新人エンジニアとフルリモート勤務の相性が悪いのはなぜなのか

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

コロナ禍以降、フルリモート勤務が広まり、エンジニア業界では「オフィス不要論」まで出てくるほど定着しました。しかし、新人エンジニアにとってフルリモート勤務は必ずしも理想的な環境とは言えません

「出社しなくていいし、通勤時間もゼロ!」「快適な自宅で仕事ができる!」と、一見するとメリットばかりに見えますが、実際にフルリモート環境での新人エンジニア育成に苦労している企業は多いです。では、なぜフルリモート勤務と新人エンジニアの相性が悪いのか、具体的な理由とその解決策を考えてみましょう。

新人エンジニアがフルリモートでつまずく理由

直接のサポートが受けにくい

オフィス勤務なら、わからないことがあればすぐに先輩や同僚に声をかけて質問できます。しかし、フルリモートではチャットやビデオ通話を使う必要があり、心理的なハードルが上がります。

「こんなことで質問していいのかな?」と悩んでしまったり、文章にまとめるのが難しくて質問を後回しにしてしまうこともあります。結果的に小さな疑問が積み重なり、学習スピードが遅くなるのです。

「暗黙知」が伝わりにくい

新人エンジニアにとって、業務知識だけでなく、会社の文化や開発の流れを理解することも重要です。

例えば、オフィスではこんなことが自然に学べます。

  • 「あの人が詳しそうだから聞いてみよう」(社内の技術マップが見える)
  • 「先輩がこんな風にコードを書いているんだ」(生の開発スタイルを学べる)
  • 「このタイミングでミーティングがあるんだな」(業務のリズムがわかる)

しかし、フルリモートではチャットやドキュメントに明示されていない情報が伝わりにくく、「聞かれなければ教えられない」状態になりがちです。

孤独感やモチベーションの低下

新人エンジニアは、チームの一員として働く実感を持ちにくい という問題もあります。

オフィスなら、休憩時間に雑談をしたり、ちょっとした成功を共有したりできます。しかし、リモートではコミュニケーションが業務に限定されやすく、「自分はチームに馴染めているのか?」と不安を感じやすくなります

また、成果が見えにくい環境では、「自分は成長できているのか?」という実感が湧きにくく、モチベーションが低下することもあります。

仕事の進め方が身につきにくい

新人エンジニアは、タスクの優先順位をつける、時間を管理する、進捗を報告する など、基本的な仕事の進め方を学ぶ必要があります。

オフィスなら、先輩の動きを見て自然に身につきますが、リモートでは「今の自分の進め方が正しいのか?」を確認する機会が少ないため、非効率なやり方を続けてしまうことがあります。

また、報告のタイミングが難しく、「どこまで進んだら報告すればいいのか?」がわからず、気づいたら進捗共有が遅れてしまうこともあります。

フルリモート環境で新人エンジニアを育てるには?

質問しやすい環境を作る

「いつでも質問していい」だけでは不十分 です。質問しやすい仕組みを作ることが重要です。

  • 「○○のことを教えてください」と言いやすいオープンな文化を作る
  • 定期的にメンタリングやペアプログラミングを実施する
  • 「質問用チャンネル」を用意し、気軽に投稿できる雰囲気を作る

「この人に聞けばいい」と明確にすることで、心理的なハードルを下げることができます。

こまめなフィードバックを行う

フルリモートでは、「上司や先輩が自分のことを見てくれている」という実感が薄れやすいです。そのため、こまめなフィードバック が必要になります。

  • 毎日のスタンドアップミーティングを設ける(進捗報告の習慣化)
  • レビューやペアプログラミングで直接コミュニケーションを取る
  • 「ここはよかった」「この部分はもっとこうするといい」と細かくフィードバックする

特に新人のうちは、「できていること」だけでなく、「改善点」も具体的に伝えることで、成長を実感しやすくなります。

コミュニケーションの頻度を増やす

「雑談の場」がないと、新人エンジニアは孤独を感じやすくなります。

  • 雑談OKの「バーチャルオフィス」を用意する(気軽に話せる場を作る)
  • 週1回はカジュアルなミーティングを実施する(業務外の話もできる機会を作る)
  • 「今日の学び」などを共有できるチャンネルを作る(チームで知識をシェア)

雑談や非業務のコミュニケーションを増やすことで、チームへの帰属意識が高まります。

明文化されたルールやナレッジを整備する

リモート環境では、「聞けばわかる」ではなく「読めばわかる」仕組みが必要です。

  • 開発フローやルールをドキュメント化する(新人でも迷わずに進められる)
  • ナレッジベースを整備する(「○○の設定方法」などを共有)
  • 「まずここを読んで!」というガイドを作る(学習の道筋を示す)

「質問しなくても自己解決できる情報」を整備することで、新人がスムーズに成長できる環境を作れます。

まとめ

フルリモート勤務は、多くのエンジニアにとってメリットが大きい働き方ですが、新人エンジニアにとっては学習機会の減少や孤独感、成長の遅れといった課題が生まれやすいのも事実です。

しかし、適切なサポート体制を整えれば、新人エンジニアでもフルリモートで成長することは十分可能です

  • 質問しやすい環境を作る(オープンな文化+仕組み)
  • こまめなフィードバックを行う(成長実感を持たせる)
  • コミュニケーションの頻度を増やす(孤独感を防ぐ)
  • 明文化されたルールやナレッジを整備する(自己解決しやすくする)

これらを意識することで、新人エンジニアがフルリモート環境でも安心して成長できる職場を作ることができます。