
一人情シス、情シスなのに社内IT機器のペネトレーションテストもやる羽目に
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
企業のITを支える情シス(情報システム部門)は、日々多岐にわたる業務をこなしています。しかし、特に 一人情シス の場合、その業務範囲はさらに広がり、まさに何でも屋状態になることも珍しくありません。
今回のテーマは、そんな一人情シスの私が 社内IT機器のペネトレーションテスト(侵入テスト)をやることになった話 です。セキュリティ専門の部署がない中で、どのように対応し、どんな課題に直面したのかを詳しくお伝えします。
社内IT機器のペネトレーションテストをやることになった経緯
企業のセキュリティ対策は年々重要性を増しています。特に、最近ではサイバー攻撃の手口が高度化し、中小企業でも 情報漏洩やランサムウェア被害 に遭うケースが増えています。その流れを受け、経営陣から 「うちの社内IT環境って安全なの?」 という問いかけがありました。
通常であれば、外部のセキュリティ専門会社に依頼するのが一般的ですが、予算の問題から 「まずは社内でできる範囲で調査してみよう」 という話になり、一人情シスの私にその役目が回ってきたのです。
そもそもペネトレーションテストとは?
ペネトレーションテスト(Penetration Test、略してペンテスト)とは、 システムやネットワークに対して意図的に攻撃を仕掛け、脆弱性を特定するテスト です。具体的には、以下のような手法を用います。
ブラックボックステストとホワイトボックステスト
- ブラックボックステスト:攻撃者視点で、外部から情報なしで侵入を試みる
- ホワイトボックステスト:管理者視点で、内部の情報を元に脆弱性を探す
代表的な攻撃手法
- ポートスキャン:開いているポートを調査し、侵入可能なサービスを探す
- パスワードクラック:脆弱なパスワードを特定し、不正ログインを試みる
- フィッシングテスト:社内のユーザーを対象に、フィッシング攻撃の耐性をチェックする
ペンテストを実施することで、 社内のセキュリティホールを事前に発見し、対策を講じることができる のです。
一人情シスがペネトレーションテストを実施するための準備
ペンテストを行うには、適切な準備が必要です。特に一人情シスの場合、 時間もリソースも限られているため、効率的に進めることが重要 になります。
経営層と関係部署の承認を得る
ペンテストは 意図的に攻撃を行う行為 なので、社内の承認なしに実施すると問題になります。そのため、事前に経営層や関係部署と以下の点を確認しました。
- テストの目的と範囲(どのシステムや機器を対象にするか)
- 実施期間と影響範囲(業務に支障が出ないか)
- テスト終了後の報告方法
必要なツールを準備する
ペンテストには専用のツールが必要です。無料で使えるものも多いため、今回は以下のツールを活用しました。
- Nmap(ネットワークスキャニング)
- Metasploit(脆弱性診断・攻撃テスト)
- Hydra(パスワードクラック)
事前の情報収集を行う
社内のネットワーク構成や使用しているシステムの 脆弱性情報 を事前に調査しました。特に、未適用のセキュリティパッチがないかをチェックし、 既知の脆弱性を悪用されるリスク を事前に把握しました。
実際にペネトレーションテストを実施してみた
いよいよペネトレーションテストの実施です。今回は ホワイトボックステスト をメインに、以下のポイントを重点的にチェックしました。
ネットワークスキャンの実施
まずは Nmap を使用して、社内ネットワーク上の機器やサーバーの開放ポートをスキャンしました。
→ 想定外のポートが開いている端末を発見!
パスワード強度のチェック
次に、社内の管理者アカウントや重要システムのパスワード強度をチェックしました。Hydra を使って辞書攻撃を試したところ、一部のアカウントで 安易なパスワード("password123″ など) が使われていることが判明しました。
→ 即座に強固なパスワードポリシーの適用を決定!
フィッシング耐性のテスト
最後に、社内の一部社員に対して 模擬フィッシング攻撃 を試みました。驚くことに、約30%の社員が 偽のログインページに情報を入力 してしまいました。
→ セキュリティ教育の必要性を痛感!
ペネトレーションテストの結果と改善策
今回のペネトレーションテストを通じて、いくつかの 重大なセキュリティ課題 が明らかになりました。
主な発見
- 不要なポートが開放されていた → 閉鎖を実施
- 脆弱なパスワードが使用されていた → パスワードポリシーの強化
- フィッシング詐欺に引っかかる社員が多数 → セキュリティ教育を徹底
この結果を経営層に報告し、改善施策を提案したところ、 予算を確保して外部の専門業者に定期的なセキュリティ診断を依頼することが決定 しました。
まとめ
一人情シスとして社内IT機器のペネトレーションテストを実施するのは 大変な作業 でした。しかし、その結果 会社のセキュリティ課題を具体的に把握し、対策につなげることができた のは大きな成果です。
社内のセキュリティは、一度対策すれば終わりではありません。 今後も定期的な診断と社員教育を継続し、企業全体でセキュリティ意識を高めていくことが重要だと実感しました。
もし同じような状況に置かれた一人情シスの方がいたら、焦らず、一歩ずつできるところから取り組むことが大切 です。まずは小さな診断から始めてみてはいかがでしょうか?