
一人情シス、情シスなのに社内IT機器のインシデント対応もやる羽目に
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
社内のITインフラを支える情シス(情報システム部門)は、企業の円滑な業務運営に欠かせない存在です。しかし、一人情シス という状況では、その負担が想像以上に大きくなります。
本来の業務はシステム管理やセキュリティ対策、社内ネットワークの運用などですが、実際には「パソコンが動かない」「プリンタがつながらない」「Wi-Fiが遅い」 といった、あらゆるトラブルにも対応しなければなりません。さらに、セキュリティインシデントが発生すれば、原因調査から復旧対応、再発防止策まで、すべてを一人でこなすことになります。
なぜ一人情シスにここまでの負担がのしかかるのか? そして、どうすれば効率よくインシデント対応を進められるのか? 本記事では、一人情シスのリアルな苦労と、その対策について詳しく解説します。
一人情シスが社内IT機器のインシデント対応を任される理由
社内のITトラブル=情シスの仕事という認識
多くの企業では、IT関連の問題が発生すると「とりあえず情シスに聞こう」という流れになりがちです。たとえそれがPCの単純な設定ミスや、プリンタの紙詰まりだったとしても、「ITのことなら情シスが対応するべき」という認識が根強くあります。
本来、情シスの役割は「ITシステム全体の戦略的な運用・管理」ですが、現場の社員からすれば、どんなITトラブルでも「専門家が対応すべき」と考えてしまうのです。
専門のサポート部門が存在しない
大企業であれば、ITサポートやヘルプデスクの専門チームが存在することもありますが、中小企業やスタートアップでは、一人情シスがすべてをカバーするケースが多くなります。
「ヘルプデスクは外部委託すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、コストの問題や、社内システムの特殊性から、結局社内で対応せざるを得ない状況になってしまうのです。
セキュリティインシデント対応も情シスに集中
最近では、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクが高まり、セキュリティ対策の重要性が増しています。しかし、多くの企業では専任のセキュリティ担当がいないため、インシデント対応も一人情シスの業務に組み込まれてしまう という現実があります。
たとえば、以下のようなトラブルが発生すると、その対応に追われることになります。
- 社員がフィッシングメールを開いてしまい、不審なソフトウェアをインストールしてしまった
- 社内のネットワークに異常なトラフィックが発生し、外部からの攻撃の可能性がある
- 重要データが保存されたPCがランサムウェアに感染し、ファイルが暗号化されてしまった
このようなケースでは、原因究明から復旧作業、社内への注意喚起、再発防止策の策定まで、すべて一人で対応しなければならない のです。
一人情シスのインシデント対応を効率化する方法
インシデント対応の優先度を明確にする
一人であらゆるトラブルに対応するためには、優先順位を決めて効率的に処理する ことが重要です。
例えば、以下のような基準で優先度を決定すると、対応がスムーズになります。
- 業務に大きな影響を与えるもの(最優先)
- 社内システムがダウンして業務が停止
- セキュリティインシデント(情報漏えい、マルウェア感染など)
- ネットワーク障害で全社員がインターネットに接続できない
- 影響はあるが、代替手段があるもの(優先度中)
- 一部の社員がメールを送受信できない
- 社内のプリンタが動作しない(別のプリンタを使える場合)
- PCの一時的な不調(再起動すれば改善する場合)
- 緊急ではないが対応が必要なもの(優先度低)
- 新しいアプリのインストール依頼
- PCの設定変更や軽微な不具合対応
- 社内システムの操作方法に関する質問
優先度を明確にし、対応に時間をかけるべき案件と、後回しにできる案件を区別することで、業務の負担を軽減できます。
チケット管理ツールを導入する
一人情シスが効率よく業務をこなすためには、すべての問い合わせを一元管理できるツールを活用すること が重要です。
- Jira Service Management や Zendesk などのヘルプデスクツールを導入し、社員からの問い合わせをチケット化する
- Googleフォームなどを活用し、問い合わせ内容を整理してもらう
- 「よくある質問」をまとめた社内Wikiを作成し、簡単な問題は自己解決できるようにする
こうした仕組みを整えることで、対応の優先度を管理し、同じ質問に何度も対応する手間を減らす ことができます。
外部のサポートを活用する
一人で全てのトラブルに対応するのは限界があるため、可能な範囲で外部のリソースを活用 することも重要です。
- PCのハードウェアトラブルはメーカーサポートに依頼
- クラウドサービスのトラブルはベンダーに問い合わせ
- セキュリティ対策は専門企業と契約し、初動対応を迅速化
すべてを一人で抱え込むのではなく、外部のサポートを積極的に利用することで、負担を軽減できます。
まとめ
一人情シスは、社内のあらゆるITトラブルに対応しなければならず、時には本来の業務とは異なるインシデント対応まで任される こともあります。特に、セキュリティインシデントが発生した場合、一人で原因調査や復旧作業を行うのは大きな負担です。
この状況を少しでも改善するためには、インシデント対応の優先度を明確にし、チケット管理ツールを活用し、外部のリソースを上手に使う ことが重要です。
一人情シスだからこそ、効率的に業務をこなし、トラブルに振り回される時間を減らしていきましょう。