【エンジニアあるある】「あと5分で終わる」が1時間後に終わる理由

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

エンジニアリングの現場や個人開発で、こう思った経験はありませんか?

「この作業はすぐに終わるから、あと5分だけで十分。」

でも、気づいたら時計の針は1時間以上進んでいた――そんな経験をしたことがある方も少なくないでしょう。この「あと5分で終わる」が結果的に大幅な時間超過になる現象は、エンジニア界隈では「あるあるネタ」として広く知られています。

しかし、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?今回は、その理由を深掘りし、エンジニアリングにおける特有の課題を明らかにします。また、同じ状況に陥らないための具体的な対策や時間管理のポイントについても解説します。

「あと5分で終わる」と言ってしまう心理

まずは、「あと5分で終わる」と軽率に発言してしまう背景について考えてみましょう。この言葉には以下のような心理的要因が影響しています。

過去の経験に基づく過信

エンジニアは、日々の業務で数多くの課題を解決してきています。その結果、「これくらいの問題なら短時間で片付く」と、過去の成功体験に引っ張られることがあります。しかし、実際には状況が異なるため、時間が余計にかかることがあるのです。

相手を安心させたい気持ち

上司やチームメンバー、クライアントから「どのくらいで終わる?」と聞かれた際に、相手を安心させるために「もう少しで終わります」と伝えてしまうことがあります。しかし、予想外の問題が発生し、約束の時間を大幅に超過するリスクを伴うこともあります。

問題の複雑さを過小評価する

技術的な課題を「表面的な問題」だと見誤り、簡単に解決できると考えてしまう場合もあります。しかし、実際に作業を始めると、関連部分のコードや設定など、思いのほか多くの修正が必要だと判明することが多々あります。

時間感覚のズレ

特に集中力が高まっている状態では、時間の経過を認識しづらくなることがあります。エンジニアリングの仕事では、時間を忘れるほど没頭することが多く、「5分」の感覚が実際には30分以上になっていることがよくあります。

「あと5分」が1時間に膨らむ具体的な理由

では、実際に作業が予定よりも長引く理由を具体的に見ていきましょう。

ついでの最適化作業

バグを修正している途中で「この部分もついでにリファクタリングしておこう」や「パフォーマンスを改善できそうだ」と感じることがあります。こうした「ついでの作業」が連鎖的に発生し、結果的に元のタスクよりも時間がかかってしまうことがあります。

未確認の問題が次々と発生

エンジニアリングでは、ある問題を修正することで新たな問題が発生するリスクがあります。例えば、ある機能のバグ修正が別の機能に影響を及ぼし、その修正がさらに時間を要する場合があります。これが俗に言う「バグ修正のバグ」です。

環境依存のトラブル

開発環境や外部API、ライブラリのバージョンなど、予期せぬところで問題が発生することもあります。特に環境設定や外部ツールとの連携が必要な場合、単純な作業が一転して複雑な問題解決に変わることがあります。

仕様変更や追加要求

作業中に仕様変更や追加のリクエストが発生することも、時間が長引く原因です。「これを修正するついでに、ここも変更しておいてほしい」と依頼されるケースは珍しくありません。

集中力の持続による時間感覚の麻痺

エンジニアリングは、集中力が必要な仕事です。夢中になって作業を進めるうちに、5分の感覚が実際には1時間以上だったということがしばしば起こります。

この問題を解決するための対策

では、この「あと5分」が1時間になる現象を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?以下に具体的な対策を挙げてみます。

現実的な時間見積もりを心がける

タスクの見積もりには余裕を持たせることが重要です。「想定時間の1.5倍~2倍」を基本に考え、不確定要素を含めた見積もりを行うと良いでしょう。特に、新しい技術やツールを扱う場合は、見積もりを甘くしないように注意してください。

作業を細分化する

大きなタスクを細かく分解することで、進捗が把握しやすくなります。例えば、「コード修正」といった曖昧なタスクではなく、「関数Aの修正」「テストケースの追加」「動作確認」といった具体的なステップに分けると、時間の見積もりがより正確になります。

タイマーを活用して時間を管理

時間管理の手段としてタイマーを活用するのも効果的です。「ポモドーロ・テクニック」を取り入れ、25分作業+5分休憩のサイクルを実践することで、時間感覚のズレを防ぎつつ、集中力を維持できます。

適切なコミュニケーションを心がける

周囲に進捗を報告する際、「あと5分で終わる」と軽く伝えるのではなく、「30分程度で完了予定ですが、状況によってはそれ以上かかる可能性があります」といった慎重な表現を使いましょう。これにより、相手の期待値を適切に調整することができます。

過去の作業を記録して学ぶ

作業ログを記録しておくことで、同じようなタスクの時間見積もりを改善できます。例えば、「同じ種類のバグ修正には平均1時間かかる」といった傾向を把握することで、より現実的なスケジュールが立てられるようになります。

自分の作業習慣を見直す

「ついで作業」を防ぐために、作業範囲を明確に限定し、「これ以上は次回のタスクで対応する」と自分に言い聞かせることも重要です。

まとめ

「あと5分で終わる」が1時間に膨らむ現象には、エンジニア特有の心理や作業環境の問題が関わっています。これを防ぐには、現実的な見積もりやタスクの細分化、適切な時間管理などを徹底することが必要です。

エンジニアリングには予期せぬトラブルがつきものですが、今回紹介した対策を取り入れることで、無駄な時間を削減し、より効率的に作業を進めることが可能になります。次回「あと5分で終わる」と感じたときは、少し立ち止まって本当にその時間で終わるのかを再考してみてください。それだけでも、時間の使い方に大きな変化が生まれるでしょう。