
プログラミング言語別の年収ランキングから考える!PjMが教える「稼げるエンジニア」のキャリア戦略
お疲れ様です!IT業界で働くアライグマです!
この記事では、プログラミング言語ごとの年収傾向と、それを踏まえたキャリア戦略について、私自身のPjM(プロジェクトマネージャー)としての経験を交えながら詳しく解説していきます。
「どの言語を学べば給料が上がるのか?」という疑問は、エンジニアなら誰もが一度は抱くものです。しかし、単に年収ランキングの上位にある言語を選べばよいというほど、現場の事情は単純ではありません。採用側の視点やプロジェクトの予算感、そして技術トレンドの波をどう捉えるかが、あなたの市場価値を大きく左右します。
プログラミング言語と年収の相関関係:現場PjMが感じるリアル
ここでは、プログラミング言語ごとの年収差がなぜ生まれるのか、そして現場で実際にどのような悩みが生まれているのかを整理します。
多くのエンジニアの方が、「今の言語のままでいいのだろうか」「もっと新しい言語を覚えないと市場価値が下がるのではないか」という漠然とした不安を抱えています。特に、数年経験を積んで業務に慣れてきたタイミングで、ふと求人サイトを見たときに、自分の扱っている言語と他の言語(例えばGoやRust、Scalaなど)との単価の差に愕然とするケースは少なくありません。
読者が抱える「言語選び」の悩み
私の元にも、メンバーや後輩エンジニアから次のような相談がよく寄せられます。
- 「Javaはずっとやっていますが、単価が頭打ち感があります。やっぱりGoとかやったほうがいいですか?」
- 「PythonはAI需要で高いと聞きますが、Web開発しか経験がない自分でも単価アップできますか?」
- 「マイナーだけど単価が高い言語に挑戦したいですが、案件が見つかるか不安です」
このような悩みは非常に切実です。技術はあくまで課題解決の手段ですが、選ぶ手段(言語)によって、エンジニア個人の収入レンジがある程度固定されてしまう側面は否定できません。PjMとして採用に関わっていても、予算枠の中で「この言語の経験者ならこれくらいの単価」という相場観は明確に存在します。
なぜ言語によって年収に差が出るのか
PjMの視点でお話しすると、言語による年収差は「需給バランス」と「解決できる課題の難易度・重要度」の掛け算で決まっています。
例えば、GoやRustなどの比較的新しい言語が高年収になりやすいのは、単に新しいからではありません。これらの言語が採用されるプロジェクトは、大規模なトラフィック処理や高いパフォーマンスが求められる「モダンで難易度の高い開発」であることが多いからです。つまり、「その言語ができること」自体に価値があるというより、「その言語を採用するような高度なプロジェクトを遂行できるスキルセット」に高い報酬が支払われているのです。
逆に、PHPやJavaなどは案件数が膨大ですが、レガシーな保守案件からモダンな新規開発まで幅広いため、平均すると年収がマイルドに見えることがあります。しかし、これらも高度な設計スキルがあれば十分に高単価を狙えます。
ここで重要なのは、「年収が高い言語=学ぶべき言語」と短絡的に考えないことです。その言語が使われている背景(ドメインや企業フェーズ)を理解せずに飛び込むと、思わぬミスマッチに苦しむことになります。転職と副業のかけ算 などのキャリア本も参考にしながら、「どの言語でどんな価値を出したいのか」を一度整理してみてください。
PjMとしても、単に「流行りの言語が書ける人」よりも、「なぜその言語が必要なのかを理解し、プロジェクトの課題に合わせて技術選定できる人」に高い報酬を支払いたいと考えます。次のセクションからは、実際にあった失敗例と成功例を見ていきましょう。

ケーススタディ1:年収ランキング上位の言語に飛びついて失敗した事例
ここでは、実際に「年収ランキング」だけを頼りにキャリアチェンジを試み、うまくいかなかった事例を紹介します。
このケースは、ある中堅エンジニアAさんが陥った「希少言語の落とし穴」とも言えるパターンです。Aさんは実力のある方でしたが、戦略の順序を少し間違えてしまったことで、キャリアの停滞期を経験することになりました。
どのような状況だったか
Aさんは、元々Webアプリケーションの開発でPHP(Laravel)をメインに使っていました。経験年数は5年ほどで、リーダー経験もありました。しかし、ある年の「プログラミング言語別年収ランキング」を見て、自分の年収が市場平均より低いことに焦りを感じたそうです。
そこで彼は、当時ランキング上位にあり、かつ非常にニッチで高単価と言われていた関数型言語(仮に言語Xとします)の習得に全力を注ぎました。独学で基礎をマスターし、ポートフォリオも作成して、意気揚々と転職活動を始めました。
「これだけ希少価値のある言語を使えるようになれば、年収1000万も夢ではない」
そう信じていたAさんですが、現実は厳しいものでした。
なぜうまくいかなかったのか
結論から言うと、「案件数の絶対量が少なすぎた」ことと、「言語以外のドメイン知識が不足していた」ことが原因でした。
- 案件のミスマッチ: 言語Xを採用している企業は国内に数社しかなく、しかもそのほとんどが金融工学や高度な数理処理を必要とする特定の分野でした。Web開発の経験しかないAさんには、言語スキル以前に業務知識の壁が高すぎました。
- 実務未経験の壁: ニッチな言語ほど、即戦力が求められます。「ポテンシャル採用」の枠は非常に狭く、実務未経験で雇ってくれる高単価案件は皆無でした。
- 競争相手のレベル: その言語を使っている既存のエンジニアたちは、コンピュータサイエンスの深い知識を持つ猛者ばかりでした。Aさんは「言語の文法」は知っていても、「その言語のパラダイムを活かした設計」レベルでは太刀打ちできませんでした。
スキルミスマッチを防ぐ!エンジニアが転職前に確認すべき3つのポイント
当時の自分やチームの認識ギャップ
私が当時、Aさんの相談に乗った際に感じたのは、「高単価にはそれ相応の理由(リスクや参入障壁)がある」という認識の欠如でした。
PjMの視点で見ると、マイナー言語の採用はリスクが高い判断です。エンジニアが集まりにくいからです。それでもその言語を採用しているプロジェクトは、技術的な必然性が非常に高いか、あるいはCTOの強いこだわりがあるケースに限られます。
Aさんは「言語を変えれば年収が上がる」と考えていましたが、実際には「高年収を得られるような困難な課題を解決するために、たまたまその言語が使われている」という因果関係が逆だったのです。結果として、AさんはPHPの現場に戻り、設計スキルを高めることで単価アップを目指す道を選び直しました。エッセンシャル思考 のような思考法の本を活用し、「なぜその選択をしたのか」を言語化する習慣を付けることも重要です。
このように、単に「高いから」という理由で言語を選ぶと、自分が戦えるフィールドを見失ってしまうリスクがあります。自分の強みと、その言語が求められている市場のニーズがマッチしているかを冷静に見極める必要があります。

ケーススタディ2:得意言語を軸にキャリアを拡張して年収アップした事例
次に、戦略的に言語スキルを拡張し、見事に年収アップと市場価値向上を実現したBさんの事例を紹介します。
Bさんの成功要因は、既存のスキルを捨てて新しいものに飛びつくのではなく、「軸足」を残したまま、隣接する領域へ少しずつ守備範囲を広げたことにあります。これは多くのエンジニアにとって再現性の高い戦略です。
どのような打ち手を試したのか
BさんはJavaでの業務システム開発に長年携わっていました。堅牢な設計や静的型付け言語のメリットを深く理解していましたが、レガシーな環境に閉塞感も感じていました。そこで彼が選んだのは、Javaの経験(静的型付け、大規模開発の知見)を活かしやすい「Go言語(Golang)」へのシフトでした。
いきなり転職するのではなく、以下のステップを踏みました。
- 社内での提案: 当時所属していた会社で、新規のマイクロサービス開発プロジェクトが立ち上がる際、パフォーマンス要件を理由にGo言語の採用をPjMに提案しました。
- ハイブリッドな関わり方: Javaの既存システムの保守リーダーを務めつつ、Goの新規開発にも携わるという「二足のわらじ」を履くことで、会社にとってのリスクを減らしながら実績を作りました。
- クラウドネイティブ技術の習得: 言語だけでなく、Goと相性の良いDocker/KubernetesやAWSなどのインフラ周りのスキルも同時にキャッチアップしました。
結果として何が変わったのか
この戦略は見事にハマりました。Bさんは「Javaによる大規模開発の作法を知りつつ、Goとコンテナ技術でモダンな開発もリードできるエンジニア」という独自のポジションを確立しました。
PjMとしての私の視点でも、Bさんのような人材は喉から手が出るほど欲しい存在です。なぜなら、完全なモダン環境しか知らない若手エンジニアよりも、レガシーシステムの勘所を押さえた上でリプレイスを推進できるベテランの方が、実際の現場では圧倒的に重宝されるからです。
レガシーシステムからの脱却!PjMが語るマイグレーション成功の鍵
結果として、Bさんはその実績を提げて転職し、年収を約1.5倍に伸ばすことができました。採用面接では「Goが書けること」以上に、「JavaからGoへの移行プロセスにおける課題解決能力」が高く評価されたそうです。チーム・ジャーニー のようなチーム開発本を読みながら、自分がチームにどう貢献してきたかも整理しておくと評価されやすくなります。
成功のポイント:PjMが評価する「T型人材」
Bさんの勝因は、「強みの掛け算」です。
- 既存スキルの深掘り(縦軸): Java、オブジェクト指向、ドメイン駆動設計
- 周辺技術への広がり(横軸): Go言語、クラウドインフラ、マイクロサービス
このように、一つの言語を深く極めた経験がある人は、別の言語を学ぶ際も「なぜこの言語はこういう仕様なのか」「メモリ管理はどうなっているか」といった本質的な部分を素早く理解できます。これが、単に文法を暗記しただけの人との決定的な差になります。
年収を上げるためには、言語単体の人気投票に惑わされず、「今の自分のスキルセットに何を足せば、最もレバレッジが効くか」を考えることが重要です。

市場価値を高めるための具体的な行動ステップ
最後に、あなたが明日から実践できる具体的なアクションプランを提案します。
「どの言語をやるか」だけでなく、「どうやってそのスキルを市場価値に変えるか」という視点で、以下のステップを検討してみてください。PjMとして採用選考や単価交渉をする際、特に重視しているポイントをベースに構成しています。
Step 1:現在の「軸」と市場の「ズレ」を確認する(〜1週間)
まずは現状分析です。自分の得意な言語が市場でどう評価されているか、客観的なデータを見てみましょう。
- 求人サイトの検索: 自分のメイン言語で検索し、年収レンジの上限と下限を確認します。「年収800万以上」の案件には、言語以外にどんなキーワード(例:AWS、リードエンジニア、英語など)が含まれているかメモしてください。
- 周辺技術の棚卸し: 言語そのものだけでなく、フレームワーク、DB、インフラ、ツールなど、自分が扱える技術スタックをすべて書き出します。
この作業をすることで、「言語を変えるべきか」それとも「言語はそのままで、マネジメントやインフラなど別の武器を足すべきか」が見えてきます。
Step 2:次に学ぶ言語を「戦略的」に選定する(2週間〜1ヶ月)
もし新しい言語を学ぶなら、以下の基準で選んでみてください。
- 今の言語とパラダイムが異なるもの: 動的型付け言語(PHP/Ruby/Python)がメインなら、静的型付け言語(Go/TypeScript/Java)を学ぶ。これにより、プログラミングに対する解像度が劇的に上がります。
- 自分の業界(ドメイン)で需要が伸びているもの: Web系ならGoやTypeScript、データ系ならPythonやRustなど、自分が勝負したいフィールドで「勝ち馬」に乗っている言語を選びます。
- 単価と求人数のバランス: あまりにニッチすぎず、かつ供給過多になっていない「スイートスポット」を探します。
エンジニアのスキルマップ作成法:自分の強みを可視化して市場価値を知る
Step 3:実務または「実務に近い形」でアウトプットする(継続)
学習した言語は、実務で使って初めて評価対象になります。しかし、いきなり実務投入が難しい場合は、以下の方法で「実務力」をアピールする準備をしましょう。
- 社内ツールの開発: 業務で使う小さなCLIツールやBotなどを、新しい言語で作ってみる。これなら失敗してもリスクが低く、導入実績としてアピールできます。
- OSSへのコントリビュート: その言語の有名ライブラリのドキュメント修正やバグ修正を行う。これはコードが書けることの強力な証明になります。
- 技術ブログでの発信: 「〇〇言語で××な実装をしてハマった話」など、苦労したプロセスを発信します。PjMや採用担当は、成功談よりもトラブルシューティングの過程にエンジニアの力量を感じ取ります。
重要なのは、「勉強しました」ではなく「使って課題を解決しました」と言える状態を作ることです。ここまで準備できれば、単価交渉や転職活動での説得力が格段に増します。ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 のような習慣づくりの本を活用し、日々の小さなアクションを積み上げていきましょう。

まとめ
今回は、プログラミング言語別の年収ランキングをテーマに、PjM視点でのキャリア戦略についてお話ししました。
記事のポイントを改めて整理します。
- 年収ランキングは「結果」であり「目的」ではない:高い言語には、高いなりの理由(難易度や専門性)があることを理解しましょう。
- 希少性だけで勝負しない:案件数が少なすぎる言語への一本足打法はリスクが高いです。需要と供給のバランスを見極めることが大切です。
- 既存スキルとの掛け算を意識する:今ある強みを軸に、相性の良い言語や技術を組み合わせることで、独自の市場価値(タグ)を作ることができます。
- 小さく試して実績を作る:いきなり転職するのではなく、社内ツールやサイドプロジェクトで「使った実績」を作ることが、キャリアアップへの近道です。
エンジニアにとって、プログラミング言語は武士の「刀」のようなものです。名刀(高単価な言語)を手に入れることも大切ですが、それ以上に重要なのは、その刀を使って「誰の、どんな問題を解決するか」という剣術(エンジニアリング能力)そのものです。
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