
一人情シス、情シスなのに社内IT機器の修理もやる羽目に
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
情シス(情報システム部門)は、社内システムの運用・保守、セキュリティ対策、アカウント管理などを主に担当する部門です。しかし、多くの企業では情シスの業務範囲がどんどん広がり、気づけば社内のIT機器の修理まで担当することになるケースが少なくありません。
特に一人情シスとして働いている場合、その傾向はさらに顕著になります。本来ならば、ハードウェアの修理はメーカーや保守業者が対応すべきものですが、「ITに詳しいから直せるだろう」と安易に判断され、業務の一環として押し付けられることがよくあります。
実際に、パソコンやプリンター、ネットワーク機器の故障、さらにはスマートフォンやタブレットのトラブルまで、社内のIT関連の修理がすべて情シスに回ってくることも珍しくありません。しかし、これが情シスにとって大きな負担になり、結果的に本来の業務に支障をきたすことも多いのです。
では、なぜ情シスがIT機器の修理まで担当しなければならないのか? その問題点と、負担を軽減するための具体的な対策について詳しく解説していきます。
IT機器の修理を情シスが担当することの問題点
本来の業務が圧迫される
情シスの役割は、社内のITインフラを安定して運用し、業務の効率化を図ることです。しかし、PCの故障対応やプリンターの修理、ネットワーク機器の不具合対応などが日常的に発生すると、これらの突発的な業務に時間を取られ、本来の業務に集中できなくなります。
特に一人情シスの場合、IT機器の修理対応をしている間に、サーバーの監視やセキュリティ対応が疎かになり、結果として会社全体のIT環境のリスクが高まることになります。
ハードウェア修理は専門外の業務
情シスはIT全般に関する知識を持っていますが、必ずしもハードウェアの修理が得意なわけではありません。 特に、ノートパソコンの内部パーツ交換や、基板の修理といった高度な作業は、専門の技術が必要です。
また、メーカー保証のある機器を不用意に分解・修理してしまうと、保証が無効になる可能性があり、かえって企業に損害を与えるリスクもあります。
「情シスなら何でもできる」と思われてしまう
一度修理対応を引き受けると、社内の認識として「情シスが直してくれるのが当たり前」になり、修理の依頼が増える一方になります。すると、情シスが本来担うべき業務よりも、PCやプリンターの修理といった雑務が優先されるようになり、仕事のバランスが崩れてしまいます。
さらに、「この機器の調子が悪いから見てほしい」「電源が入らないんだけど、直せる?」といった相談が常態化し、情シスの業務がどんどん修理対応に偏ってしまうことも問題です。
一人情シスがIT機器の修理負担を減らす方法
ルールを明確にし、修理対応の線引きをする
まず最初に行うべきなのは、情シスが対応する範囲を明確にし、修理対応のルールを社内に周知することです。
例えば、
- 基本的なトラブルシューティング(再起動や設定変更など)は対応する
- ハードウェアの分解や部品交換はメーカー・保守業者に依頼する
- 社内で修理対応を行う場合は、特定の承認プロセスを経る
といったルールを定めることで、情シスが無駄に修理業務を抱え込むことを防げます。
保守契約やメーカー保証を積極的に活用する
社内のIT機器は、可能な限りメーカー保証や保守契約を活用し、修理対応を外部に委託する仕組みを作りましょう。
特に、
- PCはメーカーのオンサイト保守契約を結ぶ
- プリンターやネットワーク機器も保守契約を導入する
- スマートフォンやタブレットはキャリアのサポートを利用する
といった対策を講じることで、情シスが直接修理を行う必要がなくなり、負担を大幅に軽減できます。
ユーザー教育を徹底し、トラブル対応を簡略化する
情シスが毎回対応するのではなく、社内ユーザーに基本的なトラブル対応を覚えてもらうことも重要です。
例えば、
- PCがフリーズしたら、まず再起動する
- プリンターのトラブルはトラブルシューティング機能を使う
- インターネットがつながらない場合はLANケーブルやWi-Fiの確認をする
といった基本的な対処法をまとめたガイドを作成し、社内に配布すると、情シスへの問い合わせ件数を減らすことができます。
修理対応の工数を可視化し、業務負担を経営層に訴える
情シスがどれだけ修理対応に時間を取られているかを記録し、データとして経営層に報告することも大切です。
例えば、
- 修理対応にかかった時間を記録し、月ごとに集計する
- 本来の業務(システム管理やセキュリティ対策)がどれだけ圧迫されているかを示す
- 修理対応を減らすために追加の人員や外部サポートが必要であることを提案する
といった方法で、情シスのリソースが不足していることを可視化し、必要な対策を経営層に理解してもらいましょう。
まとめ:情シスが修理業務を抱え込まない仕組みを作る
一人情シスが社内のIT機器修理まで対応するのは、現実的に大きな負担です。しかし、適切なルール作りや外部サポートの活用、社内教育を徹底することで、負担を軽減することができます。
「情シスが直してくれるから大丈夫」ではなく、企業全体でIT機器の管理を適切に行う体制を作ることが、結果として情シスの負担を減らし、本来の業務に集中できる環境を作ることにつながります。
無理にすべてを抱え込まず、負担を分散させる仕組みを整えましょう。