
新人エンジニアが知らない”昔は当たり前だった”仕事のやり方
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
エンジニアの仕事は、時代とともに大きく変わってきました。今の新人エンジニアが当たり前のように使っているツールや開発手法は、ほんの数十年前には存在しなかったものばかりです。
かつてのエンジニアたちは、現在では考えられないような方法でプログラムを書き、コードを管理し、開発を進めていました。「そんなやり方で本当に仕事ができたの?」と驚くような作業も、当時は常識だったのです。
本記事では、昔は当たり前だったけれど、今ではほとんど見かけなくなったエンジニアの仕事のやり方について詳しく解説します。過去を振り返ることで、現在の開発環境の便利さを再認識し、将来の進化を予測するヒントになるかもしれません。
新人エンジニアが知らない“昔は当たり前だった”仕事のやり方
ソースコードはすべて手入力
今では、VS CodeやJetBrains製品などの高機能なIDE(統合開発環境)が当たり前になり、コード補完やシンタックスチェックが自動で行われます。しかし、昔のエンジニアは、すべてのコードを手入力し、文法の間違いも自力で見つけるしかありませんでした。
エディタはメモ帳やvi、Emacs
プログラムを書く際に使われていたのは、シンプルなテキストエディタでした。
- Windowsなら「メモ帳」や「秀丸エディタ」
- UNIX/Linuxなら「vi」や「Emacs」
現在のようなコード補完機能はなく、関数名や構文をすべて暗記する必要がありました。間違ったスペルを入力すれば、コンパイルエラーが発生し、エラーメッセージを見ながら修正するしかなかったのです。
コード補完もハイライトもなし
今のIDEでは、関数名の補完や構文のハイライト表示が当たり前ですが、昔のテキストエディタではすべて真っ白な画面に黒い文字が並んでいるだけ。変数名のミスも、閉じ忘れた括弧も、すべて自分で気づかなければいけませんでした。
新人エンジニアが、補完機能なしでコードを書いてみると、どれだけ時間がかかるか実感できるでしょう。
バージョン管理は手作業
現在はGitが普及し、GitHubやGitLab、Bitbucketなどのリポジトリを活用するのが当たり前です。しかし、昔はバージョン管理ツール自体が存在せず、手作業でコードを管理していました。
ファイル名でバージョン管理
現在のエンジニアがGitのcommit
やbranch
を使って変更履歴を管理しているのに対し、昔はファイル名の末尾にバージョン番号をつけることで管理していました。
例えば、
このように、どのファイルが最新版なのかが曖昧になることも頻繁にありました。
共同作業は「今編集してるから待って」
Gitのpull request
やmerge
のような機能がなかったため、チーム開発では「このファイル編集してるから他の人は触らないで」と口頭で伝えるのが一般的でした。
もちろん、ミスが起こることも多く、複数人が同じファイルを編集してしまい、どちらの変更を採用するか手作業で統合することも珍しくありませんでした。
インターネットなしで調べるのが基本
現在のエンジニアは、エラーが発生すればGoogle検索をし、Stack Overflowで解決策を探すのが当たり前です。しかし、昔はインターネットが普及しておらず、技術的な情報を調べる手段が限られていました。
情報収集の方法
- 分厚いマニュアル本を読む(言語仕様書、APIリファレンスなど)
- 先輩エンジニアに直接聞く(「このバグ、どうやって直すんですか?」)
- 技術系雑誌を読む(『Software Design』『C MAGAZINE』などが人気だった)
新しい技術を学ぶのにも、今よりはるかに時間がかかっていたのです。
コードレビューは紙に印刷して行う
現在のエンジニアは、GitHubのプルリクエスト機能を使い、オンライン上でコードレビューをします。しかし、昔はそんな便利なツールはなく、コードレビューは紙に印刷して行うのが普通でした。
エンジニアはコードを印刷し、赤ペンで修正点を書き込み、対面で指摘するという流れでレビューをしていました。
この方法では、レビューのたびに大量の紙が必要になり、修正後にまた印刷する必要があるため、非常に手間がかかりました。
デプロイは手作業でFTP転送
現在はCI/CDツールを使い、コードの変更が即座にデプロイされる環境が整っています。しかし、昔はデプロイ作業もすべて手動でした。
FTPで直接アップロード
エンジニアは、FTPクライアントを開き、サーバーに手動でファイルをアップロードしていました。誤って古いファイルを上書きしたり、ファイルのアップロード漏れが発生することもあり、デプロイ作業は非常に慎重に行う必要がありました。
現在のように自動デプロイが当たり前になるまで、エンジニアは細心の注意を払って手作業で本番環境に変更を反映していたのです。
まとめ
エンジニアの仕事は、技術の進化とともに大きく変わりました。
- コード補完なしで手入力が当たり前だった
- バージョン管理はファイル名で管理していた
- インターネットなしで情報を調べていた
- コードレビューは紙に印刷して行っていた
- デプロイは手作業のFTP転送が主流だった
こうした過去のやり方を知ることで、現在の開発環境のありがたさが実感できるのではないでしょうか?
そして、今後も技術は進化し続けます。10年後のエンジニアが「昔はGitを手動で操作していたなんて信じられない」と言う日が来るかもしれません。