エンジニアはビジネス理解が低くて良いのか問題

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

エンジニアの役割は「技術を駆使してシステムを構築すること」と考えられがちです。しかし、開発を進める中で、「ビジネスのことは分からない」「仕様通りに作るだけ」というスタンスでいると、後になって問題が発生することが少なくありません。

一方で、ビジネス側との認識のズレが原因で、開発が混乱したり、無駄な作業が増えたりすることもあります。エンジニアはどこまでビジネスを理解すべきなのか?それとも技術だけに集中しても問題ないのか?

本記事では、エンジニアのビジネス理解の重要性と、そのバランスについて考えていきます。

エンジニアがビジネスを理解しないとどうなるのか

仕様通りに作ったのに「これじゃない」と言われる

エンジニアとしては、要件定義書や仕様書に沿ってシステムを開発しているのに、完成後に「思っていたものと違う」と言われることがあります

これは、ビジネス側の意図を十分に理解せずに開発を進めた結果、システムが実際の業務フローやユーザーの期待に合わないものになってしまうためです。

無駄な開発が発生する

ビジネスの背景を理解せずに仕様通りに開発を進めると、本来不要だった機能を作り込んでしまうことがあります。

例えば、経営層の「こういう機能がほしい」という一言を鵜呑みにして開発を進めた結果、実際には使われなかったり、既存の業務フローと合わずに放置されたりするケースは少なくありません。

技術的に正しくても、ビジネス上は不適切な判断をする

エンジニアは技術的な最適解を求める傾向があります。しかし、技術的には最適でも、ビジネス上はコストがかかりすぎたり、市場のニーズとずれていたりする場合もあります。

例えば、最新のフレームワークを採用すれば開発の効率は上がるかもしれませんが、チーム全体のスキルセットやメンテナンス性を考えると、従来の技術スタックを使うほうがビジネス的には合理的な選択になることもあります。

では、エンジニアはどこまでビジネスを理解すべきか?

ビジネスの「目的」を理解する

エンジニアはすべての経営戦略やマーケティングの詳細を知る必要はありません。しかし、そのシステムや機能が「何のために」作られるのかを理解することは重要です

  • その機能は、どのユーザーのどんな課題を解決するのか?
  • 企業の売上や利益にどのように貢献するのか?
  • 競合と比べてどういった価値を提供するのか?

こうした視点を持つことで、無駄な開発を減らし、本当に価値のある機能を作ることができます

ビジネス側の言葉を理解し、翻訳する能力を持つ

エンジニアとビジネス側では、使う言葉や考え方が異なります。そのため、ビジネスの要件をエンジニアリングの観点に落とし込む「翻訳力」が求められます。

例えば、「もっとユーザーフレンドリーにしてほしい」という要望があった場合、それが「UIの改善」なのか「操作ステップの削減」なのか「エラーメッセージの改善」なのかを具体的に分析し、適切な実装方法を提案することが重要です。

開発コストとビジネス価値のバランスを意識する

ビジネスの目的と開発コストのバランスを考えられるエンジニアは、チームにとって非常に価値の高い存在になります

例えば、ある機能を実装するのに1ヶ月かかるとした場合、それによって得られるビジネス上の利益がどれくらいあるのかを考え、代替案を提示することができます。

  • 「この機能を簡略化すれば、2週間で実装でき、90%の目的は達成できます」
  • 「この機能は市場ニーズが不明確なので、PoC(試作)でまず検証し、効果があれば本格開発しましょう」

こうした視点を持つことで、無駄な工数を減らし、より価値のある開発ができるようになります。

ビジネス理解を深めるためにできること

ビジネス側と積極的にコミュニケーションを取る

プロダクトマネージャーや営業、マーケティング担当者と話す機会を増やすことで、ビジネスの課題やニーズを直接知ることができます

  • クライアントやユーザーからのフィードバックを共有してもらう
  • 仕様を決める際に、エンジニアも会議に参加する
  • ビジネス側の「本当の意図」を理解するために質問する

ユーザーの声を知る

実際のユーザーがシステムをどのように使っているのかを知ることで、エンジニアとしての視点が広がります。

  • ユーザーインタビューの結果を確認する
  • サポートチームの問い合わせ内容を見て、改善点を考える
  • ユーザーテストの動画をチェックする

ビジネスに関する基礎知識を学ぶ

  • 企業のビジネスモデル(B2B、B2C、サブスクリプションなど)
  • 売上、利益、ROI(投資対効果)といった基本的な指標
  • 市場調査や競合分析の基礎

こうした知識を持っていると、開発の優先順位を決める際に役立ちます。

まとめ

エンジニアは技術だけに集中すればいいのか、それともビジネスも理解すべきなのか? これは、チームの文化やプロジェクトの性質によって異なりますが、少なくとも 「ビジネスの目的を理解し、それを技術に落とし込む力」は重要 だと言えます。

  • 仕様通りに作るだけではなく、なぜその機能が必要なのかを理解する
  • ビジネス側とコミュニケーションを取り、意図を正しく把握する
  • 開発の優先順位やコストを意識し、最適な提案をする

このような姿勢を持つことで、エンジニアとしての価値が高まり、より影響力のある存在になることができます。