若手に理解されない!ベテランエンジニアの”昔はよかった”話

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

エンジニアの世界は日進月歩で進化し続けています。新しい技術やツールが次々と登場し、開発環境はかつてないほど便利になりました。しかし、技術の進化とともに、昔ながらの開発スタイルや価値観が薄れ、ベテランエンジニアの中には昔の方がよかったと懐かしむ人も少なくありません。

若手エンジニアからすれば、「何がそんなに違うの?」と思うかもしれませんが、ベテランエンジニアが語る“昔はよかった”話には、かつての開発環境や技術の変遷、エンジニアとしての考え方の違いが色濃く反映されています。

本記事では、ベテランエンジニアが感じる「昔の方がよかった」と思うポイントを紹介しながら、今の時代との違いや、それが本当に「よかったこと」なのかについて掘り下げていきます。

若手に理解されない!ベテランエンジニアの"昔はよかった"話

手続き型プログラミングの美学

現在、プログラミングの主流はオブジェクト指向ですが、かつては手続き型プログラミングが主流でした。C言語やPascalといった言語を使い、関数を組み立てながらシンプルかつ効率的なロジックを構築するのが当たり前の時代でした。

手続き型プログラミングの魅力は、コードの流れが明確であり、すべての処理が一目で理解できることです。関数の呼び出しとデータのやり取りが直線的に記述されているため、コードの可読性が高く、動作を完全に把握することができました。

しかし、オブジェクト指向が普及し、フレームワークが登場すると、コードの抽象化が進み、処理の流れが見えにくくなりました。今では、クラスやコンポーネントが乱立し、依存関係が複雑になることが多く、「ブラックボックス化」してしまうケースも珍しくありません。

ベテランエンジニアの中には、手続き型の方がプログラムの動きを直感的に理解できたと感じる人が多く、「最近のプログラムは構造が複雑すぎて、一目で全容を把握しにくい」と嘆く声もあります。

IDEなしの“裸のプログラミング”が当たり前だった

現在では、IntelliJ IDEA、PhpStorm、Visual Studio Code などの高機能なIDE(統合開発環境)が主流になっています。これらのツールは、コード補完、デバッガ、リファクタリング支援など、多くの便利な機能を備えています。

しかし、昔はエディタとコンパイラだけで開発を行うのが当たり前でした。

エディタはVimやEmacsのような軽量なテキストエディタが主流であり、コード補完やエラーハイライトなどの機能はほとんどありませんでした。コンパイルエラーが発生した場合、エラーメッセージをじっくり読み、どこが問題なのかを自力で探し出すスキルが求められました。

また、メモリ管理も手動で行う必要があり、ポインタの誤操作によるバグが発生すると、システム全体がクラッシュすることも珍しくありませんでした。バグを修正するには、アセンブリレベルでメモリの動きを解析する必要があり、エンジニアの腕が試される場面が多々ありました。

このような環境で鍛えられたベテランエンジニアは、最近の若手はIDEに頼りすぎていて、基礎的なデバッグスキルが身についていないのでは?と懸念することもあります。

インターネット以前の“職人の知識”

今ではGoogleやStack Overflowを使えば、ほとんどの技術的な問題は検索で解決できます。しかし、インターネットが普及する前は、技術情報の入手が今とはまったく異なっていました。

技術書や雑誌、社内のナレッジが唯一の情報源であり、特定の分野に精通したエンジニアは「職人」のように尊敬される存在でした。難しい問題に直面したときは、経験豊富な先輩エンジニアに教えを乞うのが普通であり、知識の継承が重要な役割を果たしていました

しかし、今はオープンソースの普及や技術ブログの充実により、誰でも簡単に情報を得られる時代になりました。これは大きな利点ではありますが、一方でネットに頼りすぎて、根本的な理解が浅くなっているのでは?と疑問を持つベテランもいます。

“ハードウェアを意識した”開発の時代

クラウドや仮想化技術が発展した現代では、ハードウェアの詳細を意識せずに開発できることが増えました。しかし、昔のエンジニアはメモリやCPUの制約を考慮しながら、プログラムの最適化を行うのが当たり前でした。

例えば、組み込み系の開発では、わずか数キロバイトのメモリしか使えない環境でバイト単位の最適化を求められることもありました。また、ソフトウェアの実行速度を向上させるために、CPUのキャッシュの挙動を考慮しながらコードを書くことも必要でした。

今はハードウェアの進化により、こうした最適化を意識する機会が減りましたが、ベテランの中には「昔のようにハードウェアと密接に結びついた開発ができるエンジニアが減っているのでは?」と懸念する声もあります。

“昔はよかった”は本当に良かったのか?

ここまで、ベテランエンジニアが語る「昔の方がよかった」と感じるポイントを紹介しました。しかし、実際のところ、本当に昔の方が良かったのでしょうか?

確かに、かつてのエンジニアリングは深い知識や経験が求められる世界でした。しかし、現代の開発環境の進化により、より多くの人がエンジニアとして活躍できるようになったのも事実です。

便利なツールやフレームワークの登場により、より複雑なシステムを効率的に開発できるようになり、新しい技術に挑戦できる機会も増えました。「昔はよかった」と感じるのは、単に時代の変化に対する郷愁なのかもしれません。

まとめ

昔の開発環境には、今では失われつつある技術や考え方が詰まっています。しかし、技術の進化は避けられず、過去のやり方が必ずしも最善とは限りません。

大切なのは、過去の良い部分を取り入れつつ、新しい技術にも適応していくことです。昔の経験を活かしつつ、最新の開発手法を柔軟に取り入れることが、エンジニアとして成長し続ける鍵になるのではないでしょうか。