一人情シス、情シスなのに社内IT機器のバックアップもやる羽目に

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

企業のITインフラを支える情シス(情報システム部門)は、一般的に複数名で構成されることが理想ですが、特に中小企業では「一人情シス」という状況が珍しくありません。一人情シスとは、その名の通り、1人ですべての情報システム業務を担当する状況のことです。

社内のネットワーク管理、PCやソフトウェアのトラブル対応、セキュリティ対策、システム導入……通常の業務だけでも負担が大きいのに、「バックアップ管理」まで押し付けられるケースも多く、一人情シスの負担は計り知れません。

「え、バックアップって普通はインフラ担当の仕事じゃないの?」と思うかもしれませんが、企業によっては「情シス=ITの何でも屋」と見なされ、サーバーやネットワーク機器のバックアップ管理まで任されるのです。本記事では、一人情シスが直面するバックアップ管理の苦労や、負担を減らすための工夫について詳しく解説します。

情シスなのにバックアップまで担当する理由

企業において、バックアップ管理は本来、インフラ担当や専門のIT部門が行うべき業務です。しかし、一人情シスの環境では「バックアップも含めてすべて担当するのが当たり前」という扱いを受けることがよくあります。なぜこのような状況が発生するのでしょうか?

IT担当者が情シスしかいない

一人情シスの企業では、IT関連の業務を担当するのが自分だけというケースがほとんどです。つまり、社内の誰も「バックアップとは何か」「どのように管理すべきか」を理解しておらず、結果的に「ITのことは全部お前がやれ」という流れになってしまいます。

ITに詳しくない経営層からすると、「バックアップも情シスの仕事のうちでしょ?」という認識しかないため、説明しても理解を得るのが難しいのが現実です。

そもそもバックアップの重要性が理解されていない

バックアップの重要性を理解している企業であれば、専門のインフラ担当を置いたり、外部の業者に管理を委託したりするものです。しかし、多くの企業では「バックアップの重要性が軽視されている」ため、情シス1人に丸投げされるケースが少なくありません。

特に、以下のような企業では、バックアップ対策が後回しになりがちです。

  • ITリテラシーが低く、「データが消えたら復元できるでしょ?」と楽観視している
  • 過去に大きなデータ損失を経験しておらず、リスクを実感していない
  • 経営層がコスト削減を優先し、バックアップ管理の人員やシステムに投資しない

「何かあったら情シスのせい」という風潮

社内のITトラブルが発生した際、「情シスがちゃんと管理していなかったからだ」と責められることが多いのも、一人情シスにとって大きなプレッシャーです。

特にバックアップ関連のトラブルでは、「データが消えたのは情シスの管理ミス」という扱いを受けがちです。そのため、「どうせ責任を取らされるなら、自分でバックアップを管理しておいた方がいい」と考え、無理をしてでも対応せざるを得ない状況に追い込まれます。

一人情シスがバックアップ管理で苦労するポイント

情シスとしての通常業務に加え、バックアップ管理まで担当すると、どのような問題が発生するのでしょうか?

作業が多すぎて手が回らない

バックアップ業務には、以下のような作業が含まれます。

  • 定期的なバックアップの取得と確認
  • バックアップデータの保管と管理
  • 障害発生時のデータ復旧対応
  • バックアップポリシーの策定と運用改善

本来なら、専任の担当者がいるべき業務ですが、一人情シスの場合、これらを他の業務と並行して行わなければならないため、負担が非常に大きくなります。

「手動バックアップ」に頼らざるを得ない

予算のない企業では、自動バックアップシステムを導入せず、手動でバックアップを取ることを求められることがあります。「USBに保存しておけばOK」「週1回コピーしておけば大丈夫」といった、あまりにもずさんな管理を押し付けられるケースも珍しくありません。

しかし、手動バックアップには以下のようなリスクが伴います。

  • 人的ミスでバックアップを忘れる
  • 保存場所が適切でないため、障害発生時に復元できない
  • セキュリティが甘く、データが流出する可能性がある

このような環境では、バックアップの意味をなさない状態に陥りやすいため、一人情シスは常に「本当にこれで大丈夫なのか?」という不安を抱えることになります。

障害発生時の責任がすべて自分にのしかかる

バックアップを担当していると、万が一データが消失した際の責任がすべて自分にかかるというプレッシャーが常につきまといます。特に、一人情シスの環境では、「どうせ情シスが何とかするだろう」という考え方が根付いているため、いざトラブルが発生すると、「なぜちゃんとバックアップを取っていなかったんだ!」と責められることになります。

しかし、実際には「予算も時間もなく、1人で限界まで頑張っていた」というのが本当のところでしょう。

一人情シスがバックアップ管理の負担を減らす方法

自動バックアップシステムを導入する

可能であれば、手動ではなく自動でバックアップが取れる仕組みを導入するのが理想です。クラウドバックアップサービスや、定期的にスナップショットを取得できるシステムを導入すれば、人的ミスのリスクを減らし、負担を軽減できます。

経営層にバックアップの重要性を理解させる

経営層がバックアップの重要性を理解していない場合、具体的なリスクを示しながら説明し、「バックアップ管理に適切な予算とリソースを確保するべき」と説得するのが重要です。

外部委託を検討する

バックアップ管理にかかる負担を減らすため、専門の業者に委託するという選択肢もあります。

まとめ:情シスは「何でも屋」ではない

一人情シスがバックアップ管理まで担当するのは非常に負担が大きいですが、適切な対策を取ることで負担を軽減できます。情シスは「ITの何でも屋」ではなく、適切なリソース配分が必要であることを、企業全体で理解することが求められます。