
一人情シス、社内IT機器の在庫管理も担当
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
企業のITインフラを支える情報システム部門、通称「情シス」の仕事は多岐にわたります。特に**「一人情シス」**として働く場合、その業務範囲は驚くほど広く、ヘルプデスクからサーバー管理、セキュリティ対策まで、一人でこなさなければなりません。
そんな中でも**軽視されがちなのが「社内IT機器の在庫管理」**です。パソコン、周辺機器、ネットワーク機器、ライセンスなど、企業のIT資産を適切に管理することは、スムーズな業務運営に不可欠です。しかし、在庫管理が後回しになり、気づいたときには機器が足りない、古い機器が使われ続けている、といった問題が発生しがちです。
本記事では、一人情シスが担当する社内IT機器の在庫管理の課題と、効率的な管理方法について解説します。
社内IT機器の在庫管理が重要な理由
機器の不足・過剰を防ぐため
社内のPCや周辺機器は、必要なタイミングで適切な数を確保できるように管理しなければなりません。例えば、新入社員の入社直前に「PCが足りない!」と慌てるような事態は避けたいものです。
また、逆に古いPCや使われていない周辺機器が大量に倉庫に眠っていると、無駄なコストが発生し、スペースも圧迫します。適切な在庫管理ができていれば、こうした無駄や不足を未然に防ぐことが可能です。
突発的なトラブル対応をスムーズにするため
社内のIT機器は日々トラブルが発生します。
- 社員が誤ってPCを破損した
- 突然マウスやキーボードが壊れた
- 急遽、新しいプロジェクトでノートPCが必要になった
こうした緊急対応に備えて、一定数の予備機材を適切に確保しておくことが重要です。管理がずさんだと、「予備があると思っていたら、実はすべて使われていた…」という事態に陥りかねません。
ライセンス管理の適正化
IT機器の管理には、ソフトウェアのライセンス管理も含まれます。企業向けのアプリケーションは、ライセンスの契約数を超えて使用するとコンプライアンス違反になりかねません。
逆に、不要なライセンスをそのまま契約し続けていると、無駄なコストが発生します。適切に管理し、必要なライセンスだけを契約・更新することで、コスト削減にもつながるのです。
一人情シスが抱える在庫管理の課題
情報が属人化しやすい
一人情シスは業務が多岐にわたるため、在庫管理の仕組みが属人的になりがちです。例えば、
- 「どの機器がどこにあるか」は頭の中で把握している
- Excelや紙のリストで手作業管理している
- 旧型の機器もそのまま保管しているが、いつ入れ替えたのか不明
といった状態になっていると、管理者が不在時に対応ができないだけでなく、トラブル発生時に必要な機器をすぐに見つけられないこともあります。
管理ツールが整備されていない
大企業ではIT資産管理ツールが導入されていることが多いですが、中小企業やスタートアップでは**「在庫管理は手作業で」とされることも珍しくありません**。
その結果、
- 在庫数を手入力で管理してミスが発生
- どこに何があるのか分からなくなる
- 不要な機器が倉庫に放置される
といった問題が起こりやすくなります。
突発的な業務が優先されて後回しになる
一人情シスは、日々のヘルプデスク対応や障害対応、システム運用に忙しく、在庫管理はどうしても後回しになりがちです。しかし、いざ必要になったときに適切な管理がされていないと、業務が停滞してしまいます。
効率的な在庫管理の方法
IT資産管理ツールを導入する
Excelや紙ではなく、専用のIT資産管理ツールを導入することで、管理の効率化が可能です。
代表的なツールには以下のようなものがあります。
- ManageEngine AssetExplorer(IT資産管理の自動化が可能)
- Lansweeper(ネットワーク内のデバイスを自動検出)
- GLPI(オープンソースでカスタマイズ可能)
これらのツールを使えば、手作業での管理負担を減らし、在庫状況をリアルタイムで把握できます。
シリアル番号やバーコードで管理する
機器ごとにシリアル番号やバーコードを付与し、管理を統一することで、どの機器がどこにあるのかを明確にできます。
バーコードスキャナーを活用すれば、貸出・返却の管理もスムーズになり、手作業の記録ミスを防ぐことが可能です。
定期的な棚卸しを行う
半年~1年に1回の頻度で、IT機器の棚卸しを実施すると、無駄な在庫を削減できます。
- 古い機器はリプレース計画を立てる
- 使われていない機器は処分するか再利用を検討
- どの部署でどの機器が使われているかを最新化する
といった対応を定期的に行うことで、管理を適切に保つことができます。
ルールを明確にし、負担を分散する
貸し出しや返却のルールを社内で統一し、社員にも管理の意識を持ってもらうことで、一人情シスの負担を減らせます。
例えば、
- 機器の貸し出しは申請制にする
- 返却時には必ず記録を残す
- 定期的な機器点検を行い、状態を確認する
といったルールを設けることで、管理の負担を分散し、スムーズな運用が可能になります。
まとめ
一人情シスにとって、社内IT機器の在庫管理は後回しにされがちですが、適切に管理しないと、トラブル時の対応が遅れたり、不要なコストが発生する原因になります。
しかし、IT資産管理ツールの導入やルール整備、定期的な棚卸しを行うことで、管理負担を大幅に軽減できます。
在庫管理を効率化することで、一人情シスの負担を減らし、本来の業務に集中できる環境を整えていきましょう。