チーム内での「命名規則」による小競り合い

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

エンジニアリングの世界において、コードの品質を左右する重要な要素のひとつが命名規則です。適切な変数名や関数名をつけることは、可読性や保守性の向上につながります。しかし、開発チーム内では「どのような命名規則を採用すべきか?」という議論がしばしば発生し、場合によっては小競り合いに発展することもあります。

本記事では、エンジニアたちが命名規則を巡って対立する理由や、スムーズな合意形成のためのアプローチについて詳しく掘り下げていきます。

チーム内での「命名規則」による小競り合い

なぜ命名規則は重要なのか?

コードは書かれる時間よりも読まれる時間のほうが圧倒的に長いと言われています。そのため、適切な命名を行うことで、他の開発者がコードを理解しやすくなり、修正や拡張がスムーズに進むようになります。

適切な命名規則のメリットは以下のようにまとめられます。

  • 可読性の向上: 命名が統一されていれば、他の開発者がすぐに意味を理解できる。
  • メンテナンス性の向上: 一貫した命名規則に従えば、コードの修正や拡張が容易になる。
  • バグの削減: 意味の明確な変数名や関数名を使用することで、意図しない動作を減らせる。
  • チーム内コミュニケーションの円滑化: 命名規則が統一されていると、コードレビューやペアプログラミングがスムーズに進む。

しかし、いざ「どの命名規則を採用するか?」となると、エンジニアの間で意見が分かれることが少なくありません。

命名規則を巡る典型的な対立パターン

キャメルケース vs. スネークケース

プログラミング言語やフレームワークによって、キャメルケース(camelCase)を使うかスネークケース(snake_case)を使うかが異なる場合があります。

  • キャメルケース派の意見
    • JavaやJavaScriptなど、多くのモダンな言語で主流。
    • クラス名や関数名に適している。
    • userProfileData のように一目で単語が区切られている。
  • スネークケース派の意見
    • PythonやSQLではスネークケースが推奨されている。
    • user_profile_data のように単語が明確に区切られていて可読性が高い。
    • 変数名に使うと読みやすくなる。

チームの開発言語によっても意見が分かれるため、どちらを選択するかは慎重に決める必要があります。

略語の使用に関する議論

変数名や関数名に略語を使うべきかどうかも、エンジニア間で意見が分かれるポイントです。

  • 略語を積極的に使いたい派
    • usrcfg のように、短縮することで可読性が向上する。
    • 短い変数名はコードの行長を短くし、視認性が良くなる。
  • 略語は避けるべき派
    • config のように完全な単語を使ったほうが直感的に理解できる。
    • usruser が混在すると混乱を招く。

どこまで略語を許容するのか、チームで明確に定めておくことが大切です。

プレフィックスやサフィックスの付け方

命名規則には、特定のプレフィックスやサフィックスを付けるべきかどうかの議論もあります。

  • 動詞+名詞のスタイル(getUserData, setConfig)を好む派
    • 一般的な命名規則に従うことで、直感的に理解しやすい。
    • getUserData() のように、関数の目的が明確になる。
  • シンプルな命名を好む派
    • fetchUsersaveConfig のように短く直感的な命名が望ましい。
    • 冗長な命名を避けることで、コードがスッキリする。

このような違いがあるため、チームごとにルールを決める必要があります。

チーム内の命名規則を決めるためのベストプラクティス

命名規則に関する小競り合いを避け、スムーズに開発を進めるためには、チームで明確なルールを決めておくことが重要です。

コーディング規約を文書化する

チーム内で合意した命名規則をドキュメントにまとめ、全員が参照できるようにします。

  • 言語ごとの推奨スタイルを統一する。
  • 変数名、関数名、クラス名などの命名ルールを明確にする。
  • 例外的なケース(外部ライブラリの仕様に合わせる必要がある場合など)を定める。

コードレビューでフィードバックを行う

命名規則の統一は、コードレビューを通じて維持するのが効果的です。

  • 命名が規約に沿っているかをチェックする。
  • 意図が伝わりにくい命名には適切なフィードバックをする。
  • 規約の改善が必要な場合は、都度チームで議論する。

自動ツールを活用する

コードのスタイルチェックを自動化することで、命名規則の違反を防ぐことができます。

  • ESLint(JavaScript)
  • Pylint(Python)
  • Checkstyle(Java)
  • RuboCop(Ruby)

こうしたツールを導入することで、命名に関する議論の手間を減らせます。

まとめ

命名規則はエンジニアにとって重要な課題であり、時には激しい議論を引き起こすこともあります。しかし、チーム内で共通のルールを作り、それを維持する仕組みを整えれば、小競り合いを減らし、よりスムーズな開発が可能になります。

  • 命名規則の重要性を理解する。
  • チームでルールを明確に定める。
  • コードレビューや自動ツールを活用する。

適切な命名は、チームの生産性向上に直結します。ぜひ、自分たちのチームに合った最適なルールを模索してみてください。