期間で成功する方法」「簡単にお金を稼ぐ方法」といった情報は非常に魅力的に映ります。
そのため、こうしたニーズに応える形で、情報商材屋は経歴を偽ってでも自分を信頼させ、実際には価値が低い商材を販売しようとするのです。
また、Xではフィードが常に更新され、情報が次々と流れていくため、ユーザーは短い時間で意思決定をしがちです。
この状況を利用して、情報商材屋は短期的な利益を狙って詐欺的な手法を用いることがあります。
規制の不十分さと監視の限界
Xには膨大な数のユーザーが存在し、その全ての投稿を監視することは事実上不可能です。
特に、個々のアカウントが発信する内容が真実かどうかをチェックすることは難しく、規制が不十分な状態が続いています。
このため、偽の経歴を持つ情報商材屋が自由に活動できる環境が存在し、ユーザーに対する影響が大きくなっています。
また、Xのアルゴリズムは、エンゲージメント(ユーザーがポスト(ツイート)に反応した回数)が高い投稿を優先的に表示する仕組みになっているため、過激で誇張された内容が拡散されやすくなっています。
これにより、真実でない情報が広まり、結果として情報商材屋の思うつぼになってしまうのです。
まとめ
自己防衛と批判的思考の重要性
X(旧Twitter)において、経歴や職業を偽った情報商材屋が蔓延しているのは、プラットフォームの特性や利用者の心理、そして現代社会のトレンドが絡み合っているためです。
彼らはXの匿名性や情報拡散力を利用し、偽の成功者としてのイメージを作り上げ、商材を販売しています。
ユーザーとしては、SNSで得られる情報に対して常に批判的に考え、真偽を見極める力を持つことが求められます。
また、短期的な利益を求めず、長期的な視点で物事を判断することが、こうした詐欺的な手法に引っかからないための鍵となるでしょう。
SNSは便利な情報ツールであると同時に、自己防衛の意識を持って利用する必要がある場所でもあります。