開発中に「この機能本当に必要?」と疑問を抱く瞬間

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

システム開発を進めていると、実装している最中に「この機能、本当に必要なのか?」と疑問を抱くことがあります。仕様書に記載されているから実装を進めてはいるものの、冷静に考えると「誰が使うのか?」「どのくらいの頻度で使われるのか?」「なくても困らないのでは?」といった疑問が湧いてくることは珍しくありません。

このような状況は、特に大規模な開発プロジェクトや、クライアントの要望をそのまま実装している場合に発生しやすく、無駄な工数を費やした挙句、ほとんど使われない機能が出来上がることもあります。では、なぜこのようなことが起こるのか? そして、不要な機能を事前に見極め、開発コストを最適化するためにはどうすればよいのか? この記事では、その原因と対策について詳しく解説します。

開発中に「この機能本当に必要?」と疑問を抱く瞬間

「この機能、本当に必要?」と感じる瞬間

開発中に「この機能は不要では?」と疑問を抱く瞬間には、いくつかの典型的なパターンがあります。

ユースケースが不明確なとき

仕様書に「〇〇機能を実装する」と記載されていても、実際の利用シーンが明確にイメージできない場合、その機能の必要性に疑問を感じることがあります。

例えば、「高度なフィルタリング機能を提供する」と決まっていたとしても、「そもそもユーザーはそんなに細かく絞り込みをするのか?」「デフォルトの検索機能で十分では?」といった疑問が出てきます。ユーザーが実際に求めていない機能を作ることは、開発コストの無駄につながります。

実装コストが異常に高いとき

シンプルな機能だと思っていたのに、実際に開発を始めると想像以上に手間がかかるケースもあります。

例えば、「データをエクスポートできるようにする」という要件があった場合、一見簡単に思えるものの、実際には「エクスポート形式を複数対応」「データ量が多い場合の処理負荷対策」「権限管理」など、考慮すべきことが増えていきます。結果として、他の重要な機能に割くべきリソースが失われてしまう可能性があります。

使われる頻度が極端に低そうなとき

「この機能は、あると便利かもしれない」と考えられた機能が、実際にはほとんど使われないこともあります。

例えば、「カレンダーに予定を色分けして登録できる機能」を実装したものの、ほとんどのユーザーはデフォルトの色のままで使うといったケースです。こうした機能は、「必要な人が少数いる」という理由で追加されがちですが、実装や保守にかかるコストを考えると、果たして本当に価値があるのか疑問です。

クライアントの「なんとなく要望」だったとき

特に受託開発の現場では、クライアントが「なんとなくあったほうが良さそう」と思って追加した要望が、実際にはほとんど使われないことがよくあります。

例えば、「CSV出力が必要」と言われて実装したものの、実際にリリース後の利用状況を分析すると、ほとんどダウンロードされていない、といったことが発生します。クライアント自身も「本当に必要かどうか」まで深く考えずに依頼していることが多いため、事前にヒアリングをしっかり行い、本当に必要かどうかを見極めることが重要です。

他の機能と役割がかぶっているとき

すでに実装されている機能とほぼ同じ役割を果たす機能を、別の形で追加しようとするケースもあります。

例えば、「ユーザー情報の検索機能」と「ユーザーリストのフィルタリング機能」が別々に存在している場合、両者の違いがあいまいで、どちらか片方で済むのでは?と感じることがあります。こうしたケースでは、機能の統合や整理を検討することで、シンプルなUI・UXを維持しつつ開発コストを削減することができます

不要な機能を事前に見極めるための対策

では、不要な機能を開発前に見極めるには、どのような対策を取るべきなのでしょうか?

ユーザーの行動をデータで分析する

機能の必要性を判断する際、感覚ではなくデータを基に意思決定を行うことが重要です。

例えば、既存のアプリに似た機能がある場合、その機能の使用頻度をGoogle Analyticsやヒートマップツールで分析し、利用率が低い場合は新機能の追加を見直すことができます。また、ユーザーインタビューやアンケートを実施し、実際にその機能が求められているかどうかを確認することも有効です。

MVP(最小限の機能)でリリースして反応を見る

いきなりフル機能を実装するのではなく、まずは最低限の機能でリリースし、ユーザーの反応を見てから追加するのも効果的です。

例えば、「ダッシュボードにカスタムウィジェットを配置できるようにする」という要件があった場合、最初は固定のウィジェットのみでリリースし、実際にユーザーからカスタマイズの要望がどれだけ出るかを確認してから、機能拡張を検討するといった方法です。

クライアントの要望を深掘りする

クライアントが「この機能が欲しい」と言ったとき、すぐに受け入れるのではなく、「なぜ必要なのか?」を深掘りする質問をすることが重要です。

まとめ

開発中に「この機能、本当に必要?」と感じる瞬間は多々あります。特に、ユースケースが曖昧な機能や、実装コストが高い割に使用頻度が低そうな機能は、本当に追加すべきか慎重に判断する必要があります。

不要な機能の開発を避けるためには、データ分析・MVPアプローチ・クライアントとの適切なヒアリングが不可欠です 無駄な開発コストを抑え、より価値のある機能にリソースを集中させるために、必要性を見極めるスキルを磨いていきましょう。