開発現場はなぜ常に人手不足なのか

こんばんは!

IT業界で働くアライグマです。

 

IT業界の開発現場において、「人手不足」や「リソース不足」という言葉はもはや聞き慣れたフレーズです。

システム開発やソフトウェア開発のプロジェクトに関わるエンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャーなど、各分野の人材が求められていますが、なぜいつも人手が足りないのでしょうか?

その背景には、技術の進化や働き方の変化、さらにはグローバルな競争といった複雑な要因が関係しています。

この記事では、開発現場が常に人手不足に悩まされる理由を詳しく解説します。

 

技術の急速な進化と複雑化

IT業界の技術は日進月歩で進化しています。

新しいプログラミング言語、フレームワーク、ツールが次々と登場し、それに伴ってプロジェクトの要件も変化していきます。

たとえば、数年前には主流だった技術が今では古くなり、新しい技術が急速に採用されることが多くあります。(私が実際に聞いたことがあるのは、Ruby On RailsやLaravel → GoやPythonにリプレイスする案件です)

そのため、現場で活躍するエンジニアも絶えず新しいスキルを習得しなければなりません。

しかし、新技術を短期間でマスターするのは難しく、既存の技術だけではプロジェクトに対応できない場面が増えています。

企業はすぐに使えるスキルを持ったエンジニアを求めますが、そうしたエンジニアは限られているため、結果として人手不足に繋がっています。

即戦力を求める一方で、育成に時間を割けない

企業側は多くの場合、即戦力となるエンジニアを求めます。

特に大規模プロジェクトや納期の厳しい案件では、新人や未経験者をじっくり育てる余裕がありません。

そのため、すぐに業務に適応できる経験豊富なエンジニアを採用しようとしますが、経験豊富な人材は数が限られており、採用競争が激化します。

さらに、若手や新人エンジニアの育成に必要な時間とリソースが不足していることも、人手不足の要因です。

多くの企業では、新人を現場で育てるための教育プログラムやOJTが十分に整備されていないため、若手が成長する前に負担が増え、モチベーションを失い離職することも少なくありません。

 

労働環境の厳しさと離職率の高さ

IT業界はプロジェクトの納期やクライアントからの要求が厳しいため、労働時間が長くなりがちです。

長時間労働や過度なストレスが原因でエンジニアが燃え尽きてしまう「バーンアウト」現象が問題視されており、これが離職率の高さに繋がっています。(私も前職は、過重労働が原因で退職しました)

特に優秀なエンジニアほど過酷な労働環境に耐えきれず、フリーランスや別の業界に転職するケースが増えています。

このような状況が続くと、開発現場には経験豊富なエンジニアが残らず、プロジェクトの進行が停滞することになり、新しい人材の確保が難しくなってしまいます。

フリーランスやリモートワークの増加

ここ数年、フリーランスとして活動するエンジニアが増加しています。

フリーランスエンジニアは企業に縛られず、プロジェクト単位で自由に仕事を選ぶことができ、特に高い技術力を持つエンジニアは多くの案件から引っ張りだこです。

こうした状況は、企業にとって正社員のエンジニアを確保するハードルを上げており、特に長期的なプロジェクトにおいて人材の安定的な供給が難しくなっています。

また、リモートワークの普及により、国内外を問わず優秀なエンジニアが様々な企業からオファーを受けるようになり、グローバルな競争が激化しています。

国内の企業が優秀なエンジニアを確保するためには、競争力のある給与や労働環境の整備が求められますが、それを実現できる企業は限られているため、人手不足が続いています。

 

新しい働き方に適応しきれない企業文化

多くの企業がリモートワークや柔軟な働き方を導入しつつありますが、依然としてオフィスでの勤務や厳格な出勤制度にこだわる企業も多いです。

特に、従来型の企業文化に馴染んでいる管理職や経営層が多い企業では、リモートワークに対する不安や抵抗感が強いため、優秀なエンジニアが他の柔軟な企業に流れてしまうことがしばしば見受けられます。

私の前々職は基本的にリモート勤務やフレックス制度はなく、リモート勤務の必要が出てきた場合でも、WEBカメラ常時ONがルールでした…。

大手企業やスタートアップの魅力的なオファー

ITエンジニアにとって、大手企業やスタートアップは魅力的な選択肢です。

特に、スタートアップではチャレンジングな環境や新技術の導入が進んでいるため、成長意欲の高いエンジニアにとって魅力的な職場です。

また、大手企業は高い給与や福利厚生を提供しており、安定した環境を求めるエンジニアには人気があります。

その結果、中小企業(特に特徴のないSES企業)は、その企業独自の優位性が見いだせないことから人材の確保が難しくなり、常に人手不足の状態に陥ってしまいます。

 

まとめ

開発現場が常に人手不足である理由は、多岐にわたります。

技術の進化に伴うスキル不足や育成体制の遅れ、そしてフリーランスの増加やリモートワークの普及など、様々な要因が絡み合っています。

これからの開発現場では、単に人材を確保するだけでなく、長期的な視点での育成や労働環境の改善が求められます。

企業は新技術に精通した即戦力を追い求めるだけでなく、将来的に成長する可能性のある若手エンジニアを育成し、彼らが働きやすい環境を整えることが不可欠です。

また、リモートワークや柔軟な働き方に対応し、グローバルな競争にも勝てる体制を築くことで、人手不足の問題を解消していくことができるのではないでしょうか。