なぜ駆け出しエンジニアはフルリモート・副業・フリーランスを求めるのか

2024年9月10日

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

近年、IT業界において「フルリモート」「副業」「フリーランス」といった働き方が広まり、特に駆け出しエンジニアたちがこれらを強く求める姿勢が目立っています。一見すると、働き方の柔軟性や自己成長を志向したポジティブな選択のように見えますが、実際には異なる動機が潜んでいる可能性があります。

私が実際に会った中で、これらの働きかたを求める駆け出しエンジニアは下記の傾向があるように感じました。

  • 努力はしたくないけど楽して稼ぎたい
  • だけど業務を覚えるのは遅い
  • 長期的なキャリア・プランを持っていない

この記事では、これらの働き方を求める駆け出しエンジニアの背景に焦点を当てていこうと思います。

責任と監視の回避

フルリモートを求める駆け出しエンジニアの一部は、オフィスでの厳密な管理や監視から解放されたいと感じているかもしれません。オフィスでは上司や同僚が常に周囲にいて、進捗や働きぶりが直接確認される環境にありますが、リモートワークではそのような物理的な監視がないため、自己管理の自由度が高まります。これにより、自分のペースで仕事を進められるというメリットが生まれ、特に集中しやすい環境で成果を上げたいと考えるエンジニアにとっては魅力的です。

一方で、フルリモートの環境では、自己管理能力が重要となります。自分の進捗をしっかりと報告し、仕事の成果を適切に示すことが必要です。そのため、効率的に成果を上げつつも、自由な働き方を実現するためには、自己管理と責任感が重要な要素となります。リモートワークは、柔軟性を提供しつつも、自己成長やチームへの貢献が必要な環境でもあると言えます。

副業による短期的利益の追求

副業を積極的に行おうとする駆け出しエンジニアたちは、実際には会社の給与に満足していないだけでなく、短期的な利益に固執している場合もあります。駆け出しエンジニアの初任給はそれほど高くないことが多いですが、ここで会社での長期的なキャリア形成よりも、副業で手軽に収入を増やすことに注力してしまう傾向があるように感じます。

副業を行うことで、今すぐにでも手元にお金が入るという短期的なメリットを重視し、長期的なキャリアビジョンやスキルアップの重要性が後回しにされてしまうことも考慮すべきです。副業を始めるエンジニアの中には、企業の成長やチームの成功にコミットせず、自分の利益だけを最優先する姿勢が見られる場合も少なくありません。

スキルが伴っていない状態で、副業感覚でクラウドソーシングサイトで受託開発を請け負ったりすることは、請負先と依頼主のお互いが不幸になる未来しか見えないのでお勧めしないです。

フリーランスを目指す心理

フリーランスの働き方を望む駆け出しエンジニアの背景には、会社での責任や評価から逃れるための意識が潜んでいることもあります。企業に所属している場合、チームの一員としてプロジェクトの責任を負わなければならない一方、フリーランスとして働くことで、プロジェクトの一部だけにコミットし、全体的な責任からは逃れたいという気持ちも働いているように感じます。フリーランスの方は、会社員によくある評価面談や目標設定といった作業が嫌いな方も多いです。(私も好きではない)

SES型のフリーランスでは、稼働時間が下限を超えていれば、プロジェクトが失敗した場合でも自分の責任とならないことがほとんどです。こうした状況が、怠慢な駆け出しエンジニアたちがフリーランスという道を選ぶ理由の一つだと感じています。フリーランスになったけど「責任を取りたくない」という理由で会社員に戻らないまま歳をとり、会社員に戻りたくても戻れず、止む無くフリーランスを継続している人も多数観測しています。

安易にフリーランスを目指さず、今後のキャリアについて慎重に考えるべきだとは思います。

努力の不均衡と「稼ぎたい」精神

まだ実務経験やスキルが十分でない段階にも関わらず、「努力はしたくないけど楽して稼ぎたい」という精神が根底にあるケースも見られます。フルリモートや副業、フリーランスの働き方は、その表向きの自由さや収入の可能性から、努力を最小限にして利益を得たいという考えを助長することがあります。

特にSES型フリーランスでは、(繰り返しになってしまいますが)定められた月の稼働時間の下限さえ超えていれば報酬が得られるため、長期的なスキルアップやチームへの貢献よりも、短期的な金銭的利益にしか集中していない方もいます。こうした思考は、努力と成果の不均衡を生み出し、結果として自分自身の成長を阻害することにもつながりかねません。

また、2020年頃に未経験者向けのプログラミングスクールが乱立し、「フリーランスになって三か月で単価50万!」、「時間と場所にとらわれず、フリーランスになって半年で年収一千万!」というキャッチコピーで宣伝広告が溢れ返っていたことも大きな要因かと思います。これらの広告を見て、他業種の方が「フリーランスエンジニアは楽して稼げる!」と認識してしまうことは、ある意味しょうがなかったのかもしれません。

まとめ

駆け出しエンジニアがフルリモート、副業、フリーランスを求める背景には、自由や成長を謳う一方で、実際には責任回避、短期的利益の追求、努力を最小化する意識が存在していることが多いです。こうした働き方を選択する際には、表面的な利点だけでなく、その裏に潜むリスクにも目を向ける必要があります。

フルリモートや副業、フリーランスの働き方には確かにメリットも存在しますが、これらを追求する際には、自らの責任や成長に対する意識を持ち続けることが重要です。さもなければ、短期的な利益を追求するあまり、キャリア全体に悪影響を及ぼす結果となるでしょう。