チケット管理の七不思議:永遠に終わらないチケット、仕様変更を繰り返す担当者

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

ソフトウェア開発において、チケット管理はプロジェクトの進捗を可視化し、タスクを整理する重要な役割を果たします。しかし、エンジニアなら誰しも一度は「なぜこのチケットは終わらないのか?」「なぜ仕様がコロコロ変わるのか?」と頭を抱えたことがあるのではないでしょうか。

本記事では、チケット管理の七不思議とも言える問題点を深掘りし、なぜ発生するのか、どうすれば回避できるのかを考察します。

永遠に終わらないチケット

終わりの見えない要件追加

「あとこれもお願い」「ついでにこの機能も追加してほしい」— 開発が進むにつれ、要件がどんどん増えていくケースはよくあります。本来1週間で終わるはずだったタスクが、気づけば1カ月以上かかることに。チケットをクローズできない原因の多くは、要件の肥大化にあります。

解決策

  • 要件の追加は新しいチケットとして管理し、既存のチケットを膨らませない
  • チケットのスコープを明確にし、作業範囲を限定する
  • PO(プロダクトオーナー)やPM(プロジェクトマネージャー)と合意を取りながら進める
  • 変更が必要な場合は影響範囲を明確にし、開発者と事前に協議する
  • タスクの細分化を行い、各チケットが適切なサイズであることを確認する

レビューが終わらない

コードを書き終わってプルリクエストを出しても、なかなかレビューが進まず、チケットが塩漬けになることがあります。「レビュー待ち地獄」にハマると、作業がストップし、生産性が大きく低下します。

解決策

  • 事前にレビューアーをアサインし、責任者を明確にする
  • レビューが滞った場合、期限を設けて催促する仕組みを作る
  • ペアプログラミングやモブプログラミングで事前にコード品質を上げる
  • 自動テストの導入を進め、レビューの負担を軽減する
  • コードレビューガイドラインを作成し、効率的なレビューを実施する

仕様変更を繰り返す担当者

何度も変わる仕様

「やっぱりこの仕様ではダメでした」「クライアントの要望が変わりました」— 仕様変更が頻繁に起こると、エンジニアの負担は増え、開発のモチベーションも下がります。特に、チケットを完了間近にしたタイミングでの仕様変更は最悪です。

解決策

  • 仕様を確定させる前に、関係者間で十分に議論する
  • ドキュメント化し、仕様変更の履歴を明確に残す
  • 仕様変更を受け付ける際には、新たなチケットとして管理する
  • 変更の影響範囲を正しく評価し、スケジュールへの影響を関係者と共有する
  • 変更要求の頻度を減らすために、プロトタイピングを活用する

「ついでにこれも」症候群

開発中に「ついでにこれもやってほしい」と言われると、チケットの範囲がどんどん拡大してしまいます。結果として、作業が遅れ、納期に間に合わなくなることも。

解決策

  • 「ついでに」の依頼は、基本的に新しいチケットとして扱う
  • 明確な優先順位を設定し、必要なタスクと不要なタスクを区別する
  • 「このチケットはこれ以上の作業を含めません」と明確に伝える
  • 開発フェーズごとに明確なゴールを設定し、それを超えた作業は次回以降のスプリントに回す

その他のチケット管理の不思議

誰も手を付けないチケット

「このチケット、ずっと放置されてない?」— 誰も担当したがらないチケットが存在するのも、チケット管理の不思議の一つです。特に、難易度が高い、責任が重い、誰がやるべきか不明なタスクは放置されがちです。

解決策

  • タスクの優先順位を定期的に見直し、アサインを明確にする
  • 「誰でもできるタスク」ではなく、具体的な担当者を設定する
  • 難易度の高いタスクはペアプログラミングやメンター制度を活用する
  • タスクの難易度を評価し、事前に技術的なサポート体制を整える

クローズしたはずのチケットが蘇る

「このチケット、もうクローズしたのに、また開いてる…?」— 修正が不十分だったり、新たな問題が発生したりすると、クローズしたはずのチケットが再オープンされることがあります。

解決策

  • QA(品質保証)プロセスを強化し、バグの見落としを防ぐ
  • 仕様変更が発生した場合、新しいチケットとして扱う
  • 過去のチケットを振り返り、類似の問題を防ぐ
  • バグ修正後のリグレッションテストを徹底する
  • 自動テストのカバレッジを向上させ、品質保証を強化する

まとめ

チケット管理には、さまざまな「七不思議」が存在します。特に、永遠に終わらないチケットや、仕様変更を繰り返す担当者への対応が重要です。

  • チケットのスコープを明確にし、無駄な要件追加を防ぐ
  • レビュー待ちや仕様変更に対して、プロセスを整備する
  • 担当者を明確にし、放置されるチケットを減らす
  • QA体制を強化し、品質を担保する仕組みを作る

適切なチケット管理を行うことで、開発チームの生産性を向上させ、よりスムーズな開発が実現できます。チケット管理の七不思議に惑わされず、効率的にプロジェクトを進めていきましょう!