本当にITエンジニアは不足しているのか?

こんばんは!

IT業界で働くアライグマです!

 

IT業界では、長い間「エンジニア不足」が大きな課題として取り上げられてきました。

AI、クラウド、IoTといった新しい技術の登場により、企業は次々とデジタル変革(DX)を進め、その実現のためにITエンジニアの需要は確かに高まっています。

その一方で、必要なスキルを持った人材が不足しているという声が多く聞かれます。

しかし、実際にエンジニアが不足しているのは、どのようなレベルのエンジニアなのでしょうか?

今回は、ジュニアエンジニアと経験豊富なエンジニアの需給バランスについて考えてみます。

ジュニアエンジニアの供給過多の実態

プログラミング教育の普及や、リモートワークの拡大に伴い、ITエンジニアを目指す人々が急増しています。

特にプログラミングスクールやドットインストールなどの教育サービスの普及によって、初級レベルのエンジニアが市場に多く供給されているのが現状です。

これにより、ジュニアレベルのエンジニアが企業に応募する数は増加している一方で、彼らを受け入れる企業側の需要がそれに追いついていないのが現状です。

ジュニアエンジニアが大量に市場に出てくることで、彼らが直面する課題の一つに「経験不足」があります。

企業は即戦力を求める傾向が強いため、ジュニアレベルのエンジニアが採用される機会は限られており、結果として彼らは職に就けず、あるいは経験を積む場を見つけることが難しくなっているのです。

実際に私も「経験不足」を理由に、プログラミングスクールや独学で学んだ実務経験の乏しいジュニアレベルのエンジニアが、IT業界へのキャリアチェンジで苦労している状況は何度も見かけてきました。

経験豊富なエンジニアの需要が急増

一方、プロジェクトマネージャー(PM)やシニアエンジニアなど、豊富な経験を持つエンジニアは、非常に高い需要があります。

特にリーダーシップやマネジメント経験を持ち、チームをまとめる能力があるエンジニアは企業から引く手あまたの状況です。

技術力とマネジメントスキルの両方を兼ね備えたエンジニアは、プロジェクトの成功に不可欠な存在とされています。

 

この背景には、企業が直面するプロジェクトの複雑さや規模の拡大があります。

企業は、技術力だけでなく、プロジェクトを全体的に把握し、リスクを管理し、成功に導くためのマネジメントスキルを持ったエンジニアを強く求めています。

こうしたエンジニアは、単なるプログラミングスキルだけではなく、コミュニケーション能力、リーダーシップ、問題解決能力など、幅広いスキルセットを必要とされ、その価値はますます高まっています。

エンジニア不足の本質

エンジニア不足の問題を考える際には、単純に「エンジニアが足りない」という表面的な見方だけでなく、エンジニアのスキルレベルや経験、そして企業が求める人材像を深く理解する必要があります。

ジュニアエンジニアが供給過多となっている一方で、経験豊富なエンジニアは不足しており、企業は彼らを巡って競争を繰り広げています。

特に、日本国内では、技術革新が進む一方で、これをリードする人材の育成が追いついていない状況も一因と考えられます。

ジュニアエンジニアのキャリア戦略

ジュニアエンジニアがこの状況を打開するためには、いくつかの戦略が考えられます。

まず、技術スキルだけに依存せず、早期からプロジェクトマネジメントやリーダーシップに関連するスキルを習得し、シニアエンジニアへと成長するための基盤を築くことが重要だと私は考えています。

また、企業が求めるスキルセットを理解し、自ら学び続ける姿勢を持つことも必要です。

現在の技術トレンドを把握し、それに応じたスキルを身につけることで、より市場価値の高いエンジニアになることができます。

さらに、実務経験を積むことも欠かせません。

たとえ小規模なプロジェクトであっても、実際の開発現場での経験を積むことで、技術だけでなく、チームでのコミュニケーション能力や問題解決力など、総合的なスキルを磨くことができます。

企業側の対応と今後の展望

一方、企業側もジュニアエンジニアを戦力化するための投資を考える必要があります。

リーダーシップを持つシニアエンジニアが不足している現状では、ジュニアエンジニアを計画的に育成し、将来的なシニアエンジニアを育てることが企業の競争力向上につながります。

企業は教育プログラムやメンター制度を充実させることで、ジュニアエンジニアが早期に成長できる環境を整えるべきであるとは思いますが、ただ離職のリスクが高いことも事実です。

ITエンジニアという職種に対しての不適合さや、ある程度の経験を積んだらすぐに転職してしまうなど、離職リスクが高いことも企業が未経験採用を躊躇させる原因の一つであると言えるでしょう。

まとめ

ITエンジニア不足は、実際にはジュニアレベルとシニアレベルのエンジニアで需給バランスが異なる問題です。

ジュニアエンジニアは供給過多の状態にあり、シニアエンジニアやマネジメント経験を持つエンジニアは不足しています。

このギャップを埋めるためには、エンジニア自身がスキルアップを図るとともに、企業側も育成のための取り組みを強化することが必要です。

今後、このバランスをどう取るかが、IT業界全体の成長にとって大きな課題となるでしょう。