
新人エンジニアの「動きました!」に隠された不安
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
エンジニアなら一度は耳にしたことがあるはずのフレーズ、「動きました!」。
新人エンジニアがこの言葉を発するとき、そこには 安堵、興奮、そして少しの不安 が隠れています。
「とりあえずエラーが出なくなったからOK」
「動いているけど、本当に正しいのかはわからない」
「何をどう直したのか、自分でも説明できない」
こうした気持ちのまま「動きました!」と報告する新人エンジニアは少なくありません。
本記事では、新人エンジニアが「動きました!」と言うときの心理と、その裏にある 不安や課題 について掘り下げていきます。
「動きました!」が意味するもの
新人エンジニアの「動きました!」には、以下のような意味が込められていることが多いです。
- エラーが消えた(でも根本原因はよくわかっていない)
- 期待した出力が得られた(けど、なぜそうなったのかは不明)
- とりあえず進捗を報告したい(が、裏では不安を抱えている)
つまり、多くの場合、「動いた=正しく動作している」とは限らない のです。
なぜ「動きました!」で安心できないのか?
テストされていない
「動いた」というのは、「特定の条件でエラーが出なかった」だけ であることが多いです。
- たまたまうまくいっただけで、他の条件では動かない
- バグが潜んでいても、テスト不足で気づいていない
- 例外的なケースを考慮していない
動作確認が 「自分の手元で試した1回だけ」 というのは、経験が浅いエンジニアによくある落とし穴です。
修正の影響範囲を理解していない
新人エンジニアは、コードの全体構造を把握しきれていないことが多いため、自分の修正が他の部分にどんな影響を与えるか想像できていないことがあります。
- 直したつもりが、別の機能に副作用を生んでいる
- 一見動いているが、パフォーマンスが悪化している
- 将来的なメンテナンス性を考慮していない
「動くけど、壊れやすいコード」が生まれやすいのが、この段階です。
なぜ動くのかを説明できない
「動きました!」の後に、「どうして動いたの?」と聞くと、新人エンジニアは言葉に詰まることが多いです。
- 「エラーが消えたので…」(でも本当の原因は?)
- 「この設定を変更したら直りました」(それって正しい修正?)
- 「ググったらこれが解決策と書いてあったので…」(その情報は正確?)
理解しないまま修正を加えると、後からまた同じ問題にぶつかる可能性が高くなります。
「動きました!」に潜む不安を解消するには?
なぜ動いたのかを説明できるようにする
「この修正で問題が解決した理由」を、論理的に説明できることが大切 です。
- 変更前のコードと、変更後のコードの違いを明確にする
- どの処理が、どのように影響を与えているのかを考える
- 他の人に説明してみる(「説明できない=理解できていない」可能性が高い)
もし説明できない場合は、もう一度「本当に正しく修正できているのか?」を見直すべきです。
テストをして、確実に動作することを確認する
単に 「エラーが出ない」だけでは不十分 です。
- 想定される複数のケースでテストする(正常系・異常系)
- 手動テストだけでなく、自動テストを書く
- レビュー時に「このケースは確認した?」と聞かれても答えられるようにする
「動いた!」ではなく、「正しく動作することを確認しました!」 という状態に持っていくことが重要です。
影響範囲を考える
修正による影響を最小限に抑えるために、以下の点をチェックしましょう。
- 変更したコードが他の部分に影響を与えていないか?
- 依存関係のある他のモジュールや機能は問題なく動くか?
- 既存のテストが失敗していないか?
「動いたからOK」ではなく、「安全に動くか?」を意識することが大事です。
先輩エンジニアの視点を取り入れる
新人のうちは、自分だけでコードの正しさを判断するのは難しいため、コードレビューやペアプログラミングを積極的に活用するのがオススメ です。
- 「この変更で、本当に問題が解決しているか?」と聞いてみる
- 「修正した理由を説明する」習慣をつける
- 「このコード、もっと良くできる方法ありますか?」とアドバイスを求める
「正しく動くコードを書く経験」 を積むことで、徐々に 「なぜ動いたのか」を理解できるようになっていきます。
まとめ
新人エンジニアの「動きました!」には、エラーが消えたことへの安堵感と同時に、「本当に正しく動いているのか?」という不安 が隠れています。
しかし、「動いた」=「正しい」ではない ことを理解し、以下のポイントを意識することで、より確実なコードを書けるようになります。
- 「なぜ動いたのか?」を説明できるようにする
- テストを行い、確実に動作することを確認する
- 影響範囲を考え、安全な修正を意識する
- 先輩エンジニアのフィードバックを活用する
「動きました!」が単なる一時的な成功ではなく、自信を持って「正しく動作します!」と言えるようになることが、新人エンジニアの成長につながります。