
チケット管理あるある:優先度「低」のチケットが永遠に終わらない
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
開発チームでは、JiraやTrello、Asanaなどのチケット管理ツールを使い、タスクの進捗を整理するのが一般的です。それぞれのタスクには優先度が設定され、重要なものから順番に処理されていきます。理論上はすべてのチケットが最終的に完了するはずですが、実際には「優先度:低」のチケットが、いつまでも放置されるという状況がよく発生します。
「小さなUI調整のチケットを作ったのに、ずっと未対応のまま……」「影響は少ないバグの修正が後回しになり、1年経っても未完了……」こうした経験は、多くの開発者にとって見覚えのあるものではないでしょうか。
この記事では、なぜ「優先度:低」のチケットが永遠に終わらないのか、その原因と具体的な対策について詳しく解説していきます。
なぜ「優先度:低」のチケットは放置されるのか?
優先度が低いタスクがなかなか完了しないのには、いくつかの共通した理由があります。プロジェクトの規模やチームの構成にかかわらず、ほとんどの開発現場で同じような課題が発生しているのです。
常に「より優先度の高いタスク」が存在する
開発チームのリソースは限られており、通常はビジネス的な価値が高いタスクから順番に着手していきます。そのため、優先度の低いチケットは「時間があればやる」という位置づけになり、結果的に手をつける機会がないまま放置されることが多いのです。
例えば、新機能の開発や重要なバグ修正、リリース対応などが常に最優先となり、「些細なバグの修正」や「UIの細かい調整」は後回しにされがちです。開発チームが忙しくなればなるほど、優先度の低いタスクに割ける時間はなくなっていきます。
「低優先度=やらなくても困らない」という認識が生まれる
優先度が低いということは、緊急性がない、あるいは影響が小さいと判断されたタスクであるため、「やらなくても問題がない」という雰囲気が生まれがちです。特に、開発メンバーが忙しいと、優先度の低いタスクは「別に今やらなくても大丈夫だよね?」という空気になり、意識の外へ追いやられることがよくあります。
チケットが存在することは認識されているものの、誰もそれを気にしていない、あるいは気にはしているが手をつける余裕がない、という状況が続き、気づけば「1年前に作られたチケットが未着手のまま残っている」といった事態になりかねません。
担当者が決まらず、誰も手をつけない
開発チームでは通常、優先度の高いタスクから順番に担当者をアサインしていきます。その結果、優先度の低いタスクは「誰がやるのか」が曖昧になりがちです。
例えば、「このバグ、誰か直せる?」と聞いたときに、みんなが「今は忙しいから後でやろう」と考え、そのまま誰の担当にもならず放置されるケースはよくあります。また、「余裕がある人がやることにしよう」と決めたものの、そもそも誰も余裕がなく、結果的に誰も手をつけないまま時間が過ぎることもあります。
「優先度:低」のチケットを放置しないための対策
「優先度:低」のチケットが放置される状況を改善するには、いくつかの工夫が必要です。ただ「時間ができたらやろう」と考えているだけでは、いつまでも手をつけられないままになってしまいます。
「優先度:低」のタスクを処理する時間を意図的に確保する
開発チームのスケジュールの中に、意識的に「優先度の低いタスクを処理する時間」を組み込むことで、自然と対応が進むようになります。
例えば、以下のような方法が考えられます。
- 週に1回、「低優先度チケット処理デー」を設ける
- スプリントの最後に「余った時間で低優先度タスクを片付ける時間」を確保する
- 定例ミーティングで「放置されている低優先度チケット」を確認し、対応の優先度を再評価する
チーム全体で「優先度:低」のチケットを意識する時間を作ることで、放置される確率を減らすことができます。
チケットの整理を定期的に行い、不要なものを削除する
時間が経つと、「このタスク、本当にまだ必要なの?」という疑問が出てくることがあります。チケットを定期的に見直し、不要なものを削除することで、管理すべきタスクを適正な範囲に保つことができます。
例えば、
- 「1年以上放置されているチケットは削除またはクローズする」などのルールを設定する
- チケット作成時に「本当に必要か?」をもう一度考え、不要なものを増やさないようにする
- 定期的に「低優先度チケットの棚卸し」を実施し、優先度を見直す
こうした作業を習慣化することで、無駄なチケットが増えすぎるのを防ぐことができます。
タスクを小さく分割し、開発の合間に対応できるようにする
「優先度:低」のチケットが後回しにされる理由の一つに、「1つの作業として取り組むには面倒くさい」という心理的なハードルがあります。この問題を解決するには、チケットを細かく分割し、1つ1つの作業を小さくするのが有効です。
例えば、
- UIの調整タスクを大きなまとめチケットではなく、小さく分割する
- ちょっとしたバグ修正を「ついでにやれるタスク」としてリスト化し、開発の流れで消化する
- 「5分で終わるタスク」として扱えるように工夫する
こうすることで、開発の合間に少しずつ対応できるようになり、自然と優先度の低いチケットが減っていきます。
まとめ:放置されるチケットを減らすためにできること
優先度の低いチケットが永遠に終わらない問題を解決するには、チーム全体で意識して対応する仕組みを作ることが重要です。
- 「優先度:低」専用の処理時間を確保する
- 不要なチケットは定期的に整理・削除する
- タスクを小さく分割し、合間に対応しやすくする
こうした対策を取り入れ、優先度の低いチケットも適切に処理できる開発チームを目指しましょう!