若手の『デザインもできます!』に驚く、コーディング専門世代

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

近年、フロントエンドエンジニアのスキルセットはますます広がりを見せています。「コーディングもデザインもできます!」という若手エンジニアが増えている一方で、昔ながらのエンジニアはこの流れに驚きを隠せません。

コーディングとデザインは、以前は明確に分業されていました。エンジニアはコーディングに専念し、デザイナーがUI/UXを設計するのが一般的だったのです。しかし、現在は「デザインもできるエンジニア」が求められる時代となりつつあります。この変化がなぜ起こったのか、そして両者の違いについて考えてみましょう。

昔のエンジニアはコーディングに特化していた

かつてのWeb開発の現場では、エンジニアとデザイナーの役割は完全に分かれていました。以下のような役割分担が一般的でした。

  • デザイナー:PhotoshopやIllustratorを使ってデザインカンプを作成
  • エンジニア:デザイナーが作ったカンプをもとにHTML/CSSでコーディング

特にHTML/CSSの記述はエンジニアの仕事とされていましたが、デザインに関する知識がなくても業務は成立していました。しかし、現在は状況が変わりつつあります。

なぜ「デザインもできるエンジニア」が増えたのか?

デザインツールの進化

従来のPhotoshopやIllustratorは習得が難しく、エンジニアがデザインに手を出すのはハードルが高いものでした。しかし、FigmaやAdobe XDといったツールの登場により、デザインの敷居が大幅に下がりました

これらのツールは直感的に使え、エンジニアでも簡単にワイヤーフレームやUIデザインを作成できます。そのため、「デザインもできるエンジニア」が増えてきたのです。

フロントエンド技術の高度化

近年のフロントエンド開発では、CSSフレームワークやコンポーネント指向のUI設計が主流となり、エンジニアもデザインを意識せざるを得なくなりました。特に以下の技術の発展が、デザインとコーディングの垣根をなくす要因になっています。

  • CSSフレームワーク(Bootstrap、Tailwind CSS)
  • デザインシステム(Material Design、Ant Design)
  • コンポーネント指向開発(React、Vue.js)

これにより、デザインの基本を理解したエンジニアが、実際にデザインを調整する場面が増えてきました

小規模開発の増加

スタートアップや個人開発では、デザイナーを雇う余裕がない場合も多いです。そのため、エンジニアがデザインまで担当するケースが増えています

特に、UI/UXを考慮しながら開発できるエンジニアは市場価値が高く、企業からの需要も増えています。「デザインもできるエンジニア」が当たり前になりつつあるのは、こうした背景があるのです。

コーディング専門世代が感じる戸惑い

「デザインはデザイナーの仕事」という価値観

昔のエンジニアは「デザインは専門職」という意識が強く、デザイナーとの協業が前提でした。そのため、エンジニアがデザインを担当することに違和感を覚える人も少なくありません

デザインセンスの壁

「コードは書けるが、デザインセンスはない」と感じるエンジニアも多いです。デザインには視覚的なバランスや色彩理論など、感覚的な要素が求められるため、習得が難しいと感じる人もいます

「やることが増えすぎる」問題

エンジニアは本来、プログラムの設計やパフォーマンスの最適化に注力すべきです。しかし、デザインまで求められると、業務範囲が広がりすぎて負担に感じるケースもあります

これからのエンジニアに求められるスキルセット

今後のWeb開発では、「デザインもできるエンジニア」と「コーディングに特化したエンジニア」の両方が求められるでしょう。

  • デザインもできるエンジニアは、UI/UXの観点を持ちながら開発を進めることが求められます。
  • コーディングに特化したエンジニアは、パフォーマンス最適化やアーキテクチャ設計に強みを持つことで価値を発揮できます。

また、デザイナーとの円滑なコミュニケーション能力も重要です。デザインの基礎を理解することで、デザイナーと共通言語で話せるようになり、開発の効率も向上します。

まとめ

「デザインもできます!」という若手エンジニアの登場は、技術の進化と開発スタイルの変化がもたらしたものです。エンジニアとデザイナーの境界が曖昧になる中で、どちらのスキルもある程度持っておくことが求められる時代になりました

とはいえ、コーディングに特化したエンジニアの価値がなくなるわけではありません。それぞれの強みを活かしながら、時代に合わせてスキルを磨いていくことが大切です。